EKEN netの成果として、2型のC型慢性肝炎のペグインターフェロン+リバビリン併用治療効果はインターフェロン投与総量に依存することを発表

愛媛県の肝疾患診療連携拠点病院である愛媛大学医学部附属病院と、EKEN netに所属している愛媛県内の肝疾患専門医療機関との共同研究の成果が発表されました。ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎のペグインターフェロン+リバビリン併用治療において、その治療効果はペグインターフェロン投与総量に依存することが明らかになり、その研究結果を日本肝臓学会の英文誌であるHepatology Researchに発表しました(Watanabe T, Konishi I, Shigematsu S, et al. Sustained virological response of patients with hepatitis C virus genotype 2 depends on pegylated interferon compliance. Hepatology Research, 41:722-730, 2011)。

ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎はペグインターフェロン+リバビリン併用治療によるC型肝炎ウイルス排除効果は約80%と比較的良好ですが、ウイルスを排除できない患者さんもいらっしゃいます。治療効果と関連する要素として、ペグインターフェロン投与総量が多いことが明らかになりました。一方、リバビリン投与総量は、ペグインターフェロン投与総量ほど治療効果に影響を与えませんでした。これらの結果から、ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン併用治療では、ペグインターフェロンをなるべくしっかりと投与する工夫が求められることになります。

C型肝炎患者さんへの運動療法がインスリンの作用改善効果など有用であることを発表

愛媛大学医学部附属病院で臨床試験いたしました、C型肝炎患者さんを対象とした運動療法の結果が、日本肝臓学会の英文誌であるHepatology Researchに掲載されました(Konishi I, Hiasa Y, Tokumoto Y, et al. Aerobic exercise improves insulin resistance and decreases body fat and serum levels of leptin in patients with hepatitis C virus. Hepatology Research, Epub ahead of Print)。

積極的な運動を心がけることにより血糖コントロールをするホルモンであるインスリンが効くようになり、体脂肪の低下、レプチンというホルモンの低下を来たし、予後改善効果が期待されることがわかりました。C型肝炎において運動療法の有用性を実証した結果になっています。C型肝炎だから安静にするというのではなく、日常生活に積極的に運動を取り入れることが望まれることになります。