愛媛大学医学部附属病院 先端医療創生センター

部門紹介

分子医療部門

スタッフ一覧

  • 茂木正樹(部門長)
  • 閔莉娟
  • 東山繁樹

部門概要

近年のゲノム・プロテオーム解析の進歩は病態の予防・診断に光明をもたらしていますが、基礎研究の発展と臨床医学への応用との間にはまだ隔たりがあり、両者の橋渡しをする技術的な応用や工夫が求められています。また、病態の解明においても、これまでの一元論的な疾患概念から、時間的空間的影響を加味した創薬開発の必要性が唱えられています。さらに、よりクオリティの高い治療の推進のためには、個々人の特徴や病態への感受性の検討と簡便・正確な病態診断学の確立が非常に重要となります。

分子医療部門では、がんや再生治療、生活習慣病に焦点を当て、愛媛大学で開発されたコムギ無細胞タンパク質合成技術を利用したプロテオ―ム解析や病態に関連する新たな因子に着目した研究を進め、実臨床に繋がる基礎的なアプローチを構築することを目標としています。

研究紹介

これまでの具体的成果として、プロテオーム解析の一端としては、がんにおける血管新生スイッチ分子としてユビキチンリガーゼであるCUL3に着目して、無細胞タンパク質合成によりアルファスクリーニングアッセイを行い、血管新生バランスを自在に制御できるシステムの構築を進めています。また、表皮再生医療において問題となる、培養中の表皮細胞の枯渇を誘導するメカニズムにAkt/Rac1が関与していることを見出しました。このシグナルを制御することにより、再生医療の課題であったクローナル・コンバージョンを防ぐ方法が解明され、臨床応用に繋げていく方針です。病態関連因子の解析では、肥満や糖代謝異常において血圧調節ホルモンであるレニン・アンジオテンシン系(RAS)が深く関与し、例えば慢性炎症に起因するIL-17の産生や糖代謝に関連するPPARγに影響を与えていることを見出しました。また、RASは脳血流や神経炎症に影響を与えることにより、認知機能にも関連していることも見出し、RASの制御によりマウスにおいて認知機能が改善するなど、これまで高血圧に関連していると考えられたホルモンが幅広く他の病態にも関連していることがわかってきました。

分子医療部門の目指す、がん・再生治療・生活習慣病へのトランスレーショナルリサーチ