医学部附属病院概要2019
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 愛媛大学医学部は,1973年に新設医学部の第一号として発足しました。1976年には医学部附属病院を開院し,1979年には大学院医学研究科(現大学院医学系研究科)を,1994年には看護学科を設置して現在に至っています。卒業生の半数程度は,愛媛県内に残り地元の医療を支えており,また,多数の卒業生が母校で教鞭をとって後進の育成を担当しています。それだけでなく,全国各地で医学・医療のリーダーとして活躍している卒業生も数多くいます。 教育面では,医学部創設以来の基本理念である「患者から学び,患者に還元する教育・研究・医療」のもと,一貫して患者から学ぶ真摯な態度と教育・研究・医療の成果を患者に還元する優れた能力を併せ持った医療人の育成に努めています。さらに,愛媛大学の基本理念である,「学生中心の大学」,「地域とともに輝く大学」,「世界とつながる大学」の実現を目指して,学生の多様な志向性を尊重した医学教育を提供しています。学生が地域の医療を理解するための地域医療研修だけでなく,国際的な視野をもった医療人を育成するため,学生の海外研修も推奨しており,江原大学,大連医科大学,中国医科大学,高雄医科大学などと交流を行っています。また,医学科の研究志向の学生に向けて,研究室配属科目「医科学研究」を1年次から4年次まで継続して開講しています。医科学研究で一定の基準を満たした医学部生は,科目等履修生として大学院講義を受講することもできます。 研究面では,本研究科と愛媛大学プロテオサイエンスセンター及び学術支援センターが連携し,「がん」,「免疫・アレルギー疾患」,「感染症」,「運動器疾患」や「老化」などの分野において,先端的で特徴ある研究を行っています。そこで得られた最先端の研究成果を新しい治療法の開発へと繋げるため,医学部附属病院内に先端医療創成センターを設置して,「橋渡し研究」を推進しています。また,愛媛県内の方々のご協力のもと,特定の要因と疾病発生の関係を調べる観察的研究の「コーホート研究」にも力を入れています。さらに,将来的な研究活動の一層の活性化に向けて,基礎医学系と臨床医学系が連携した大学院教育を実施しています。 地域貢献に関しては,愛媛県内各地にサテライトセンターを設置し,そこで地域のニーズに即した医療を行うことで,愛媛県内の地域医療の向上に貢献しています。さらに,県内各地の医療機関と連携し,将来の地域医療に貢献できる人材の育成,キャリア形成を積極的に推進・支援しています。また,東温市,地場企業と連携して,ものづくり産業やヘルスケアの創生を目的とした「とうおん健康医療創生事業」を実施し,地域の活性化を図っています。 このように,愛媛大学医学部・大学院医学系研究科は着実に発展し続けています。これからも,地方にあって世界に向けて発信する愛媛大学医学部の実現を目指し,日々研鑽に努めることで,急速に変化していく社会に柔軟に対応できる,適応力を持った医療人を輩出していきたいと考えています。今後とも皆様方の継続的なご支援をよろしくお願い申し上げます。医学系研究科長/医学部長 あいさつ医学系研究科長 医学部長 山下 政克2あいさつ 医学系研究科長/医学部長 03

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