教授からのあいさつ

愛媛大学大学院 血液・免疫・感染症内科学(第一内科)のホームページへようこそ

 愛媛大学医学部第一内科(現 血液・免疫・感染症内科)は、1973年(昭和48年)に愛媛大学医学部設置とともに開設された内科学教室で、今年で開講45周年を迎えます。初代の小林 讓教授、1991年からは第2代藤田 繁教授、2005年からは第3代安川正貴教授のもと、血液・膠原病・感染症領域を中心に診療を行い、幅広い領域をカバーできる内科医を育成・輩出してきました。2018年5月より竹中克斗が第4代教授として教室を主宰させて頂いています。

 当教室では、開講以来、『楽しく自由に学び、個性を伸ばす。地域に根ざし、世界に通じる医療人を育てる』を理念として、教室運営を行ってきました。今後も、自ら学んでいく自由を支える組織の気風を引き継ぎ、さらに教室を飛躍させるために全力を尽くして参ります。

 私たちの役割は、患者さんに対して「疾患」だけではなく、一人の「人」として向き合うことを大切にし、地域の医療に貢献しながら、同時に医療・医学の発展に貢献できるエビデンスを創出する臨床研究、基礎研究を推進できる医師を養成することであると考えています。「患者さんを治したい」という思いを、より高いレベルで求めるには、新しい治療法や最新の診断・治療ガイドラインに対応し、先進的治療を提供できること、チーム医療の中で多職種連携を行える医療人になること、患者さんに「人」として寄り添い、患者さんおよびご家族から信頼や尊敬される一貫した信念を持つことが必要です。さらには、ベットサイドの疑問点を基礎的視点で解決する能力を身につけ、臨床研究や基礎研究を通じて病態の解明や新しい治療法の開発を担っていく基礎的探究心をも併せ持つことが大切であると考えています。そういった臨床・基礎両面からのアプローチによって、「患者さんをよくする」ために全力を尽くすことのできる質の高い医療人を育てる、それが大学病院の使命であり、そういった取り組みができるところが大学病院のメリットであると考えています。

 当教室では、血液内科、腫瘍内科、免疫膠原病内科、感染症内科、および総合内科的疾患を中心に診療に当たっています。疾患の特性上、特定の臓器に限局しない全身性疾患であり、高いレベルの全身管理、トータルケアできる能力が求められる領域です。同種造血幹細胞移植や、分子標的療法、がん薬物療法、高度な免疫抑制療法などの先進の高度医療の実践に加えて、重症感染症治療のコンサルトや院内感染対策チームとしての診療科横断的な役割などを通じて、内科系領域全般についての広い知識と診療技術(generality)と、高い専門性(subspecialty)を両立できる内科医を育成を目指しています。また、私達の教室では、現在の標準的治療では治癒が困難な疾患において、新たな治療法の開発を目指して、日夜研究に励んでいます。基礎系教室との連携も行いながら、病態の解明や、新しい治療標的の発見、その標的に対する新規治療法の開発を行っています。特に、血液腫瘍、難治性膠原病、ウイルス感染症などの領域で素晴らしい研究成果が得られ、その成果を臨床の場に還元できるようになりました。

 愛媛大学医学部ならびに附属病院の大切な役割の一つに、愛媛県下の医療の充実が挙げられます。現在、多くの県下医療機関において当科出身の医師が地域医療に貢献しています。今後も引き続き、各医療機関と密接な連携を図り、愛媛の医療の充実に努めて参ります。

 私が、教授に就任してほぼ6年が経過しました。教室は世代交代がすすみ、ずいぶん若返りました。非常に活気があり、新しい課題に意欲的に取り組む姿勢が、教室全体の雰囲気を非常に明るくしており、教室員一同、さらなる発展を目指しています。

 一緒に切磋琢磨して頂ける熱い心を持った皆様の教室へのご参加を歓迎致します。
 今後とも引き続きご支援の程お願い申し上げます。


2024年1月
愛媛大学大学院医学系研究科
血液・免疫・感染症内科学(第一内科)  竹中克斗