プログラム紹介

学生研究員になる方法とその特典

今般,愛媛大学医学部/医学系研究科では,プログラム名称「医学科大学院からの基礎研究医養成コース」について,国から5年間で1億円を超える予算をいただけることになりました。この予算によるプロジェクトを「基礎GP」と略称しています。基礎医学に進む医学生が極端に減少し,世界をリードしてきた日本の医学・生命科学に陰りが見えてきた現状を打破するために設けられました。

基礎GPの中心的プログラムは,医学科学生を対象に高度な研究者育成教育を実施することです。基礎系医学会の学会員であって,学会発表を毎年行う学生を「学生研究員」と認定し,給与を支給します。学生研究員の所属する基礎系研究室には,研究費を支給します。医学部学生に大学院生と同等の教育を行うシステム全体を「医学科大学院」と呼称し,学生研究員が「医学科大学院生」に相当します。学生研究員は「医科学研究I~IV」で優れた成績を獲得し,5年次から大学院講義を受講しなければなりません。

学生研究員には,初級・中級・上級の三段階があり,給与も異なります:初級(1ヶ月10,800円)・中級(32,400円)・上級(54,000円程度)。初級は国内学会での筆頭演者としての発表だけで認められますが,中級になるためには英語論文を筆頭著者として発表する必要があります。またその英語論文もインパクトファクターという学術雑誌のランク付け評価基準で2.5以上が必要です。中級研究員になると,英語の個人レッスンを無料で受けることができ,自分自身の英語論文の内容を,英語で明快に説明できるまで特訓を受けます。その後,海外での国際学会で筆頭演者として発表することにより上級研究員として認定されます。上級研究員は,医科学研究発表会では英語で研究内容を発表しなければなりません。独り立ちした研究が可能と認められた場合は,海外留学のチャンスも与えられます。学生研究員の研究発表や,留学などに必要な費用は全て,上記の国家予算から支出されます。なお,これらの研究は愛媛大学医学部で実施される,必修または選択科目の医科学研究とリンクして行われるものでなければなりません。

今回の制度のもと上級学生研究員にまで上り詰めれば,医師免許を有する一般の大学院生と比較しても,世界の医学生との比較においても,極めてハイレベルにあることは間違いありません。ここに至れば,将来の日本の基礎医学を牽引する教授になる人物として,大きな期待を集めることになるでしょう。もちろん臨床系に進むことも自由です。その場合にも,培われた高い能力と経験で臨床医学を一層の高みへと導く人材として,それに相応しい優遇を受けるものと考えられます。「目指せ! 上級」を合い言葉に,研究に励む学生が多く現れることを切に希望しています。