愛媛大学医学部 脳神経外科学

治療対象となる疾患

聴神経腫瘍

更新日:2014/05/01

 聴神経腫瘍は、耳鳴りや聴力障害で発症し、次第に顔の痛みやしびれ、顔の歪み、歩行不安定をきたす病気です。発生頻度は低く、当施設では以前より本腫瘍摘出術を専門に行っていますが、年間10件前後です。
 以前は術後に顔が歪む顔面神経麻痺が出やすかったのですが、私どもは術中に電気生理学的モニタリングやナビゲーションを行い、小さな腫瘍では顔面神経は勿論、聴力も温存するよう努めています。その結果、治療成績は良好となり、術前に有効聴力を示す例では、顔面神経は90%に、有効聴力は44%に温存されます。ただ、大きな腫瘍例では難しくなり、全体では顔面神経温存率は70%となります。
 近年、小さな腫瘍にはγナイフ等の放射線治療を行い、2cmを越えた例には、顔面神経を温存して出来るだけ摘出し、残った腫瘍に放射線治療を追加して再発を防止する方法がとられています。しかし、本腫瘍は良性腫瘍であり、前述のように小腫瘍ほど治療成績が良好のため、当施設では摘出することを第一選択としています。いずれを選ばれるにせよ、本治療には経験が不可欠ですので、当施設への受診をお勧めします。

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  2cm未満の小きな腫瘍で、顔面神経と聴力をモニタリングしながら全摘出しました。術後も有効聴力が温存され、顔面神経麻痺もきたしませんでした。

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