腰椎椎間板ヘルニアと内視鏡手術

 

1)腰椎椎間板ヘルニアとは

良く知られていることですが、背骨(椎骨)の間にあるクッションの役目をする軟骨組織を椎間板と言います。この一部に切れ目が入って椎間板組織の一部が神経組織に向かって飛び出して、実際に神経を圧迫し、足の強い痛みや麻痺が起こる状態を腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。

よく、腰が痛くてMRIを撮ったところ、椎間板の変性が見られたということで腰椎椎間板ヘルニアと診断されたとおっしゃる患者さんがおられます。しかしこの病態までヘルニアと診断してしまっては、治療計画が立てられません。

まず腰椎椎間板ヘルニアの診断をつけなければならないわけですから、

治療につながっていくための病名として腰椎椎間板ヘルニアを診断するには

「変性した腰椎椎間板組織により神経組織が前方から圧迫され、下肢の痛みや麻痺を来した状態」と定義しましょう。

ここで取り上げる腰椎椎間板ヘルニアは上記のように限定された病態であり、「椎間板組織の変性のために時々坐骨神経痛を伴うこともある腰痛を来したもの」は単に腰椎椎間板障害と呼びます(ここでは)。

2)自然経過(つまり放っておいたらどうなるか?)

きちんとした数字はまだ出ていませんが、私の印象ではヘルニアの6−7割は自然に消滅すると思われます。人間の身体の中には壊れた部品を分解して、修復する能力があります。この壊し屋の一つはマクロファージという細胞です。人間の身体の一部が壊れると炎症という反応が起こり、そこには血管内からマクロファージが集まってきます。この細胞は壊れた組織を攻撃し、最後には飲み込んでしまって、自ら消滅します。この機構がヘルニアを消退させていると考えられています。しかし、理由はわかりませんが、この破壊−再構成が起こらないことがあり、それらが治りにくいヘルニアだと考えられます。我々は、ヘルニア発症から、(患者さんが我慢できれば)3ヶ月間はできるだけ手術をしないようにと考えています。この間は痛み止めの治療を行うべき期間と考えます。

保存的治療は?(手術以外の方法)

どんなときに手術が必要なのか?

手術の方法


その他の治療(PN, レーザーなど)



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