平成24年8月1日以後、トラムセットは長期処方できるようになります。NSAIDsに比較し、命に関わる副作用の少ないこのような薬をベースに、炎症急性期のみNSAIDsを追加するというのが最も合理的な痛み止めの使い方ではないかと思います。
副作用対策
1)説明で対処する
トラムセット内服に伴う嘔気で、中断してしまうケースがあります。問題は患者さんに今まで経験したことのない嘔気が起こったときに不安感が生じることです。「腰がこんなに痛いのに吐き気まで起こってきて私はどうなるのだろうか・・・」という心理状態になり薬を拒否するという事態を招きます。
吐き気を患者さんに怖がらせないようにすることが処方のポイントと思います。
説明の具体例
「この薬を飲むと、半分ぐらいの人に吐き気が起こります。しかし3日間、吐き気止めを飲むと10人に1人だけになります。
もしあなたがその10人に1人でも、心配ありません。2-3日で体が慣れますので、その後は起こりません。
吐き気が起こっても怖がらずに体が慣れるまで2-3日我慢してください。」
2)予防薬で対処する
トラムセット使用の際のお勧めの補助薬
悪心・嘔吐:プリンペラン(5mg) 3-4錠、長期に出す必要はありません。3日間の処方でたいていOKです。
必ず「胃炎」を病名につけましょう。
便秘:プルゼニド1錠:
必ず「便秘症」を病名につけましょう
3)2錠で開始する
開始を1日2錠からにすると、副作用の頻度はかなり小さくなります。
私は2錠開始の場合には、現在特に説明を行っていません。