愛媛大学大学院医学系研究科 公衆衛生・健康医学分野

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東温スタディ

1.はじめに

 愛媛大学医学部(公衆衛生)は、愛媛県におきまして、循環器疾患予防のための活動を、医師会、保健所、地域とともに推進して参りました。
 平成21年度から、東温市におきまして、効果的な循環器疾患予防のためのより良い科学的根拠を得ることを目的にした研究を開始いたします。この研究は、地域や年齢・性別に偏りなく、多くの方に長期間参加して頂くことによって、正確で信頼される結果を出すことが出来ると考えられています。

 ここでは、本研究の目的、内容についてご説明いたします。

 

2.この研究の目的

 本研究は、脳卒中や心筋梗塞を予防するために、通常の健診項目に加えて、動脈硬化の程度や、糖代謝(糖尿病の危険性)・脂質代謝の状態をより詳細に把握し、早期に改善するための方策を立てるために実施します。また、糖・脂質代謝、インスリン抵抗性を簡便に評価できる、新たな血清マーカー(遊離インスリン受容体a)の臨床的有用性を検討します。
 例えば、75gぶどう糖負荷試験は、ぶどう糖入りの飲料水を飲んでいただき、2時間後の血糖値・中性脂肪値ならびにインスリン、遊離インスリン受容体a、レジスチン、各種サイトカインなどを含めた糖尿病関連因子を測定します。これは、食後に血糖値や中性脂肪が高くなっていないかどうか、インスリンが正常に働いているかどうかを見るために行います。さらに、自律神経系機能の評価、頸動脈硬化の評価等を行います。睡眠呼吸障害検査は、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングのための検査です。
 また、オプションとして、24時間血圧計、家庭血圧計、自己血糖測定を行い、健診会場での測定だけではなく、日常の生活の中での変動を観察し、健康管理へ役立てていこうとするものです。

3.この研究の方法

 この研究は、大きく分けて2つの方法で行われます。

①これから情報を収集して行う調査:

 この研究では、表に示しておりますような項目の測定を行います。これらの情報は、愛媛大学医学部(公衆衛生)(谷川武教授)に集められ整理されます。そして、血圧変動、糖・脂質代謝、自律神経系機能、さらに睡眠に関して、相互の関係、あるいは、頸動脈エコー検査による動脈硬化との関連を探り、どのような要因が、将来、脳卒中や心筋梗塞をおこすリスクを高めているのか分析していきます。また、今回この研究に参加していただいた方には、

 


表 検査項目の概要

 

測定項目

○=全員
△=オプション

  • 高齢者医療確保法に基づく特定健診の実施項目(身長、ウエスト周囲径、体重、BMI、血圧、空腹時血糖、HbA1c、HDL-コレステロール、 LDL-コレステロール、中性脂肪)

  • 24時間血圧測定

  • 75gぶどう糖負荷試験による2時間後の血糖値並びに中性脂肪値、インスリン、遊離 IRa、レジスチン、各種サイトカインなど糖尿病関連因子

  • (ア)で把握される項目以外の血液検査項目(総コレステロール、空腹時インスリン値、ヘモグロビンA1c、尿酸値、血清アルブミン値、白血球、赤血球、ヘモグロビン、高感度CRP、)

  • 腹部脂肪量

  • 睡眠呼吸障害検査(フローセンサー法)、PVT(Psychomoter Vigilance Task)検査

  • 自律神経系検査(心拍変動によるスペクトラム解析)

  • 頸部エコー検査(左右の最大IMT、プラーク数等)

  • 血管弾性検査(足首―上腕脈波伝播速度)

  • 心電図検査

  • 身体活動量測定(加速度計)

  • 栄養(半定量的食物摂取頻度法)

  • 家庭血圧計による早朝、就寝前家庭血圧値

  • 簡易型自己血糖検査による就寝前血糖値

  • 健康関連QOL(SF-36)質問紙

  • SOC(Sense of Coherence)質問紙

  • 生活習慣問診票

  • イベント調査(心筋梗塞・脳卒中の情報・医療費)

 5年後にも同様の検査を予定しております。繰り返して検査することにより、検査結果が悪くなっていないかどうか確認をすることができます。
 また、採血で生じる残余血清は、将来動脈硬化に関連する新たな検査が発見されたとき、この地域においてその測定が有効かどうか確認するため、愛媛大学医学部(公衆衛生)において、研究予定期間内凍結保存致します。
 このような詳細な調査を通じて脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクを検索することにより、東温市での予防対策に役立てて行きます。本研究終了後、遊離インスリン受容体aの臨床的な有用性が確認された場合、遊離インスリン受容体a測定試薬の体外診断用医薬品の承認取得を目指すための、臨床性能試験を実施する予定です。その際、あなたの検体を使用させていただく場合があります。その場合においても、あなたのプライバシーは保護され、試験は愛媛大学の倫理審査委員会の承認を得て実施いたします。

 

②病気を起こしていないかどうか確認のための調査:
 この研究に参加していただいた方には、ぜひとも、この結果を生活習慣病の予防のために役立てていただきたいと考えております。ですから、異常が見つかった場合には、適切に医療機関を紹介いたします。
 ただ、中には、将来、脳卒中や心筋梗塞になる方がいるかもしれません。その場合には、あなたの詳細な病状を把握するため、この研究の関係者(医師・保健師)が、あなたのカルテなどの医療記録を見ることがあります。なお、調査の対象は、心臓病(突然死含)と脳卒中の場合に限られます。
このことは、あなたの人権が守られながら、きちんとこの研究が行われているかを確認するために、あなたの病気について正確に把握することが必要だからです。
 なお、調査研究期間中あるいは研究終了後に、あなたから得られたデータが、報告書などであなたのデータであると特定されることは一切ありません。

 

4.この研究の予定期間

 この研究の予定期間は、登録されてから平成32年3月31日(平成31年度)までです。

 

5.この研究の参加予定人数

 この研究は、東温市在住の約4000人の方に参加いただく予定です。

 

6.この研究に参加することで予測される利益と不利益

 今回の研究で得られたデータは、愛媛大学医学部(公衆衛生)に一括して集められて管理されます。得られましたデータは、鍵のかかる保管庫に保存し、データが入力されているパソコンは、許可されたものだけが扱えるようにします。皆様の個人情報漏洩の危険性はなく、その点で不利益はありません。また、この研究の目的以外には利用されません。

 

7.この研究へ参加するかどうかは、あなたの自由意思によるものです

 この研究への参加はあなたの自由意思で決められます。また、一度参加された後でも、理由にかかわらずあなたのご希望でいつでもやめることもできます。また、参加をやめたことによりあなたが不利益を受けることは一切ありませんのでご安心ください。

 

8.この研究結果が公表される場合でも、あなたの身元が明らかになることはありません。

 この研究で得られた成績は医学雑誌などに公表されることがありますが、その場合でもあなたのお名前などの個人情報が外部に漏れることはありませんのでご安心ください。また、この研究で得られたデータが本研究の目的以外に使用されることはありません。

 

9.あなたの費用負担について

 本研究に参加することで新たな費用負担は生じません。

 

10. この研究に参加する研究者・担当者の一覧

  この研究について「何か説明を求めたいこと」や「何か気がかりなこと」などがありましたら、いつでも遠慮なく担当者にご相談ください。また、この研究に関する資料などをご覧になりたい場合には、お申し出ください。可能な範囲内でお見せすることが可能です。

 

<この研究に参加する研究者一覧>


氏名

所 属

谷川 武

愛媛大学大学院医学系研究科 教授

斉藤 功

愛媛大学大学院医学系研究科 准教授

櫻井 進

愛媛大学大学院医学系研究科 講師

加藤 匡宏

愛媛大学教育学部 准教授

大澤 春彦

愛媛大学大学院医学系研究科 教授 

大沼 裕

愛媛大学大学院医学系研究科 准教授 

西田 亙

愛媛大学大学院医学系研究科 講師 

高田 康徳

愛媛大学医学部付属病院 講師

川村 良一

愛媛大学医学部付属病院 医員 

 

愛媛大学医学部「医の倫理委員会」承認(疫20-2)

 

 

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