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移植外科

当科では、末期肝臓病に対する生体肝移植医療を行っています。末期肝臓病の治療には内科的治療と外科的治療がありますが、現時点では末期肝臓病を治すには、悪くなった肝臓を健康な肝臓に置き換える肝臓移植しかありません。
肝臓移植には生体肝移植と脳死肝移植があります。生体肝移植の場合、家族に自発的意志を持った肝臓の提供者(ドナー)が必要です。脳死肝移植の場合は、脳死移植実施施設で適応評価を受けた後、脳死移植希望患者として日本臓器移植ネットワークの待機リストに登録しなければなりません。当院で行えるのは生体肝移植のみです。


次のような症状を扱っています。

末期肝臓病の症状は大きく5つに分けられます。
黄疸、腹水、食道静脈瘤、肝性脳症、出血傾向
これらの症状が内科的治療に反応しなくなった時点で肝臓移植の手術を考えます。

当診療科の対象疾患

−肝細胞障害性−

B型肝硬変・C型肝硬変・非B非C肝硬変(原因不明の肝硬変)・アルコール性肝硬変・自己免疫性肝炎・肝線維症・肝細胞癌(遠隔転移と血管侵襲を認めず、径5cm以下1個または径3cm以下3個以内)

−胆汁うっ滞性−

原発性胆汁性肝硬変・原発性硬化性胆管炎・(先天性)胆道閉鎖症

−血流障害性−

バッドキアリ症候群・肝静脈閉塞症・多発性肝(腎)嚢胞

−劇症肝炎−

−代謝性疾患−

α1アンチトリプシン欠損症・ウィルソン病・尿素サイクル異常・ヘモクロマトーシス・タイロシン血症・ポルフィリン症・糖原病・家族性アミロイド多発性神経症(FAP)・クリゲラーナジャール症候群タイプ1・シュウ酸血症・オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(OTCD)

★平成16年1月1日より保険適応が拡大され、肝硬変、劇症肝炎に対する年齢制限がなくなり、肝細胞癌など適応疾患も広がりました。提供者の検査や入院・手術費用を含めて、肝臓をもらう患者さんの治療費用は3割のみの負担となり、患者さんやご家族の経済的負担は大きく軽減されることになりました。また高額医療費の還付や疾患によっては、‘特定疾患医療費補助’も受けられます。退院後は、今まで通り、健康保険を使って診療を受けることができます。残念ながら保険適応疾患以外の病気の患者さんは入院費用が自費となりますが、詳細については当院担当職員にご相談下さい。

【生体肝移植に健康保険の適用される疾患】

  • (先天性)胆道閉鎖症
  • 進行性肝内胆汁うっ滞症(原発性胆汁性肝硬変/原発性硬化症胆管炎を含む)
  • アラジール症候群
  • バッドキアリ症候群
  • 先天性代謝性肝疾患(家族性アミロイドポリニューロパチーを含む)
  • 多発性嚢胞肝
  • カロリ病
  • 肝硬変(非代償期)
  • 劇症肝炎(ウィルス性、自己免疫性、薬剤性、原因不明を含む)
  • 肝細胞癌(肝硬変に合併する場合で、遠隔転移と血管侵襲を認めず、径5cm以下1個または径3cm以下3個以内)

治療成績

当科では平成13年から生体肝移植治療を開始し、これまでに14例(成人8例小児6例)の手術を行いました。生存率は92.8%(13例生存)です。提供者(ドナー)の方は全員健在で、社会復帰されています。


患者様・御家族へのメッセージ

生体肝移植を受けられるにあたっては、ドナー・レシピエントを含む家族が移植の利益と危険性を十分理解し、納得する必要があります。生体肝移植の場合、家族に肝臓の提供者(ドナー)がいないと成り立ちません。自発的な意志でドナーになるという健康な成人の方で、肝臓のサイズが合うことが最低条件で血液型の組み合わせも重要です。

肝移植を行う前には、患者さんは本当に肝移植が必要な末期肝臓病の状態なのか、移植という大手術に耐えられるか、移植に影響する他の病気はないか、移植後の生活を問題なく過ごせるかどうかなどを、身体的・精神的に評価する必要があり、そのために様々な検査をします。それらの結果を移植に関わる医師達による検討会、そして愛媛大学の倫理委員会で検討した上で肝臓移植をおこなうことが可能かどうかを判定します。