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講座紹介

講座紹介

歴史と概要

愛媛大学医学部教室の歴史は、通常同じ講座を新しい教授が代々継続運営する形をとるため、経時的な記述が可能ですが、愛媛大学は本年より新しい体制(外科大講座制)となり、その歩みを説明することは複雑になります。従って、私自身の歩みを紹介することで教室の紹介に替えさえていただきます。
愛媛大学外科学講座は、昭和49年(1974年)に第一、第二外科という二つの講座に分かれてスタートしました。私は木村 茂教授(小児外科、1974~1996年)の開設された第二外科教室に所属しましたが、外科医は広い知識と技術を持つべきであるという教室理念に基づき、小児外科の他に、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺内分泌外科、一般外科すべてを網羅した医局で多くのことを学びました。その後、平成8年(1996年)に就任された河内寛治第2代教授(心臓血管外科)のもと同様の理念で診療、研究、教育を行ってきました。

平成21年(2009年)7月1日より、進歩、変革の著しい診療、教育、研究に対応するため、大学の方針としてそれまでの第一、第二外科教室を統合し、外科大講座制を発足しました。私は、外科学講座の中の消化管・腫瘍外科学部門を担当し、心臓血管・呼吸器外科分野(河内寛治教授、平成23年より泉谷裕則教授)と肝胆膵・移植外科分野(高田泰次教授)と共に運営することになりました。外科スタッフはそれぞれの専門分野に応じて各分野に配属されましたが、大講座制の理念に従いしっかりとした横のつながりが構築できるものと信じております。

1号館5階、6階で開設された外科は、現在2号館6階、7階に移動し、6階に診療科名では心臓血管・呼吸器外科、7階に肝臓・胆のう・膵臓・移植外科、そして私たち消化器腫瘍外科は6階と7階を診療の場としております。
また、手術室は2006年から新しい手術室に改装され、2010年には私たちの目指す低侵襲鏡視下手術に対応できる最新式の手術室2室が完成致しました。

愛媛大学病院だけではなく、多くの関連病院で研鑽を積んだ多くの医局員が、医師不足や医師偏在が叫ばれる厳しい環境の中、県内外の施設で懸命に手術を行っております。大学病院の使命である、学生や研修医が学び、最新の医療を身につけて地域医療に貢献してもらえるやりがいのある施設になることを目標に、研究と教育体制を大講座制の中で構築してゆきたいと考えます。

消化器腫瘍外科

当科の対象とする疾患は、消化管癌(食道癌、胃癌、大腸癌など)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)の他、良性疾患(食道アカラシア、逆流性食道炎、虫垂炎など)が代表的なものです。他には、鼠径ヘルニアなどの疾患も対象としています。
これら疾患の外科診療を行うことは言うまでもなく、学生や研修医の教育に加え、癌治療に関する研究を行う診療科といえます。診療上の特徴は、患者の負担を軽減する所謂低侵襲治療を主なテーマにしていることです。つまり、良性疾患のみならず悪性疾患においても、開腹や開胸手術に比べ低侵襲で治療できる鏡視下手術を積極的に取り入れております。開腹手術に比べて、更に高い精度の手術ができることを目標に、基礎や臨床研究で培った技術や理論を応用して、患者さんにとって負担が少なく、満足して頂ける治療を提供することを目標にします。鏡視下手術は、手術難易度が高く充分なトレーニングが必要であることから、手術トレーニング施設や手術シミュレーションセンターを併設し、安全な手術手技の普及に努力しております。また、2010年には鏡視下手術専用の手術室が完成し、最新の治療法の開発や普及を目指して診療を行っています。

次のような症状を扱っています

腹痛、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、貧血、嘔吐、嚥下障害、胸やけ、吐血、下血、排便痛、排便困難、便秘、下痢、腹部膨満、腹部腫瘤、鼠径部膨隆

専門分野

押切 太郎 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
石丸 啓 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
古賀 繁宏 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
吉田 素平 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
菊池 聡 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術、救急全般
杉下 博基 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
秋田 聡 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
松本 紘典 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術、救急全般
谷川 和史
(非常勤)
消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術
大木 悠輔 消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡下手術

消化器腫瘍外科

小児外科とは、15歳以下の新生児・乳幼児・学童・思春期のこどもに対する手術を含めた外科的治療を専門とし、新生児外科・肝胆道疾患・消化管疾患・呼吸器疾患・泌尿器疾患・小児腫瘍などを対象に、心臓血管・脳神経・整形外科疾患などを除いた外科的疾患の幅広い分野を扱う特殊診療科です。なお、もともと小児外科で治療を受けられた方や疾患自体が小児外科疾患の性格を有する場合は、16歳以上でも診療の対象となります。

当診療科は、愛媛県における小児外科診療の基幹病院として、小児外科専門医が常勤している小児外科学会認定施設であり、外科的疾患を有する小児の患者さんを、急患も含めて、広く積極的に受け入れています。

専門分野

 

桑原 淳 小児消化器外科、小児内視鏡外科、小児一般外科