「ドイツ留学 Q&A」 小林直人



ここに書かれた内容はあくまでも私自身の留学経験に基づくものであって、
一般的なものではありません。他の方は別の考え方をお持ちだと思います。

特に、フンボルト財団の奨学金によるドイツ留学の場合には、(いわゆる)
理科系か文科系かでドイツ語力の要求水準が異なります。さらに、行く先が
大学か研究所(マックスプランク研究所など)かでも違うかも知れません。

ここで「留学」とは、「ドイツの一大学への生物学系の研究留学」です。 
この点、お含みおきいただいた上でお読みください。 ご質問はこちらへ



2. 奨学金の申請について

  ◎「フンボルト財団に問い合わせてみました。」(頂いたメールから)[updated on 2001/06/13]

  Q「フンボルト財団の奨学金について教えてください。」[updated on 2002/03/22]

  Q「申請に必要な書類は?」

  Q「申請の締め切りはいつですか?」

  !「私はこういう申請書を書きました。」




◎「フンボルト財団に問い合わせてみました。」(というメールを頂きました)[updated on 2001/06/13]

 フンボルト財団について調べていたところ、このホームページを読んで、申請しようとしたのですが、実際ボンの財団事務局に問い合わせて見ると少し違うようでした(2001年6月現在)。

条件の第一は、博士号を持っていること、
   第二は、博士号がなくても若いこと、
   第三は、国際的に認められた研究機関紙に論文を発表していること、です。
博士号取得中の学生も若ければ第三の条件もいらないそうです。

 もちろんこれらの事項は、説明書にも書いてあります。また、フンボルト財団の方は、親切にお話してくださいました。

(許可を得て、頂いたメールを一部改編して掲載させていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます)


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Q「フンボルト財団の奨学金について教えてください。」[updated on 2002/03/22]

A フンボルト財団の奨学金は、ドイツ国内で1から2年間研究生活をおくるための留学奨学金制度です。
応募資格は:

    1. 40才未満であること
    2. 博士号あるいはどれに相当する業績。(競争率3〜5倍なので、博士号取得は事実上の条件か??)
      この点については、上記のメールもご参照下さい。
    3. (理系であれば)英語の能力を証明できること(=ドイツ語は必須でない)
     (TOEFL等の成績を提出することができる)
     (この他、英語 native の教官にサインしてもらう、という手もある)
    4. ドイツ国内での受け入れ先と十分なコンタクトができていること

です。現実的には、日本国内にいて留学先を探していると、4. の条件が意外に厳しいかも知れません。

 文部省の在外研究員と違って、国境を越えて外国に旅行することにも制限はありません。


ご参考までに、私(当時32歳、妻一人、子一人)が支給を受けた奨学金の額は:

[1998年の段階では、月に3,500〜4,000ドイツマルク(物価の違いを考えた実感として月30〜40万円、非課税なので手取り)が支払われ、この他に家族手当もありました。]

 1996年4月:奨学金 DM3.500+配偶者手当て DM410、合計 DM3.910
でした。これは順次引き上げられ、2年後には
 1998年3月:奨学金 DM3.700+配偶者手当て DM450、合計 DM4.150
になりました。今思い返しても、非常に高額をいただいたと思い感謝しています。

 さらに1998年から(私の場合最後の3カ月間)は、ドイツでの健康保険料が非常に高いという理由から、保険料の補助として一人当たり毎月 DM100 が支給されました。

 また、「研究に必要な内国旅費とコピー代等事務費」の名目で、語学研修が終了して正規の奨学金が交付されるときに、DM1.900 が支給されています。これについては、会計報告等の義務はありませんでした。(以前は請求に基づいて支給されていたようですが、事務的な煩雑さを避けるために一律支給になったということです。)

 それにくわえて、4カ月の語学研修期間中にも、語学研修にかかる学費(日本で受講するのと比べはるかに高額)と寮費の他に、夫婦二人分の生活費の補助 Taschengeld+Fruestueck として DM2.300 が支給されました。また、私どもは二人とも ZDaF の試験を受けたのですが、この受験料(確か一回で DM100 か DM150 はしたと思います。)も、財団にドイツ語で手紙を書いたら快く支給して下さいました(承認を知らせる手紙には、よくドイツ語を修得していますね、というおほめのお言葉付きでした)。

 以上が、Humboldt Stiftung から支給された実際の金額のデータです。おそらく、あれからさらに変更されていると思います。ちなみに最近の奨学金(家族手当を除く)は、財団のWWWサイトによると毎月2,100〜3,000ユーロだそうです。[updated on 2002/02/13]


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Q「申請に必要な書類は?」

A 東京のDAADに請求すれば、郵送で取り寄せることができます。連絡先は:

      ドイツ学術交流会(DAAD)
        〒107  東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館内
        TEL   03-3582-5962

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Q「申請の締め切りはいつですか?」

A 一年中応募できます。特に締め切りはありません。
  ただし、実際には、出発の1年以上前には申請書を提出する必要があると思います。

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「私はこういう申請書を書きました。」(実際にお寄せ頂いたご質問にお答えして)

 審査は書類によって行われ、しかもドイツ本国で財団本部によって審査されます。
 従って、申請書や履歴書(前者には書式あり、この二つはあまり工夫の余地がないでしょう)の他に、より良い(=具体的で説得力のある)研究計画・よりアピールする業績録(←日本語での学会発表等も入れて良い)・良い推薦状(指導教官を含めて3名)(以上、英語可)・受け入れ先のドイツの教授の良い対応、が必要になると思います。特に、研究計画と業績録には特に形式が指定されておらず、こちらで自由に書くことができますので、十分に工夫されることをお勧めいたします。以下、ヒント程度としてお読み下さい。

 私見ですが、受け入れ先の教授(Gastgeber♂/Gastgeberin♀)との密なコンタクトが極めて重要でしょう。(私の留学先のように)Gastgeber/in が「フンボルト慣れ」していると、財団に電話で直接掛け合ってくださるなどずいぶん話が早くなるようです。もちろんそうでない場合でも、ご自分の実力で奨学金を勝ち取られた先生方も多くいらっしゃいます。
 留学先を既に具体的に考えている場合、受け入れ先となる教授と早めに密に連絡を取り、研究計画書を細かく詰められることをお勧めいたします。
 それまで日本でしていた仕事の結果に基づいてドイツで新たに研究したい、というスタンスが大切だそうで、それまでの業績と全く違う分野で研究計画を書くのは不利になるそうです。

 (客観的に見ても非常に恵まれていた)私の例でいえば、まず、日本での指導教官が留学したのと同じラボであり、私の留学の2年ほど前に Gastgeber の教授が来日された際に引き合わせていただき、さらに前年にそのラボから若い研究者(ドイツで私が所属したグループのリーダー)が共同研究のために短期間来日したときに、研究計画書を現地で実行可能なようにチェックしてもらいました。ここまで恵まれた留学ができる例は少ないとは思いますが、ご参考までに申し添えました。

 また、業績録には、学会発表、特に日本での発表も含めていいことになっています。また、それぞれ簡単に内容を要約して添えることになっていると思います。ただし、当然全て英訳(独訳でも可です)しなければなりませんが。私は、学会発表のほとんどは題名と著者だけしるし、内容に関しては「業績集の○番の論文として結実した」と言うような記述だけ列挙しました。とにかく、入れてもよさそうなものは全てほうり込みました。
 長ければいい、と言うものでもないでしょうが、指導教官の先生のご指導もあり、私の場合「研究計画書」が(表紙や参考文献などもつけて)A4 double-space で10ページ、「業績録」が表紙も含めてA4で14ページ、でした。(私の場合、ドイツで刊行されている Journal に載った論文が結構あったのですが、それは関係ないでしょう。)



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小林直人(こばやし なおと)
愛媛大学医学部解剖学第一講座
〒791-0295 愛媛県温泉郡重信町志津川
TEL 089-960-5231 FAX 089-960-5233

Naoto KOBAYASHI,MD PhD naoto@.m.ehime-u.ac.jp
Department of Anatomy and Embryology, School of Medicine, Ehime university, JAPAN