研修・教育方針

学部学生教育の方針及び指導体制

内科学の講義では、血液、感染症、膠原病・アレルギーの分野を担当しています。プリントやスライドを用い、最近のトピックスを交えて講義を行っています。各講義でミニテストを実施し、講義内容の理解度を自己評価しています。教室員一同、教育に関して強い熱意を持っており、講義内容に関しては学生諸君から高い評価が得られています。
臨床実習では、入院患者1名を担当し、指導医のもと病歴の聴取、理学的所見を取り、診断確定および治療方針を立て、カルテを参照しながら症例のまとめを行っています。さらに、各症例の問題点を挙げさせ、国内外の文献を参考にしてレポートを作成し、最終日に口頭発表と討論を行っています。選択実習では、主治医とのマンツーマンの指導体制をとり、個々の学生の希望に沿った実習を行っています。

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卒後臨床初期研修

愛媛大学医学部附属病院第一内科は、血液疾患、感染症、膠原病を中心に診療していますが、これらは特定臓器に限局した疾患ではなく全身疾患です。従って、単一臓器に目を向けるのではなく、常に全身管理を意識した診療を行っています。つまり、特定臓器疾患の専門医養成ではなく、全人的視点に立った総合内科の臨床研修を目標にプログラムを組み立てていることが特徴です。

当科ではまず、指導医のもと数名の患者の主治医として診療に当たります。この時期には、特定の臓器疾患にこだわらず、基本的診断能力や内科学的全身管理の基礎が行える能力を養うことを目標にします。総回診やカンファレンスでのディスカッションによって、科学的根拠に基づいた診療姿勢やプレゼンテーション能力を身に付けます。また、医療スタッフや患者さんおよび家族の方たちとのコミュニケーションを構築できることも大切な目標の一つです。学問的価値のある症例は、学会報告し、論文発表できるよう丁寧に指導します。

研修医の希望によって、学外研修も積極的に勧めています。例えば、がんプロフェッショナル養成コースでは東京の癌研有明病院や四国がんセンター、感染症専門医養成コースでは、大学病院連携型高度医療人養成推進事業の支援を受け、神戸大学や日本医科大学への派遣も可能です。「井の中の蛙」ではなく、広い視野に立った幅広い臨床研修を実践できます。

後期臨床研修およびその後の方針

初期研修後には、1~2年間、大学病院および関連病院で内科の専門的診療能力と技術を身に付けるよう指導します。当科の専門領域に限らず、広く内科領域の疾患を経験できるように配慮します。また、3~4ヶ月後からは、指導医と共に初期研修医の指導も行います。「他人に教える」ことは最も良い学習法であると報告されており、初期研修医を指導することでさらに深い知識や技術を身に付けることができます。

その後、希望によって大学院に進むかさらに関連病院で専門性を養うかの選択を行います。大学院生も臨床から離れることなく、研究も臨床に還元できるテーマとなります。もちろん、レベルの高い研究を目指し、研究成果は国内外での学会発表とともに、権威のある国際誌に発表することを実践します。入局後も常に学外施設との親密な交流を図り、大学内に留まることなく、外国留学や外国内のトップレベルの施設への臨床研修および研究留学を推進します。

内科学会認定医資格取得後は、各専門医とともに内科専門医の資格も取得するように努めます。当科における内科専門医取得者は、全国でも屈指の数です。このような臨床研修を経て、高度の専門性を有すると同時に、特定臓器にとらわれず幅広い知識と技術を有する内科専門医の育成に努めます。

他大学からの入局について

第一内科へは愛媛大学卒業者に限らず、多くの他大学卒業生が入局しています。最近では、九州大学、北海道大学、鹿児島大学、岡山大学、島根大学、福岡大学、帝京大学、旭川医科大学、東邦大学などから入局しました。医局員の出身地 は、愛媛県内の他に香川県、徳島県、広島県、岡山県、宮崎県、鹿児島県、福岡県、大阪府、兵庫県、埼玉県など各地から集まっています。

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研修条件や研修後の就職に対して他大学からの入局者と愛媛大学卒業生との待遇の差は全くありません。 
基礎医学や公衆衛生など内科以外の進路を希望し、臨床研修のため数年間在籍した医局員はこれまでも多く、医局を離れた後もお互いに医学を追求する者として友好を深めています。

医局員全員が、家族的な暖かい雰囲気の中で仕事に励んでいます。当科のモットーは、「いつも楽しく仕事をやりましょう。」です。愛媛で内科を中心とした医療を目指しておられる方は是非ご連絡ください。