本学医学部で、令和元年度愛媛大学大学院医学系研究科長優秀論文賞に2人、令和2年度度愛媛大学大学院医学系研究科長研究奨励賞に1人の研究者が選ばれました。今年度、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため、授賞式は中止となりましたが、山下政克医学系研究科長から功績が称えられました。今回は3密を避けるためにも屋外等で個別に受賞記念撮影会を行いました。
今年度の受賞者は以下のとおりです。
令和元年度愛媛大学大学院医学系研究科長優秀論文賞
本学が主体となって公表した欧文原著論文のうち優秀と認められるものについて、海外での研究成果発表等にかかる費用を一部補助し研究を支援するもの
最優秀賞 附属病院総合臨床研修センター 熊木 天児 准教授
【研究題目】
Early detection of pancreatic cancer in patients with chronic liver disease under hepatocellular carcinoma surveillance.
Mayo Clinic Proceedings 2019; 94: 2004 – 2010.
【内容】
膵臓を調べる目的ではなく受けた検査や人間ドックなどによって、偶然、膵臓に異常が見つかった場合、症状が無くても早期の膵臓がんを見逃さないために専門医のもとで精密検査を受けることの重要性を、肝臓病患者を例に示しました。
優秀賞 肝胆膵・乳腺外科学 村上 朱里 助教
【研究題目】
Cullin-3/KCTD10 E3 complex is essential for Rac1 activation through RhoB degradation in human epidermal growth factor receptor 2-positive breast cancer cells.
Cancer Science 2019; 110: 650-661.
【内容】
乳癌細胞を用いた基礎研究です。HER2陽性乳癌細胞におけるRac1という予後に関わるタンパク質の活性化メカニズムに関する研究で、Cullin-3/KCTD10/RhoBユビキチンE3複合体によって制御されていることを示しました。
令和2年度愛媛大学大学院医学系研究科長研究奨励賞
令和元年度中に大学院を修了し、その後も本学で研究を行う者のうち、優れた成果を得ると期待される研究を支援するもの
研究奨励賞 泌尿器科学 沢田 雄一郎 助教
【研究題目】
「前立腺癌の骨転移分子メカニズム解明に基く革新的治療/予防法の探索」
【内容】
本研究はビックデータ解析により、前立腺癌骨転移の制御因子を同定し、前立腺癌骨転移の分子メカニズムの解明を図るとともに、前立腺癌特異的な骨転移の予防、治療のための創薬の基盤構築を図りました。
本学では、これからも優秀な研究者が広く活動できるよう研究に専念できる環境を積極的に支援していきます。