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医学系研究科木村映善准教授が平成24年度「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」に採択されました【6月26日(火)】

 平成24年度「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」に,医学系研究科より,木村映善准教授の研究課題「医療サービスの継続性を担保する電子カルテ秘密分散バックアップ技術の研究開発」が採択され,総務省より研究補助金が交付されることになりました。
 木村准教授は,愛媛大学,京都大学,大阪大学,福井大学,兵庫医科大学の西日本を中心とした医学部附属病院同士で相互互恵契約を締結し,秘密分散技術を用いて患者情報を分散多重保存することで,個人情報の安全性を担保しかつ単一障害点を有しない相互医療情報バックアップ環境の構築を目指します。
 今回の補助金採択により,激甚災害が発生しても医療サービスの継続的提供と速やかな原状回復を提供するシステムの開発が促進することが期待されます。

【採択された研究課題の概要】
 大規模な災害が発生しても医療サービス継続性の確保と,仮に障害が発生したとしても速やかに運用体制を復帰させることが望まれています。そのためには,予め遠隔地にバックアップした電子カルテを含む病院情報システムの全情報を,安全に参照し,必要に応じて速やかに原状復帰できる仕組みを備える必要があります。しかし,究極の個人情報であるカルテの遠隔バックアップには, 情報セキュリティの保全の観点から管理コストが大きくなる問題があります。本研究では,クラウド時代に対応した情報セキュリティ技術とネットワーク技術を活用して,医療機関が相互に計算機資源を提供して情報保管し,必要時にいずれの医療機関でも速やかに参照,原状復帰できる環境の実現を目指します。
 本研究では各情報断片からの情報復元を不能にすることで個人情報の漏洩から守る秘密分散・秘密計算技術を使用した分散バックアップシステムを開発致します。複数の医療機関が相互に計算機資源を提供して,秘密分散技術を用いて分散多重保存することで,個人情報の安全性を担保し,かつ単一障害点を有しない相互医療情報バックアップ環境を実現します。また,医療機関に接続された複数のネットワークと Open Flow 技術を利用し,災害によるネットワーク障害からの速やかな回復手順を確保する仕組みについても検証していきます。