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医学部で脳死下臓器提供に係る講演会、シミュレーションを実施しました

平成21年に改正臓器移植法が成立し、本人の臓器提供に関する意思がなくても家族の承諾があれば脳死下臓器提供が可能となり、国内の提供数は増加しています。
本院は、臓器提供可能施設に指定されており、臓器提供者が現れた場合に備え、規程・マニュアル等を整備し、臓器提供の意思をお持ちの方の希望に沿えるよう体制を整えています。
令和元年12月21日(土)、院内の知識向上及び提供体制を確認するため、医学部創立40周年記念講堂で脳死下臓器提供に係る講演会、医学部機能系実習室3で脳死下臓器提供シミュレーションを実施しました。
午前の講演会では、愛媛県臓器移植支援センターの移植コーディネーターである篠原嘉一氏が「脳死下臓器提供の現状について」と題して、また、(株)麻生飯塚病院の名取良弘副院長が「脳死下臓器提供-体制整備だけではわからない現場の問題-」と題して講演され、参加した約100人の本院関係者は移植医療の現状や課題、実際に臓器提供を行う際の問題点等の知識を深めました。
午後からは、愛媛県移植コーディネーターおよび本院関係者ら約50人が参加し、脳死下臓器提供シミュレーションを行いました。シミュレーションは、本院の臓器提供マニュアルに沿って、篠原氏や名取氏に補足説明をいただきながら行われました。今回は、55歳女性がスキー場での転倒事故により脳死とされうる状態となり、家族から臓器提供の意向が示されたという設定で実施しました。臓器提供には、院内関係者だけでなく移植コーディネーター等外部機関との連携が必要不可欠であり、臓器提供者が現れた際、スムーズな臓器提供が行えるように、提供の意思確認、脳死判定、さらには、臓器摘出・搬送方法等の一連の流れを参加者全員で確認していきました。また今回は新たな取組として、名取氏の指導により、模型や関連機器を用いて無呼吸テストのロールプレイを行いました。
終了後の質疑応答では、本院の医師、看護師及びコーディネーターから多数の質問があり、実際に臓器提供の現場に携わった講師からは実体験に基づいた的確なアドバイスをいただく等、充実したシミュレーションになりました。
今後も本院では、臓器提供事例の発生に備えて、さらなるマニュアル整備や体制強化を図っていきます。

講演会の様子
講演会の様子
無呼吸テストのロールプレイ
無呼吸テストのロールプレイ