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【プレスリリース】骨形成タンパク質の新たな制御機構を解明!

愛媛大学大学院医学系研究科今村健志教授らは、大阪大学医学部附属病院の串岡純一医員、大阪大学大学院医学系研究科の海渡貴司講師(整形外科学)らの研究グループと共同研究により、骨形成タンパク質(BMP)の新たな制御機構を明らかにしました。

BMPは優れた骨誘導能を持ち、既に欧米では骨形成促進薬として脊椎固定術や難治性骨折に対して臨床応用され、優れた骨再生・骨癒合促進作用が報告されています。しかし、良好な骨再生を得るための高濃度のBMP使用によって、投与箇所の炎症反応や目的としていない箇所にも骨が出来てしまう異所性骨化などの副作用も報告されています。安全に使用するため、低用量のBMPでシグナルを効率的に伝える方法が模索されており、そのためには、BMP経路がどのようにコントロールされているのかを明らかにする必要がありました。
骨形成を誘導する主要なシグナル伝達経路として、BMPを介したシグナル経路と、トランスフォーミング増殖因子-β(Transforming Growth Factor-β:TGF-β)※2を介した2つの経路が知られています。今回、研究グループは、TGF-βを介した骨形成シグナル伝達経路で機能していると考えられていた、Smadユビキチン化制御因子2(Smurf2:スマーフ2)のBMP経路における役割を解析しました。その結果、BMPのシグナル伝達がSmurf2により抑制されていることを明らかにしました。

Smurf2によるBMPの負の制御機構を明らかにした今回の成果により、BMPをより安全・効率的に制御し、難治性骨折・脊椎固定術・巨大骨欠損を伴う骨腫瘍等への骨再生治療への応用が期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Bone Research」に、11月23日に公開されました。

 

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