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医学系研究科長・医学部長 挨拶

Greeting

ご挨拶

医学系研究科長・医学部長

羽藤 直人

Hato Naohito

医学系研究科長・医学部長

羽藤 直人  Hato Naohito

愛媛大学医学部は創立50周年の佳節を迎えました。これまで支えて頂いた学内外の関係各位に、心よりお礼申し上げるとともに、今後の更なる発展、新たな高みを目指したいと考えます。

愛媛大学医学部10周年記念誌「石鎚の嶺はるか」の中で、初代医学部長の須田正己先生は、「古人の跡を求めず、古人の求めしところを求めよ(芭蕉)」と述べられています。「新設医学部ではあるが、後追いや模倣はせずオリジナルを追究し、西日本最高峰である石鎚の高みを目指せ」とのメッセージと受け止めています。その後40年が経過し、愛媛大学医学部はまだまだ発展途上ではありますが、視界が開け山頂が見通せる状況になってきたと感じております。険しい道ではありますが一歩一歩前進し、まだ見ぬ景色を見届けたいと思っております。

1973年に愛媛大学医学部は創設され、1976年には附属病院が開設されました。その後、1979年には大学院医学研究科、1994年には看護学科、1998年には看護学専攻が設置されております。創立以来の基本理念である「患者から学び、患者に還元する教育・研究・医療」のもと、これまで6,000名以上の優れた医療人を輩出してまいりました。医学部が存在する愛媛大学重信キャンパスには、約1,000名の医学生、約2,000名の教職員、毎日1,000名以上の外来患者と500名以上の入院患者が集い、四国最大規模の医療ビレッジを形成しております。今後、愛媛大学医学部が更なる発展を遂げるには、「愛媛を支える医療人の育成」、「医学による愛媛の地域共創」、「世界とつながる医学部」を目指す必要があると考えております。

 

<愛媛を支える医療人の育成>

愛媛大学医学部の開設以来最大の使命は、愛媛の医学・医療への貢献だと考えます。そのためには、質の高い医療人を育成し、地域医療のボトムアップを図ることが重要です。愛媛には地域偏在、診療科偏在、看護師不足など,医学・医療を取り巻く課題が山積しております。熱意ある優秀な学生を選抜し、医学科・看護学科の教育内容と環境を充実させ、愛媛を支える医療人を育成したいと考えております。また、医学教育センター、総合臨床研修センター、地域医療支援センターの3つのセンターと、医学専攻・看護学専攻での最先端・リカレント教育により、次世代の地域医療を担う優れた指導者を養成いたします。

 

<医学による愛媛の地域共創>

医学には多様な可能性があります。人の健康を守り、疾病を治すことは勿論ですが、医学で新たな産業を生み、変革することが可能です。ひいては産業創生が地方創生に繋がり、人生100年時代に適応した健康志向のまちづくりに貢献できると考えます。愛媛大学医学部には多くのシーズとニーズが潜在しており、産学連携による共同研究・開発でイノベーション創出に貢献したいと考えております。まずは地元東温市、愛媛県で、地域住民の健康寿命の延伸を支援し、自治体や企業との連携を強化することで、地域共創を図りたいと考えます。

 

<世界とつながる医学部>

グローバル人材育成を目指した、海外留学・交流支援プログラムが愛媛大学医学部には多数あり、学生の間に世界を体感することができます。また、高次元の医学研究を遂行し発信することが、世界とつながるためには重要です。愛媛大学医学系研究科では、プロテオサイエンスセンター、学術支援センター、また附属病院の先端医療創成センター、臨床研究支援センターと連携して、地方大学ならではの独創的で質の高い、臨床に還元できる研究成果をあげています。バイオバンク、えひめ生命医科学研究コンソーシアムも始動しており、基礎医学と臨床研究との融合をさらに推進し、世界につながる研究を遂行いたします。

 

地域に開かれ世界にはばたく愛媛大学医学部・医学系研究科は、未来の医学・医療のあり方を見据え、創立60周年、70周年に向け更なる発展を目指します。新時代での飛躍を見守っていただければ幸いです。