令和7年10月15日(水)、医学部40周年記念講堂において、大阪大学大学院医学系研究科ゲノム生物学講座の林克彦教授と、同研究科感染症・免疫学講座の茂呂和世教授をお迎えし、「林克彦先生・茂呂和世先生 特別講演会 〜次世代の君たちへ〜」を開催しました。本講演会は、医学部学生組織「Fiore(フィオーレ)」が企画・運営したものです。
開会にあたり、羽藤直人医学系研究科長から挨拶があり、その後Fioreの学生による講師紹介に続いて講演が始まりました。
最初に登壇した茂呂教授(専門:生体防御学)は、ご自身が大学在学中に臨床系の歯科を志していたものの、医師国家試験対策の勉強を通じて免疫学の面白さに出会い、基礎研究の道に進んだ経緯を紹介されました。在学中には2型自然リンパ球(Group 2 innate lymphoid cell: ILC2)を発見し、国際科学誌「Nature」に掲載されたことにも触れ、現在も免疫機構の解明やアレルギー性疾患・免疫疾患などの病態解析に取り組んでいることを、ユーモアを交えて語られました。学生たちは、挑戦を続ける研究者としての姿勢に大きな刺激を受けた様子でした。
続いて登壇した林教授(専門:生殖遺伝学)は、「生命の始まりを担う生殖細胞の神秘」について分かりやすく紹介されました。生殖細胞は、親から子へ遺伝情報を伝える唯一の細胞系列であり、一度分化しても受精の過程で“生命の出発点”に戻る特性があることを解説されました。この研究が発生異常の原因究明や治療法の開発に貢献する可能性があることにも触れ、「学生の皆さんは、私たち研究者の成果を礎にしながら、私たちがまだ見ぬ世界を切り拓き、見ることができる。それこそが若い世代の皆さんの最大の特権です」と、未来を担う学生へ力強いエールを送りました。
講演には多数の学生及び教職員が参加し、熱心に耳を傾けていました。閉会にあたり、医学部医学科3年生の品部凛太郎さんから講師への謝辞と、「日頃から研究活動に励んでいますが、本日の講演を通じてさらに意欲が高まりました」と感想が述べられました。
講演後の交流会では、林教授及び茂呂教授と直接意見交換できる時間が設けられ、多くの学生が積極的に質問する姿が見られました。
医学部では、今後も学生主体の学びと挑戦を支援してまいります。
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