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2019.02.15 活動報告

平成29年度 地域医療再生学(寄附講座)活動報告書

平成30年3月

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座

地域医療再生学(寄附講座)の平成29年度活動報告

久門良明(地域医療再生学講座主任教授)

 

今年度の当講座は、脳神経外科は私(2014年度より)と西川真弘教授(今年度より)、整形外科は間島直彦教授(2014年度より)、小児科は藤岡智仁助教(今年度より)の4名のスタッフで構成され、それぞれ四国中央市のサテライトセンターを中心にして、診療、教育、研究、地域貢献に携わってきました。

脳神経外科は、HITO病院にて脳神経、脊髄・脊椎疾患の治療にあたるとともに、脳卒中センター(2014年4月開設)では愛媛大学医学部脳卒中センターと連携して急性期治療に力を入れてきました。脳梗塞では従来のt-PA静注による血栓溶解療法に加えて血管内手術による血栓回収療法を積極的に行い、劇的な改善例を経験しました。高血圧性脳出血には術中CTナビゲーション支援下の内視鏡血腫除去手術を行ってきました。また、地域医療連携事業として急性期病院、回復期リハビリ病院、維持期かかりつけ医、居宅介護支援専門員との連携会議を継続してきました。

整形外科は、HITO病院にて救急外傷、慢性関節疾患、高齢者骨脆弱性骨折の治療とともに、人工関節センター(2016年4月開設)にて、宇摩地区の皆様に人工関節の最先端医療を提供できる体制を構築しました。また、宇摩地区全体で高齢者運動器疾患であるロコモティブシンドロームの予防のために、院内外で定期的に市民教室を開催して、高齢者骨脆弱性骨折の一次予防・二次予防を目指したリエゾン活動を行ってきました。

小児科は、当地区唯一の小児入院施設である四国中央病院にて予防接種や気管支喘息等の慢性疾患、感染症を診療していますが、近年は発達障害や不登校などに総合的に対応するニーズが増加しています。そこで、2015年4月より発達障害や肢体不自由に対する診療・リハビリ、不登校や心身症に対するカウンセリングを開始しましたが、件数は年々増加しています。また、当地区唯一の分娩取り扱い病院でもあり、助産師が中心となって虐待や養育困難のハイリスク妊婦に対して早期から介入し、これらの診療状況について行政や教育機関と定期的な情報交換を行って、各機関と連携した子育て支援を行ってきました。

このように、今年度も、地域のニーズに応じた診療領域のチームを構成し、医療機関や行政機関などと連携して、地域医療再生に取り組んできました。これらの活動は、診療と地域貢献とともに教育や研究に生かされています。

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