教授挨拶

教授挨拶

地域医療再生学講座について

地域医療再生学講座は、平成22年4月に愛媛県の寄附講座として愛媛大学医学部に開設されました。

同時に四国中央市役所内にサテライトセンターが設置され、脳神経外科医2名、循環器外科医1名、小児科医1名が配属されました。実際の診療には、脳神経外科と循環器外科は石川病院(現:HITO病院)を、小児科は四国中央病院が担当しました。

また、県の地域診療機能強化事業からの補助を受けて、脳神経外科では「脳卒中地域連携・相談機能の強化」、循環器外科は「心筋梗塞患者における救急隊病院連携体制の構築」に当たりました。

小児科は「小児救急医療を支える診療体制の構築」のために、東予東部小児二次救急輪番体制の整備を軸とした幅広い活動を継続しました。その結果、宇摩圏域外への救急搬送数は減少し、また一次急患センターでの平均夜間の患者数が増加して、二次救急病院の夜間診療の負担が現在においても軽減しています。

平成26年4月からは、講座スタッフを一新し、脳神経外科医2名、整形外科医1名、小児科医1名による新たな活動を行いました。脳神経外科では事業を継続するとともにHITO病院内に「脳卒中センター」を設置して宇摩地区の脳卒中診療を支えています。整形外科はHITO病院内に「人工関節センター」を開設し、愛媛大学人工関節センターと連携しながら最先端の治療に取り組んでいます。また、高齢化社会に向かう宇摩地区において「ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の予防と治療を普及させる活動」を展開しています。小児科は「小児疾患救急診療体制の強化」とともに、発達障害・不登校・虐待などの問題を抱える児に対する療育や心理カウンセリングを行って、地域医療に貢献しています。

平成28年4月から、地域医療再生学講座は四国中央市の寄附講座となりました。宇摩地区の皆様が、安心して子供を育て、生活し、年を重ねていくことができる地域になるよう、さらなる貢献が求められていると考えています。行政とも連携を密に取りながら、脳神経外科、整形外科、小児科の事業と診療を継続して参ります。

最後に、大学教員としての研究や教育に対する取り組みについて、少しお話したいと思います。研究に関しては、財団助成金や科研費により御支援をいただき各施設で活動しています。教育に関しては、研修医や若手医師に対する教育に力を入れ、積極的に学会や論文発表をすることで、HITO病院や四国中央病院での勤務を今後のキャリアアップにつなげて参ります。意欲ある若い医師が増えることが、四国中央市の地域医療向上につながると考えています。

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学 (主任教授)
間島 直彦