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2021.06.10 活動報告

令和2年度 地域医療再生学(寄附講座)活動報告書

令和3年3月

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座

令和2年度 地域医療再生学(寄附講座)活動報告書

間島 直彦(地域医療再生学講座主任教授)

 

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座は、宇摩地区が抱える地域医療の課題(医師不足、救急医療)に取り組むために、平成22(2010)年4月に愛媛県の寄附講座として愛媛大学医学部に設置されました。平成28(2016)年4月からは四国中央市の寄附講座として継続していただき、昨年3月の時点で寄附講座設置期間の10年が満了しました。令和2年度以降も四国中央市の要請に基づく形で4年間の本講座継続を認めていただき、現在も活動を継続しております。四国中央市や関係医療機関の皆様のご支援に感謝いたしております。

令和2年度は、整形外科は間島(2014年度より)と見崎浩助教(2018年度より)、脳神経外科は尾崎沙耶助教(2019年度より)、小児科は日野ひとみ講師(2018年度より)の4名のスタッフが、四国中央病院とHITO病院内のサテライトセンターを中心に活動しました。

整形外科は、HITO病院にて四国中央市の救急外傷、慢性脊椎・関節疾患、高齢者骨脆弱性骨折の治療に取り組みました。人工関節センター(2016年4月開設)では、宇摩地区の皆様に人工関節の最先端医療を提供できる体制を構築しています。また、脊椎外科専門医である見崎助教が、脊椎・脊髄の外傷や慢性疾患治療を積極的に行っています。

脳神経外科は、HITO病院にて脳神経、脊髄・脊椎疾患の治療にあたるとともに、脳卒中センター(2014年4月開設)で愛媛大学医学部脳卒中センターと連携して急性期治療に力を入れています。脳血管内治療専門医の尾崎助教が、脳梗塞では従来のt-PA静注による血栓溶解療法に加えて血管内手術による血栓回収療法を積極的に行っています。

小児科は、四国中央市における唯一の小児入院施設である四国中央病院にて予防接種や気管支喘息等の慢性疾患、感染症を診療しています。近年は発達障害や不登校などに総合的に対応するニーズが増加しています。また、当地区唯一の分娩取り扱い病院でもあり、助産師が中心となって虐待や養育困難のハイリスク妊婦に対しても早期から介入しています。行政や教育機関と定期的な情報交換を行い、各機関と連携した活動を行っています。

本年度は、新型コロナウィルス感染症のため、本年行う予定であった市民講座や勉強会が開催できず大変残念な一年となりました。その中で、地域のニーズに応じた専門療育のチームを構成し、医療機関や行政機関と連携して、診療、教育、研究、地域貢献に取り組んできました。われわれの活動が、地域の皆様の健康な生活の手助けとなるよう、また次世代の地域医療を担う研修医や若手医師の受け皿となるように活動を続けてまいります。

 

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