第136回愛媛病理研究会で発表しました
2026年9月12日(土)、松山赤十字病院で第136回愛媛病理研究会が開催され、当講座から発表しました。
第1部の特別講演では、藤本正数が「皮膚病理 update」と題してお話ししました。
形態の観察と分子遺伝学的な情報をどう結びつけるかを主題に、免疫染色で診断が決まった症例と、遺伝子検査が決め手になった症例に分けて、13例を提示しました。CAMTA1、ALK、pan-TRK、BRAF V600E といった抗体が形態所見の裏づけになる例のほか、ALKの免疫染色が陽性でも遺伝子転座があるとは限らないこと、メラノーマがサイトケラチン陽性となりうること(癌腫との鑑別の落とし穴)など、日常の診断で判断に迷う場面を具体的に取り上げました。

第2部の症例検討会では、豊田涼華が「卵巣腫瘍の一例」を発表しました。
演者:豊田涼華, 須之内真琴, 大野輝之, 谷脇真潮, 鷹岡友紀, 原口竜摩, 藤本正数

取り上げたのは、卵巣に生じた中腎様腺癌(mesonephric-like adenocarcinoma)です。WHO分類第5版から収載された比較的新しい腫瘍型で、同じ腫瘍のなかに管状・乳頭状・篩状といった複数の構造が混在し、管腔内に好酸性の物質がみられることが特徴とされます。免疫染色ではGATA3が陽性、ER・PgRが陰性となるパターンが診断の手がかりになります。発表では、これらの所見に加えて、KRAS遺伝子の変異を解析した結果も示しました。

