Peopleメンバー

医学部附属病院先端医療創生センター (TRC)

感染症・免疫治療学部門

助教

松岡 祐子

Yuko MATSUOKA

研究内容

 近年、個体老化とT細胞老化は密接に関係していることがわかってきました。
 加齢とともにT細胞分化・成熟の場である胸腺が退縮するため高齢個体では新しいT細胞の供給が著しく減少します。そのためこれまでに供給されたT細胞を抹消で抗原非依存的に増殖(ホメオスタティック増殖)させることで、体内のT細胞数を維持し免疫能を保っています。しかしながら個体の寿命延伸による長期間のホメオスタティック増殖は、T細胞の老化を誘導し加齢関連疾患の発症増加の一因となることが問題視されており、老化T細胞除去法や発生抑制法の開発が精力的に進められています。一方で、老化T細胞が高齢者の生体防御において重要な役割を担っていることも報告されています。私たちも老化CD8 T細胞はNK細胞様の機能を獲得し、抗原非依存的に細胞障害活性を発揮することで腫瘍排除に働くことを報告しています(Kakuda et al, Cancer Sci, 2023)。では、老化CD8 T細胞は高齢個体にとって不益なものなのか、それとも生体防御に必要な有益なものなのでしょうか。 私たちは老化CD8 T細胞には複数のサブセットが存在し、その存在割合が個体に対して有益もしくは不益な機能をもたらすと想定しています。そこで私は、老化CD8 T細胞サブセットの同定とその分化誘導機構の解明、および老化CD8 T細胞の生体防御における役割について腫瘍モデルを用いて研究を進めています。

略歴

2015年東海大学工学部生命化学科 卒業
2018年東海大学大学院工学研究科 修士課程 修了
2020年東海大学大学院総合理工学研究科 博士課程 修了(工学博士)
2022年-現在愛媛大学医学部附属病院 先端医療創生センター 特定助教

所属学会

  • 日本免疫学会
  • 日本生化学会
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