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卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。皆さんに授与された「学士」「修士」「博士」の学位は、皆様の努力と成果の証です。誇りにしてください。今年度は、新型コロナウイルス 感染症の影響で、学位記授与式をはじめ、多くの大学行事が中止となり、実習や講義、研究の形式も変更を余儀無くされ、例年以上に大変な日々だったと思います。それを乗り越えて、ここに至った皆様の努力に心から敬意を表します。また、卒業生を本日まで支えてこられた保護者、ご関係の皆様にも、心よりお喜び申し上げます。

皆さんは、これまで学校という枠組みの中で与えられたカリキュラムに従って一緒に勉強してきたわけですが、これからは各々が異なった経験をしながら人生を旅していくことになります。人生には心地よい晴れの日だけでなく、辛い土砂降り、堪え難い嵐の日もあります。辛い、耐え難い経験をした時、 “過去は変えられない，だけど未来は変えられるから前を向いて頑張ろう”とよく言われますが、私はそんなことはないと考えています。“本当に変えることができるのは未来ではなく，過去に起こったこと（事実）の人生における意味、受け止め方です”。つまり、その経験にどんな意味を持たせられるのかを深く考え、未来につなげていくことが真に大切なことです。これから待ち受ける様々な経験を皆さんが真摯に受け止め、その意味をよく考え、それを未来への成長の糧とし、医療人としてだけでなく、人としても立派に育ち、様々な形で社会に貢献することを切に願っています。

皆さんは、ここに愛媛大学を巣立つわけですが、愛媛大学出身であることを誇りとし、これからの人生を歩んでほしいと思います。また、私たち教職員も皆さんが誇れるような愛媛大学を作り上げるよう頑張ります。今後の皆さんの更なる努力とご活躍を祈念し、祝辞とさせていただきます。

医学部長・医学系研究科長　山下政克