Course

心臓血管・呼吸器外科学

Course introduction

講座紹介

器官・形態領域
心臓血管・呼吸器外科学


アカデミックマインドを涵養し、やりがい・働きがい・夢が見つかる講座です。

当講座では、心臓血管外科、呼吸器外科領域の研究・診療・教育を行っています。医学部附属病院においての診療は、成人心臓外科・小児心臓外科・血管外科・呼吸器外科の診療を担っています。その中で特徴的なものをご紹介します。心臓血管外科は、手術手技などの進歩により、手術成績は近年著しく向上し、手術症例数も増加しています。心臓、大動脈、末梢血管等の疾患に対する手術を主に行っています。新生児を含む小児から成人、超高齢者まで、あらゆる年齢の患者の治療を行っています。低侵襲心臓手術(MICS)は愛媛県で唯一、さらに高度なロボット(daVinci)支援手術は、中四国・九州で初めて保険診療として行っています。重症心不全患者さんへの植込型補助人工心臓は、四国唯一の実施施設です。先天性心疾患を扱う小児心臓手術は、愛媛県で唯一の施設です。小児補助人工心臓については四国唯一の実施施設です。呼吸器外科は、肺癌や縦隔腫瘍をはじめとする胸部腫瘍外科と、肺アスペルギルス症や膿胸などの胸部炎症疾患外科、さらには自然気胸や肺嚢胞などの肺嚢胞性疾患外科を三本の柱とし、それぞれの領域で全国トップレベルの診療を行っています。特に完全胸腔鏡下手術やロボット支援手術、さらには単孔式胸腔鏡下手術などの低侵襲手術と同時に、他科との協力による拡大手術や集学的治療を積極的に進めており、最先端の呼吸器外科診療を提供しています。私たちの得意とする手術の適応患者さんのご紹介やセカンドオピニオンを多施設から広くいただいています。地方にあって全国でトップレベルの充実した診療の提供をお約束します。

【講座問い合わせ先】

器官・形態領域 心臓血管・呼吸器外科学
〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
TEL:089-960-5331 / FAX:089-960-5335
公式HP http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/surgery2/

Research content

研究内容

  • 肝肺症候群発症の分子機序の解明

肝肺疾患(HPS)は、肝疾患、肺内血管拡張,動脈血低酸素血症を特徴とするもので、肝硬変などの疾患で認められます。本疾患は、肺組織において血管シャントを形成することが知られ、これにより呼吸困難やチアノーゼを誘発します。しかしながら、これまでその病態および、発症機序について不明な点が多いのが現状です。そこで我々は、本疾患の病態を分子レベルで明らかにするため、総胆管結紮(CBDL)モデルマウスを作成し (Shikata F et al PLoS One. 2014, Sakaue T et al., Surgery., 2017)、肺組織における遺伝子発現およびタンパク質発現を網羅的に解析しております。

  • 肺がん発症機序の分子メカニズムの解析

肺がんは、年間約6万人以上発症する疾患であり未だ治療法が確立されていません。上皮成長因子(EGF:epidermal growth factor)は、細胞の分化、発達、増殖に重要です。EGFの受容体であるEGFR は、多くのがんにおいて遺伝子変異や遺伝子増幅、構造変化が認められ、がん細胞の増殖、 アポトーシス抑制、血管新生、浸潤・転移など、腫瘍の進展、悪性化に関与しています。これまで我々は、肺がんにおけるEGFRの遺伝子増幅や突然変異によるEGFRシグナル亢進が、がんの悪性化に関与していることを見出してきています (Cancer Res. 2005, Int J Cancer. 2006, PLoSMed. 2007, Cancer Res. 2008, Ann Surg Oncol. 2010)。EGFR発現亢進は免疫組織化学的に詳細に解析されており、非小細胞肺癌においては 34〜84%で過剰発現が認められています (Eur J Cancer. 2001, Cancer Res. 2001. Semin Oncol. 2002)。また、このEGFR発現亢進機構は、従来EGFR遺伝子増幅が大きな要因と考えられておりましたが、近年、遺伝子増幅の見られないタンパク質レベルでの過剰発現が確認されております(Eur Respir J. 2000, Molecular Cancer, 2008)。我々は、現在EGFR細胞内代謝異常ががん化に起因するものと考えており、その分子メカニズムに着目して解析を進めています。

  • 心臓移植後の慢性拒絶反応の研究

心移植後の慢性拒絶反応として移植心に生じる冠動脈硬化病変形成機序は、複数の因子が発症に関わっていると考えられていますが、今なおその全貌は不明です。具体的には、ドナー/レシピエント間の組織不適合による免疫刺激により生じますが、その免疫学的、病理学的機序は解明されていません。現在まで我々は、ラット異所性心移植冠動脈病変発生モデルにおいて、移植心を一定期間後に取り出して、ドナーと同系のラットに再移植し、以降の再移植心への免疫刺激を回避することができる「戻し移植」モデルを確立しました (Izutani H et al., Transplantation. 1995, Izutani H et al., Transpl Immunol. 1997)。これにより、移植後初期、時に5日目までの免疫反応が重要であること、抗体が関与しなくても病変が発生すること、さらには細胞性免疫の関与が重要であることを示してきました。現在このモデルによる免疫応答、病理組織、分子生物学的解析などを検討することにより病変発生に必要な免疫機序について解析を進めております。

  • 大動脈弁狭窄症発症機序の解明およびその治療・予防法の開発

大動脈弁狭窄症(AS)は加齢・動脈硬化により大動脈弁が石灰化、硬化するため圧較差を生じます。それに伴い心肥大を誘発し、それが突然死を招く重篤な疾患です。
高齢化社会である日本人患者数は年々増加傾向にありますが、本疾患発症の分子メカニズムはほとんど分かっていません。我々の研究室では、AS患者さんの弁置換術によって得られる大動脈弁および末梢より採血した血液試料を用いて、日本人におけるAS発症に関わる重要なタンパク質の探索・解析とその発症予測バイオマーカー開発のための研究を進めています (Sakaue T et al., Ann Thorac Surg. 2019, Sakaue et al., Biol Open. 2018)。”

  • 心臓癒着メカニズムの解明とその予防法の開発

先天性心疾患は、多くの場合生後すぐに外科的な手術を必要とし、また患者さんの成長に伴って再手術の回数も多いのが特徴です。再手術の際に最も問題となるのが癒着で、癒着除去剤の開発は世界的に急務であります。本研究では、心臓に起こる癒着分子メカニズムを解明し、癒着防止あるいは除去剤の開発を目指しています (Kojima A et al., J Cardiothorac Surg. 2019)。

Main achievements

主な実績

  • Sakaue T, Hamaguchi M, Aono J, Nakashiro KI, Shikata F, Kawakami N, Oshima Y, Kurata M, Nanba D, Masumoto J, Yamaguchi O, Higashiyama S, Izutani H. Valve interstitial cell-specific cyclooxygenase-1 associated with calcification of aortic valves. Ann Thorac Surg. 2019 Nov 21. pii: S0003-4975(19)31717-5. doi: 10.1016/j.athoracsur.2019.09.085.
  • Kojima A, Sakaue T, Okazaki M, Shikata F, Kurata M, Imai Y, Nakaoka H, Masumoto J, Uchita S, Izutani H. A simple mouse model of pericardial adhesions. J Cardiothorac Surg. 2019 Jun 28;14(1):124. doi: 10.1186/s13019-019-0940-9.
  • Sano Y, Shigematsu H, Okazaki M, Sakao N, Mori Y, Yukumi S, Izutani H. Hoarseness after radical surgery with systematic lymph node dissection for primary lung cancer. Eur J Cardiothorac Surg. 2019 Feb 1;55(2):280-285. doi: 10.1093/ejcts/ezy246.
  • Sakaue T, Nakaoka H, Shikata F, Aono J, Kurata M, Uetani T, Hamaguchi M, Kojima A, Uchita S, Yasugi T, Higashi H, Suzuki J, Ikeda S, Higaki J, Higashiyama S, Izutani H. Biochemical and histological evidence of deteriorated bioprosthetic valve leaflets: the accumulation of fibrinogen and plasminogen. Biol Open. 2018 Aug 8;7(8). pii: bio034009. doi: 10.1242/bio.034009.
  • Sakaue T, Suzuki J, Hamaguchi M, Suehiro C, Tanino A, Nagao T, Uetani T, Aono J, Nakaoka H, Kurata M, Sakaue T, Okura T, Yasugi T, Izutani H, Higaki J, Ikeda S. Perivascular Adipose Tissue Angiotensin II Type 1 Receptor Promotes Vascular Inflammation and Aneurysm Formation. Hypertension. 2017 Oct;70(4):780-789. doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.117.09512. Epub 2017 Jul 31.
  • Sakaue T, Sakakibara I, Uesugi T, Fujisaki A, Nakashiro KI, Hamakawa H, Kubota E, Joh T, Imai Y, Izutani H, Higashiyama S. The CUL3-SPOP-DAXX axis is a novel regulator of VEGFR2 expression in vascular endothelial cells. Sci Rep. 2017 Feb 20;7:42845. doi: 10.1038/srep42845. Erratum in: Sci Rep. 2017 Dec 22;7:46915.
  • Tao H, Soh J, Yamamoto H, Fujiwara T, Ueno T, Hayama M, Okazaki M, Sugimoto R, Yamashita M, Sano Y, Okabe K, Matsuura M, Kataoka K, Moriyama S, Toyooka S, Miyoshi S.Restrictive ventilatory impairment is associated with poor outcome in patients with cT1aN0M0 peripheral squamous cell carcinoma of the lung. J Thorac Dis. 2017 Nov;9(11):4325-4335. doi: 10.21037/jtd.2017.10.70.
  • Yamamoto S, Miyoshi S, Katayama H, Okazaki M, Shigematsu H, Sano Y, Matsubara M, Hamaguchi N, Okura T, Higaki J. Use of the forced-oscillation technique to estimate spirometry values. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2017 Oct 3;12:2859-2868. doi: 10.2147/COPD.S143721. eCollection 2017.
  • Sakaue T, Shikata F, Utsunomiya K, Fukae S, Kurata M, Nakaoka H, Okazaki M, Kawanishi Y, Kojima A, Higashiyama S, Izutani H. Proteomics-based analysis of lung injury-induced proteins in a mouse model of common bile duct ligation. Surgery. 2017 Jun;161(6):1525-1535. doi: 10.1016/j.surg.2016.12.017. Epub 2017 Jan 28.
  • Kojima A, Shikata F, Okamura T, Higaki T, Ohno S, Horie M, Uchita S, Kawanishi Y, Namiguchi K, Yasugi T, Izutani H. Refractory ventricular fibrillations after surgical repair of atrial septal defects in a patient with CACNA1C gene mutation – case report. J Cardiothorac Surg. 2017 Dec 19;12(1):118.doi: 10.1186/s13019-017-0683-4.
  • Nakajima J, Okumura M, Yano M, Date H, Onuki T, Haniuda M, Sano Y; Japanese Association for Research of Thymus. Myasthenia gravis with thymic epithelial tumour:a retrospective analysis of a Japanese database. Eur J Cardiothorac Surg. 2016 May;49(5):1510-15.
  • Soh J, Okumura N, Nakata M, Nakamura H, Fukuda M, Kataoka M, Kajiwara S, Sano Y, Aoe M, Kataoka K, Hotta K, Matsuo K, Toyooka S, Date H. Randomized feasibility study of S-1 for adjuvant chemotherapy in completely resected Stage IA non-small-cell lung cancer: results of the Setouchi Lung Cancer Group Study 0701. Japanese Journal of Clinical Oncology,2016Aug;46(8) 741-747.
  • Shikata F, Okamura T, Higaki T, Okura M, Kojima A, Uchita S, Izutani H. Aortic Coarctation 28 Days after an Arterial Switch Operation in a Neonate. Tex Heart Inst J 2016;43(4):354-6.
  • Yukumi S, Suzuki H, Morimoto M, Shigematsu H, Okazaki M, Abe M, Kitazawa S, Nakamura K, Sano Y. Two Young Women with Left-sided Pneumothorax Due to Thoracic Endometriosis. INTERNAL MEDICINE 2016 55(23):3491-3493,Epub2016 Dec1.

Staff introduction

スタッフ紹介

教授からのメッセージ


診療の基本方針
1、『患者が病院を選ぶ時代』に、安心して選んでいただける診療科を目指します。
2、 地域の心臓血管・呼吸器病治療のリーダーとして、
循環器科、呼吸器科、小児科その他関係部署と協力し活動します。
3、 手術件数の確保による安定した成績と最新で確かな手術を提供します。

診療目標
1、 新しい診療科体制により充実した最新の診療を実践します。
2、 24時間の緊急心臓大血管手術に対応します。
3、 ロボット支援手術を含め低侵襲手術の提供と地域への啓発を行います。

大学講座の使命
大学の大きな使命として、診療、研究、教育がありますが、これらは診療科や講座の維持、成長につながる最も根本的で重要な役割であることに違いありません。しかし私は教授の役割としてはこれら以外にも、全体を見渡して、地域の医療施設の連携、外科医を取り巻く問題、医療界や国における問題まで、システムや組織がより良い方向に向くように、常に問題意識を持って解決に向けて努力する姿勢が必要であると考えます。
今後、”よりよい医療”のために微力ながら精進させて頂きたいと思います。宜しくお願い申し上げます。

スタッフ紹介


  • 泉谷 裕則 (教授)
  • 八杉 巧 (看護学科(教授))
  • 佐野 由文 (准教授)
  • 打田 俊司 (准教授)
  • 西村 隆 (循環器病センター・准教授)
  • 黒部 裕嗣 (講師)
  • 坂上 倫久 (講師)
  • 大谷 真二 (呼吸器センター・助教)
  • 浪口 謙治 (医員)
  • 坂尾 伸彦 (医員)
  • 手島 真弓 (医員)
  • 藻利 優 (医員)
  • 桐山 洋介 (医員)
  • 柳光 剛志 (医員)
  • 小倉 史也 (医員)
  • 薦田 宗則 (医員)
  • 坂本 裕司 (専攻医)
  • 武田 将司 (専攻医)
  • 檜垣 知秀 (専攻医)