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専攻長・学科長 挨拶

Greeting

ご挨拶

愛媛大学医学部医学科 医学専攻長・医学科長

竹中 克斗  Takenaka Katsuto

1973年に創設された愛媛大学医学部は、2023年に創立50周年を迎えます。愛媛大学医学部は、創立当初より「患者から学び、患者に還元する教育・研究・医療」を基本理念として、「学生中心の大学」として学生の多様な志向性を尊重した医学教育を提供することにより、地域から求められる役割に応え、地域発展を牽引し、患者のために全人的視点から最善を尽くす医師・医学研究者の育成に取り組んできました。また、優れた研究医養成モデルを構築し、基礎・臨床研究や橋渡し研究を担う人材の輩出にも取り組んできました。その過程で、卒業生の多くが愛媛県内に残り、県内の医療を支えると共に、後進の医師の育成や、各講座で基礎研究・臨床研究を行っています。一方で、全国各地に進出し、臨床・研究分野のリーダーとして活躍している卒業生も多数います。

近年では、2020年にはじまった新型コロナウイルス感染の拡大や、大規模自然災害の頻発、地域紛争など社会情勢が大きく変化しました。また、日本では超高齢化社会を迎え、今後、人口が減少していく中で、疾患構造の変化への対応や、地域医療をどのように維持していくかなど、医療を取り巻く情勢も変化しつつあります。さらに、医療技術の観点からは、次々に高難度医療が導入され、今後はIoTや人工知能の導入などデジタルトランスフォーメーションの活用も現実的になってきています。このような変化の中で、私たち医療人には、様々な知識や新しい技術を身につけ、臨機応変に社会のニーズに適応した医療を提供し、未来の医療・医学を担う若き人材を育成していくことが求められています。

このような情勢の中で、愛媛大学医学部医学科では、卒前、卒後教育において、生涯にわたり患者のために全人的視点から最善を尽くす医師・医学研究者を育成することを目指し、県内唯一の医師養成機関として、地域医療の担い手となり活動する人材、特定機能病院として高度先進的な治療が提供できる専門医、大学院大学として研究マインドを持った医師、グローバル化社会に対応できる医師、を育成することを目標に掲げています。この目標を達するため、医学部医学科では、早期医療体験実習、地域医療実習や多数のシミュレータ、VR教材を用いた教育を導入し、臨床実習では、12週間の地域連携病院での実習を取り入れ、現在は、新型コロナウイルス感染禍で一時的に中断していますが、臨床実習の海外提携医学校との相互乗り入れも実施してきました。研究面では、早期より希望の講座で医科学の研究を行う医科学研究を必修とし、大学院における研究活動に繋げることで、世界に通じる研究マインドを持った医師の養成を目指しています。また、「基礎と臨床の融合」を掲げ、一体となって新しいプロジェクトに取り組んでいます。

愛媛大学医学部医学科には、様々に変化していく情勢の中で、地域医療を支えるとともに、研究・教育・臨床の各分野において世界に発信する地域中核施設としての役割が求められています。私たちは、基礎系・臨床系講座が一丸となって、その役割を果たすべく日々精進していきます。豊かな自然に恵まれた愛媛大学で、ぜひ一緒に次世代の医療を構築していきましょう。