Course

薬理学

Course introduction

講座紹介

器官・形態領域
薬理学(旧名称:薬理学講座)

人生100年時代を生き抜くための、個々人にあった最適な薬物療法を目指して

人生100年時代を迎えた日本では、健やかな高齢者が増えることが希求されています。薬理学講座では、フレイルにつながる筋肉・関節疾患や、加齢動物・高血圧マウスなどを用いて生活習慣病や老化関連疾患(認知症・サルコペニア)の克服を目指した薬物の探索と開発を目指しています。また、間葉系幹細胞による組織再生やアナフィラキシーショックなどのアレルギーに与える薬剤の影響や予測法・バイオマーカーの探索研究も進めています。さらに、非常にヘテロな集団である高齢者のテーラーメードな至適薬剤評価法の構築も目指しています。

【講座問い合わせ先】
器官・形態領域 薬理学 〒791-0295愛媛県東温市志津川454
TEL:089-960-5260 FAX:089-960-5263
公式HP http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/pharmacology/

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研究内容

  • 糖尿病や動脈硬化といった、加齢により増加する疾患に適切な薬剤スクリーニング法の開発を目指した研究 【茂木】

薬力学的に加齢細胞は若い細胞と比べて薬剤反応性が異なる可能性があるが、従来の薬物効果判定では加齢細胞を用いた、老化が及ぼす細胞反応性の変化を比較検討したものはほとんどない。高齢者における薬剤反応性の個人差の増大は、一部細胞の加齢変化によるものと考え、個々の高齢者において効果的なテーラーメード薬剤の開発につなげたい。また、間葉系幹細胞の分化に着目して、臨床データを利用した関節リウマチ治療薬の薬理効果や細胞内シグナルの研究、アプタマーを用いた画期的なバイオマーカーや新しい薬剤の探索、薬剤開発の難しい認知症の克服のために、血液脳関門破綻に着目した新たな治療法につなげる研究も進めている。

  • 間葉系幹細胞を用いた関節軟骨の再生有効性と安全性評価 【劉】

関節リウマチなどの関節損傷性疾患の組織再生を目指し、自家間葉系幹細胞を用いた軟骨・骨再生アプローチの有効性や安全性の評価を行っている。

  • 個別化薬剤有効性予測システムの開発 【劉】

臨床統計解析や情報工学技術ど多様な手法を駆使し、個別化医療に適した薬剤評価システムの構築に関する研究開発を行っている。

  • アレルギー・炎症領域における研究 【劉】

喘息や食物アレルギーなどを始めとするIgEシグナル伝達を介するアレルギー反応、そして、薬物アナフィラキシーなどの非IgE性アレルギー反応を研究対象とし、病態解明とアレルギー予防しうる新規核酸製剤の開発を行っている。

  • 新規免疫抑制薬の開発 【劉】

ストア作動性カルシウムチャネル(CRAC)の機能解析や制御についての基礎的・臨床的な研究を行いながら、CRACを介する細胞内へCa2+流入を特異的に阻害する抗体製剤をの開発を取り組んできた。自己免疫疾患の治療において、この抗体製剤を含むCRAC阻害薬の有効性と安全性評価を行っている。

  • 血管疾患として認知症を考え、新たな視点から治療戦略の構築を目指した研究 【外山】

血管病変に主眼を置いて認知症に対する新たな治療戦略を模索しており、特に血液脳関門に着目した研究を行なっている。このバリア機能は、とりわけ脳血管内皮細胞のタイトジャンクションが基盤となって形成されており、この機能不全は認知機能障害を引き起こす一因となることを報告してきた(Toyama K et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2014; 34; 616-25, Dong Y, Toyama K et al. Hypertension. 2011; 58; 635-42)。近年では認知症ヒトの海馬や脳白質部でも血液脳関門の破綻が起きていることが特殊な画像検査で確認されている。
近年、タイトジャンクションの一つであるZO-1の遺伝子発現を「miR-501-3p」が制御し、血管性認知機能障害の病態の進展における重要なmicroRNAの一つであることを報告した(Toyama K et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2018; 38: 1392-406)。血液脳関門の破綻に関係するmiR-501-3pを含めたmicroRNAの役割を追求し、新しい治療戦略の構築を目指している(Toyama K et al. Aging (Albany NY). 2019; 11: 1329-1330)(Toyama K, et al. Pharmacol Res. 2019: 104266)。

  • 愛媛県内の医療・健康の地域偏在性や特性を見出し、一次・二次予防に役立つ方策を立てるための新エビデンス創出を目指した研究 【外山】

愛媛県全域をカバーしている健康保健事業者(JA愛媛厚生連)と連携して県民の受診データを活用し、循環器・腎疾患、認知症などの原因となる高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病等の愛媛県下における地域偏在性や疾患特異性を見出すとともに、その生活習慣と循環器・腎疾患等との因果関係を見つけ出し、愛媛県民のために早期に一次・二次予防に役立つ、予防活動に資する新たなエビデンスを創出し、今後の県民の健康延伸を目指した研究である。

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主な実績

  • Mogi M. Could Management of Blood Pressure Prevent Dementia in the elderly? Clin Hypertens. 2019; 10: 25:27
  • Takeshita H, Yamamoto K, Mogi M, Nozato S, Horiuchi M, Rakugi H. Different effects of the deletion of angiotensin converting enzyme 2 and chronic activation of the renin-angiotensin system on muscle weakness in middle-aged mice. Hypertens Res. 2019 (in press)
  • Liu S, Sahid MNA, Takemasa E, Maeyama K, Mogi M. Zoledronate modulates intracellular vesicle trafficking in mast cells via disturbing the interaction of myosinVa/Rab3a and sytaxin4/VAMP7. Biochem Pharmacol. 2018; 151: 18-25
  • Liu S, Takahashi M, Kiyoi T, Toyama K, Mogi M. Genetic Manipulation of Calcium Release-Activated Calcium Channel 1 Modulates the Multipotency of Human Cartilage-Derived Mesenchymal Stem Cells. J Immunol Res. 2019; 7510214: 1-10
  • Toyama K, Spin JM, Mogi M, Tsao PS. Therapeutic perspective on vascular cognitive impairment. Pharmacol Res. 2019:104266
  • Toyama K, Spin JM, Abe Y, Suzuki Y, Deng AC, Wagenhauser MU, Yoshino T, Mulorz J, Liu S, Tsao PS, Mogi M. Controlled isoflurane anesthesia exposure is required for reliable behavioral testing in murine surgical models. J Pharmacol Sci. 2019;140:106-108

Staff introduction

スタッフ紹介

薬理学教授
茂木 正樹

教授からのメッセージ


愛媛大学薬理学講座は1973年の本学医学部開部以来、小川暢也初代教授、前山一隆前教授が講座を主宰され、2017年12月より、私が3代目として担当しております。私自身、老年内科を出身母体とすることから、寿命の延伸に加え、クオリティの高い生活を維持できる健やかな高齢者を増やすための研究に邁進しています。薬理学は基礎と臨床が横断的に関わり合う基盤的総合科学です。我々の研究室は、基礎と臨床の両面を見据え、超高齢社会を歩む日本の未来を明るくする薬理学研究を進めて参ります。

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