Course

感染制御学講座

Course introduction

講座紹介

戦略型寄附講座
感染制御学

患者、職員、学生、そして

愛媛県を感染症リスクから守る

新型コロナウイルス感染症をはじめとする新興・再興感染症の脅威や、抗生物質が効かない多剤耐性菌が増加しているなかで、感染症専門医等の育成や、関係医療機関等による連携体制の構築等が必要となっています。

本講座は多職種の専門医療スタッフの育成や感染症に関する知識・技能の向上を目的とし、また感染症に関する情報や課題等を共有し速やかに対応できる体制を構築するなど、感染症対策の充実強化を目指しています。

Research content

研究内容

  • 分子疫学的手法を用いた細菌感染経路の解析

マルチプレックスPCRを用いてクローン解析を行うPOT法や,rep-PCRを用いる自動細菌タイピング装置により,細菌の遺伝子解析を行なっている。これらの手法を用いることにより,同一の菌株の院内での広がりを確定することができ,感染経路を効率的に遮断できるとともに,医療スタッフへの感染対策の有効な教育手段にもなる.

  • 新生児集中治療室(NICU)で治療されている新生児の腸内細菌叢の獲得

成人は皮膚・腸管内に常在菌と呼ばれる細菌叢を獲得しているが、NICUで治療されている新生児で特に帝王切開で出生した児に関しては常在菌に暴露される機会が少なく、特に腸内細菌の獲得が不良であることを明らかにした。ここに介入することによりNICUで治療されている新生児の感染症を抑制することの可能性について研究を進めている。

Main achievements

主な実績

  • Tauchi H, Yahagi K, Yamauchi T, Hara T, Yamaoka R, Tsukuda N, Watakabe Y, Tajima S, Ochi F, Iwata H, Ohta M, Ishii E, Matsumoto S, Matsuki T
    Gut microbiota development of preterm infants hospitalised in intensive care units.
    Benef Microbes 2019; 10(6):641-651
  • Oka K, Matsumoto A, Tetsuka N, Morioka H, Iguchi M, Ishiguro N, Nagamori T, Takahashi S, Saito N, Tokuda K, Igari H, Fujikura Y, Kato H, Kanai S, Kusama F, Iwasaki H, Furuhashi K, Baba H, Nagao M, Nakanishi M, Kasahara K, Kakeya H, Chikumi H, Ohge H, Azuma M, Tauchi H, Shimono N, Hamada Y, Takajo I, Nakata H, Kawamura H, Fujita J, Yagi
    Clinical characteristics and treatment outcomes of carbapenem-resistant Enterobacterales infections in Japan
    J Glob Antimicrob Resist 2022. 29:247-252

Staff introduction

スタッフ紹介

感染制御学 
教授 田内 久道

教授からのメッセージ


当講座は愛媛大学附属病院の患者さん、職員、学生だけでなく、広く愛媛県中の人たちを感染症のリスクから守ることを目標としています。現在の感染症の診断と治療に関しては、微生物検査法や抗微生物薬の進歩が著しく、全ての臨床医が最新の情報を入手し適切に使用することは困難な状況です。感染症専門医の立場から微生物検査室や薬剤部、感染管理認定看護師などの資源を有機的に活用することにより、全ての患者に対して最良の感染症診療を提供していきたいと考えています。また今後も発生が予想される、新興・再興感染症パンデミック時には、県内の行政機関への提言・支援とともに他の医療機関や県内の感染症専門医、感染管理認定看護師との連携が重要となるため、その中核として機能する人材の育成に努めます。

スタッフ紹介


  • 田内 久道 (感染制御部 教授)
  • 村上 雄一 (講師)
  • 濱口 ひかる (助教)