Course

生体構造医学‐組織学分野 

Course introduction

講座紹介

器官・形態領域
生体構造医学-組織学分野

T-iPS細胞の

活用を通じ

人体構造の

解明を目指す

機能組織学講座では、人材育成と研究成果の発信において世界水準の研究室となるべく活動を行っている。医学部生には、組織学で学ぶべき人体構造の機能的構造基盤に関わる勉学のみならず、当教室で展開する幅広い産学連携活動にも参画し、最先端の情報に触れ次世代のリーダーを目指してもらいたい。また研究面では、現行では難航しているiPS細胞研究をけん引すべく、産学両面から研究開発を展開している。それまで「定説」となっていることでも再検証するのがre-searchである。我々も現行のiPS細胞技術を根本から見直し、次世代の標準形となるべくT-iPS細胞を提案している。

【講座問い合わせ先】

器官・形態領域 機能組織学 〒791-0295愛媛県東温市志津川454
TEL:089-960-5236 / FAX:089-960-5239
公式HP http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/anatomy2/

Research content

研究内容

  • 1.ヒト分化多能性獲得の分子メカニズム解明

マウスiPS細胞は様々な細胞への分化能獲得がしっかりとなされている。一方でヒトiPS細胞では、分化能の低さと株ごとの性質のゆらぎが問題視されている。この問題解決に向けて、ヒト分化多能性に固有なメカニズムの解明に向けた研究を行っている。

  • 2.T-iPS細胞を活用した高効率分化誘導系の開発

DNA脱メチル化に働くTET1遺伝子を山中因子と協働させると、極めて分化能の高いiPS細胞(T⁻iPS細胞)が取得できることを見出している。本細胞を用い、臨床上で重要だと考える様々な神経細胞、グリア細胞さらには肝細胞を高純度で分化誘導し、その特性を解析している。

  • 3.創薬プロセスにおける毒性試験系の開発

iPS細胞を活用することで、創薬現場にヒト細胞を提供することが可能になった。独自に開発したT⁻iPS細胞の社会実装の一環として、この細胞から分化誘導したヒト細胞を用いて、あらかじめ毒性をテストできる細胞の提供を目指し、神経毒性や肝毒性を簡便に調べ得る毒性試験系の開発を行っている。

  • 4.神経外傷における自然免疫の作用の解明

脳梗塞や外傷性脳損傷など様々な神経損傷により誘導される生理活性分子の発現様式の解析を通じて、それぞれの損傷治癒に際して神経細胞やグリア細胞の役割を解明し、新しい治療法につながる研究を行っている。

  • 5.神経保護薬による脳卒中、神経外傷及び神経変性疾患の新規治療法の開発

脳梗塞や外傷性脳損傷など様々な神経損傷により誘導される生理活性分子の発現様式の解析を通じて、それぞれの損傷治癒に際して神経細胞やグリア細胞の役割を解明し、新しい治療法につながる研究を行っている。

Main achievements

主な実績

  • Kondo S, Kato H, Suzuki Y, Takada T, Eitoku M, Shiroishi T, Suganuma N, Sugano S, Kiyosawa H. Monoallelic,antisense, and total RNA transcription in an in vitro neural differentiation system based on F1-hybrid mice.J Cell Sci. 2019 Aug 13. pii: jcs.228973.
  • Takekoshi D, Tokuzawa Y, Sakanaka M, Kato H.The N-end rule pathway enzyme Naa10 supports epiblast specification in mouse embryonic stem cells by modulating FGF/MAPK.In Vitro Cell Dev Biol Anim. 2019 May;55(5):355-367
  • Zhu P, Samukawa K, Fujita H, Kato H, Sakanaka M.Oral Administration of Red Ginseng Extract Promotes Neurorestoration after Compressive Spinal Cord Injury in Rats.Evid Based Complement Alternat Med. 2017;2017:1265464

Staff introduction

スタッフ紹介

機能組織学 准教授
加藤 英政

教授からのメッセージ


機能組織学講座では、世界に先駆けたiPS細胞の社会実装の一環として、T-iPS細胞※の創薬活用や疾患モデル系の開発を行っています。学内外を問わず、興味のある方はぜひご連絡ください。
(※T-iPS細胞とは・・・当教室にて開発した新型ヒトiPS細胞。従来のiPS細胞に用いる4つの遺伝子、いわゆる“山中因子”に加え、DNAの脱メチル化活性を有するTET1遺伝子を作用させて作製することで、高分化能を有したiPS細胞。)

スタッフ紹介


  • 武内 章英 (教授)
  • 加藤 英政 (准教授)
  • 朱 鵬翔 (助教)
  • 加門 正義 (助教)
  • 加門(平木) 啓子 (研究員)
  • 阪中 雅広 (非常勤講師)
  • 藤田 弘子 (技術専門職員)
  • 平岡 かおり (研究補助員)
  • 加藤 ゆかり (事務補佐員(AMED))