Course

糖尿病内科学

Course introduction

講座紹介

分子・機能領域
糖尿病内科学

独創的、かつ地域の特性を生かした、臨床に還元できる研究の遂行

糖尿病内科学講座では、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドローム、心血管病などの様々な疾患について、主に遺伝疫学と分子生物学的解析を統合した研究を進めています。遺伝子検査や新規バイオマーカーを用いた、糖尿病やインスリン抵抗性関連疾患の統合的な予防法、プレシジョンメディスン(高精度医療)の確立を目指します。

【講座問い合わせ先】

分子・機能領域 糖尿病内科学 〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
TEL:089-960-5647 / FAX:089-960-5848
公式HP http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/clab/

Research content

研究内容

  • 糖尿病・インスリン抵抗性遺伝子の転写調節機構と一塩基多型の解析

糖尿病ならびにインスリン抵抗性遺伝子の一塩基多型(SNP)については、ゲノムワイド関連解析(GWAS)や次世代シークエンサーを応用し、遺伝疫学、分子生物学の手法を取り入れながら、in vitroでの機能、ヒトin vivoでの表現型への効果までを体系的に解析しています。現在の基盤となる成果としては、2004年に、2型糖尿病原因遺伝子として,インスリン抵抗性を惹起するサイトカインであるレジスチンのSNP-420を同定しました。一般住民において、血中レジスチンはC/C<C/G<G/G型の順に高く、G/G型の場合に、2型糖尿病発症リスクが約1.8倍に高まることを明らかにしました。更に、同SNP-420は環境(メチレーション)による修飾を受けること、SNP-358 と協調してレジスチン遺伝子の転写調節に関与すること、この調節機構は人種間で差を認めることを明らかにしました。

  • 一般住民を対象とした遺伝疫学研究:東温ゲノムスタディ

遺伝疫学と分子生物学的解析を統合する手法により、疾患感受性のSNPやHLAと糖尿病の新規発症の関係を解明し、プレシジョンメディスンを確立することを目標にしています。具体的には、地域の一般住民約2500名を対象とした疫学研究である東温ゲノムスタディにおいて、環境因子のレジスチン遺伝子発現の調節機構への影響、ならびにレジスチンの病態生理学的意義の分子機構、特に、糖尿病の新規発症にどのようにレジスチンが関連しているかについて、RNA seqやmicro RNA arrayなどの手法を用いて研究を進めております。

  • 大規模臨床研究による1型および2型糖尿病の成因解明

大規模臨床研究としては、1型および2型と糖尿病のゲノムワイド関連解析の共同研究に参画すると共に、新たな手法による糖尿病の成因解明を試みております。愛媛県下の主要な糖尿病診療施設との共同研究である愛媛スタディ、県下の歯科医師との共同研究である愛媛Dental Diabetes研究会を展開しています。特に、愛媛スタディでは、劇症1型糖尿病の典型的な臨床症状、HLAとの関連、妊娠期の発症の可能性などを明らかにし、これらが日本糖尿病学会の劇症1型糖尿病ガイドラインに引用されています。

Main achievements

主な実績

  • Onuma H, Tabara Y, Kawamura R, Ohashi J, Nishida W, Takata Y, Ochi M, Nishimiya T, Ohyagi Y, Kawamoto R, Kohara K, Miki T, Osawa H.Dual effects of a RETN single nucleotide polymorphism (SNP) at -420 on plasma resistin: Genotype and DNA methylation.J Clin Endocrinol Metab 102: 884-892, 2017
  • Onuma H, Tabara Y, Kawamura R, Ohashi J, Nishida W, Takata Y, Ochi M, Nishimiya T, Kawamoto R, Kohara K, Miki T, Osawa H.Plasma resistin is associated with single nucleotide polymorphisms of a possible resistin receptor, the decorin gene, in the general Japanese population.Diabetes 62: 649-652, 2013
  • Osawa H, Yamada K, Onuma H, Murakami A, Ochi M, Kawata H, Nishimiya T, Niiya T, Shimizu I, Nishida W, Hashiramoto M, Kanatsuka A, Fujii Y, Ohashi J, Makino H.
    The G/G genotype of a resistin single-nucleotide polymorphism at -420 increases type 2 diabetes mellitus susceptibility by inducing promoter activity through specific binding of Sp1/3.Am J Hum Genet 75: 678-686, 2004

Staff introduction

スタッフ紹介

教授からのメッセージ


私は、牧野英一前教授の後任として、平成20年6月1日より、三代目として当教室を担当させて頂いております。研究・診療・教育にあたっては、教室員と共に、常に最善を尽くすことが大切と考えています。まずは,自分自身が納得できるように、そして教室・大学といったチームのために、さらには、地域、社会のために最善を尽くすように心がけたいと思っています。各教室員が、眼の前の課題に真剣に取り組み、研鑽していきながら、周囲と良く協調することにより、みんなが楽しく、充実した仕事のできる教室にしていきたいと考えています。なお、当教室がここまで発展してきましたのは、これまでに支えて頂きました多くの方々のおかげです。この場を借りて、心より御礼申し上げます。今後とも、御指導・御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

スタッフ紹介