ご挨拶

謹啓

 黒潮カンファレンスの会員の皆様におかれましては、ご健勝かつ日々益々ご活躍のこととお慶び申し上げます。
 
 2025年8月23日(土)~8月24日(日)の2日間、広島県竹原市の大久野島で第9回黒潮カンファレンスを開催させていただきます。

 黒潮カンファレンスは2016年に第1回学術集会が千葉大学医学部薬理学講座の安西尚彦教授の主催で実施され今年が9回目となります。今回、私、愛媛大学医学部薬理学講座の茂木正樹が大会長という貴重な機会をいただきましたことに心より感謝を申し上げます。
 
 本カンファレンスは大会長の先生の創意と工夫により、毎年素晴らしい会が開催されておりますが、今回の第9回は、思い切った企画として、海に囲まれた「島」での開催とさせて頂きました。期間はお盆が終わった直後でまだまだ暑い期間ではありますが、船に乗って小島にわたっていただき、お忙しい日常から束の間離れ、ウサギに癒される大久野島でのひと時を楽しんでいただければと思っております。
 
 黒潮カンファレンスは異分野融合を掲げて、薬理学・医学を超えて、工学や農学などの幅広い分野との融合研究の中で新規治療につながる共同研究を推進しようとの歴代大会長のご企画に毎年感銘を受けておりますが、今回の開催においても、愛媛大学で行われている医学との異分野融合の研究をご紹介することに加え、研究における若年化を考える企画を検討しております。各大学においては、高校生の理系希望の学生が大学で研究を行う高大連携事業が盛んに行われており、一部では中学生や小学生からも研究を行い、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)も高大連携の全国規模の発表会を開催するなど、国を挙げて注力されてるかと思います。しかし、実際にそうした若年化する研究活動を大学はどう支援していけるのか。加えて学部生の基礎研究の支援など、若い学生の研究活動をどのように活性化していくのか、そうした点についても今回の第9回黒潮カンファレンスでは考えていきたいと思っています。
 
 大久野島はのどかな小島ですが、一方で、毒ガスの島としても知られています。戦時中や戦後の一時期において暗い歴史のある島でもあります。昨今の不安定な世界情勢の中で、昔の事実にも向き合い、薬理学を志す者としても改めて薬の怖さも再認識頂ければと考えています。大久野島の歴史を語っていただく企画も準備しており、今回の黒潮カンファレンスでは多面的な視点からも楽しんでいただければ幸いです。
 
 この機会に多くの先生方に大久野島にご参集いただき、楽しくそして思い出になる学術集会となりますよう尽力いたします。
 
 何卒よろしくお願い申し上げます。
                                                         謹白

  愛媛大学大学院医学系研究科薬理学
茂木正樹

上部へスクロール