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メッセージ

医師を志す皆さんへ

法医学講座 教授

浅野 水辺 Asano Migiwa

 医師に必要な資質とは何でしょうか。柔軟な思考力、知力、体力、洞察力、臨機応変な対応力、コミュニケーション能力、不屈の精神力、何れも大切だと思います。そのうえで敢えて挙げるなら、医師が備えるべき重要な資質は素直な心と知識欲だと、私は考えます。

 私は法医学を専門とする医師ですが、ご遺体を前に死因が何かと考えるとき、意味のある異常所見を目にしながら、穿った視方をすることや医学的知識の不足からそれを見逃してしまい、悔しい思いをすることがあります。中国の古典、「大学」の中に「心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味」とありますが、当に「視れども見えず」です。恐らくこれは、臨床医にも研究医にも通じることだと思います。教科書や論文から最新の知識を貪欲に取り込み、診断や判断の拠り所を増やすこと、先入観に囚われることなく多角的に事象を見る素直さ、先輩だけでなく同僚や後輩、スタッフの助言に耳を傾ける謙虚さ、良医はこれらを備えた医師です。

 愛媛大学医学部はきめ細やかな教育プログラムと愛媛県下の連携病院が一丸となった「オール愛媛」の教育体制で、良医の育成を行っています。医学部6年間は決して平坦な道ばかりではありませんが、躓いたり、悩んだりしたときには頼れる同級生や先輩がいます。加えて、愛媛大学医学部の誇れるところは、良い意味で教職員と学生の垣根が低いことです。何でも相談できます。教職員が親身になって良医を目指す皆さんを応援します。