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2022.06.03 活動報告

令和3年度 地域医療再生学(寄附講座)活動報告書

令和4年3月

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座

令和3年度 地域医療再生学(寄附講座)活動報告書

間島 直彦(地域医療再生学講座主任教授)

 

愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座は、宇摩地区が抱える地域医療の課題(医師不足、救急医療)に取り組むために、平成22(2010)年4月に愛媛県の寄附講座として愛媛大学医学部に設置されました。平成28(2016)年4月からは四国中央市の寄附講座として継続していただき、現在も活動を継続しております。四国中央市や関係医療機関の皆様のご支援に心より感謝いたしております。

令和3年度は、整形外科は間島(2014年度より)と見崎浩助教(2018年度より)、脳神経外科は尾崎沙耶助教(2019年度より)、小児科は平井洋生准教授(2021年度より)の4名のスタッフが、四国中央病院とHITO病院のサテライトセンターを中心に活動しました。

整形外科は、HITO病院において四国中央市の救急外傷、慢性脊椎・関節疾患、高齢者骨脆弱性骨折の治療に取り組みました。人工関節センター(2016年4月開設)では、宇摩地区の皆様に人工関節の最先端医療を提供できる体制を構築しています。手術症例数も順調に伸びており、近隣地域からの患者さんも増加傾向にあります。また、脊椎外科専門医である見崎助教が、脊椎・脊髄の外傷や慢性疾患治療を積極的に行っています。HITO病院と協力してロボットリハビリテーションを積極的に推進し、多職種からなるリハビリチームが高齢者患者の早期回復を目指しています。

脳神経外科は、HITO病院にて脳神経、脊髄・脊椎疾患の治療にあたるとともに、脳卒中センター(2014年4月開設)で愛媛大学医学部脳卒中センターと連携して急性期治療に力を入れました。脳血管内治療専門医の尾崎助教が、脳梗塞では従来のt-PA静注による血栓溶解療法に加えて血管内手術による血栓回収療法を積極的に行っています。また、四国中央市における脳外科医師不足に対応するため、オンラインで愛媛大学病院とデジタル回線を結びリアルタイムに連携をとれる遠隔手術支援システムの検証を行っています。

小児科は、四国中央市における唯一の小児入院施設である四国中央病院にて予防接種や気管支喘息等の慢性疾患、感染症を診療しています。近年は発達障害や不登校などに総合的に対応するニーズが増加しています。また、当地区唯一の分娩取扱病院でもあり、助産師が中心となって虐待や養育困難のハイリスク妊婦に対しても早期から介入しています。四国中央市の行政や教育機関との定期的な情報交換を行い、各機関と連携した活動を行っています。

本年度も新型コロナウィルス感染症のため、本来行う予定であった市民講座や運動教室が開催できず大変残念な一年でした。現在引きこもっている高齢者にとって、今こそ継続的な運動療法や栄養指導が必要になっているはずです。我々は、高齢者が地域の公民館やサロンにおいて自由な時間に少人数であっても利用可能な、簡単なデバイスを用いた運動プログラムや健康教室のソフトを多職種で協力しながら現在作成中です。

地域医療再生学講座では、専門医による専門医療を提供するだけでなく、地域の子供たちの健やかな成長や高齢者の健康維持に役立つ活動を継続していきたいと考えております。また、次世代の地域医療を担う研修医や若手医師の受け皿となってまいります。これからもご協力やご指導を宜しくお願い申し上げます。

 

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