愛媛大学大学院医学系研究科 病因病態領域 救急医学 愛媛大学大学院医学系研究科 救急航空医療学 愛媛大学医学部附属病院 救急科

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教育内容紹介

臨床

救急外来における初期治療に引き続いて、集中治療を行っています。各専門診療科と協力して治療にあたりますが、とくに下記の疾患では主担当科となります。当科はチーム制で治療を担当します。

低体温療法

当科では、重症頭部外傷における低体温療法で長年培ってきたスキルを応用し、PCAS(Post-Cardiac Arrest Syndrome:心停止後症候群)に対して積極的に低体温療法を行い、神経蘇生、後遺症の軽減を目指しています。

重症敗血症

現疾患の治療とともに、とくにショックやDIC(Disseminated intravascular coagulation:播種性血管内凝固)をきたした重症例に対して集学的治療を行っています。

重症呼吸不全

人工呼吸管理や膜型人工肺を用いた体外循環ECMO(Extracorporeal membrane oxyganation)による集中治療を行います。

多発性外傷

プライオリティを決定し、初期からの凝固線溶異常を意識して、PTD(preventable trauma death:防ぎ得た外傷死)の減少を目指しています。

特殊感染症

破傷風や壊死性筋膜炎等の軟部組織感染症では、集中治療とドレナージ、NPWT(Negative Pressure Wound Therapy:局所陰圧閉鎖療法)を組み合わせて救命率向上を目指しています。

研究

基礎研究および臨床研究を行っています。

ブロムワレリル尿素の敗血症治療への応用

(愛媛大学大学院医学系研究科分子細胞生理学)

カテコラミンの免疫機序への関与

(愛媛大学大学院医学系研究科分子細胞生理学)

重症敗血症における凝固線溶

重症外傷における凝固線溶

不安定型骨盤輪骨折に対するナビゲーション使用下低侵襲手術

教育

大学病院の使命である学生・研修医教育のみならず、ICLSやJATEC、MCLSなどのoff the job トレーニングも積極的に参加しています。

ポリクリ

主に医学部5年生で行う班実習です。1週間と期間が短いのですが、入院症例の発表と、松山市消防局の協力、指導のもと、救急車同乗実習を行っています。

クリニカルクラークシップ

主に医学部6年生で行う選択実習です。2週間をひとつの単位とします。研修医やスタッフについて治療や処置を積極的に研修します。最長1ヶ月選択した学生さんもいます。

初期研修

愛媛大学医学部附属病院初期研修およびアイ・プログラムにおいて、1年次あるいは2年次研修を行っています。1から3ヶ月間の期間です。時間的センスを身につけることを目標としています。また、2年次研修では大阪府立中河内救命救急センターや大阪府泉州救命救急センターで3ヶ月研修することも可能です。

愛媛大学ICLSについて

当院では、愛媛大学総合臨床研修センターの協力のもと、愛媛大学ICLSを定期開催しています。ICLS(Immediate Cardiac Life Support)とは、医療従事者のための蘇生トレーニングコースです。緊急性の高い病態のうち、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することを目標としています。実技実習を中心としたコースであり、受講者は少人数のグループに分かれて実際に即したシミュレーション実習を繰り返し、約1日をかけて蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療を身につけます。
 愛媛大学ICLSコースは、救急医学会認定コースとして開催されますが、救急科を始め、麻酔科、内科など様々な診療科の医師および看護師が認定インストラクターとなっています。”こぢんまり“したコースを目指していますが、受講希望あるいはインストラクター希望の方はご連絡ください。ご案内いたします。

qqb@m.ehime-u.ac.jp

愛媛大学救急医学“献体による外傷手術手技研究会”について

当教室では、愛媛大学医学部手術手技センター、愛媛大学医学部解剖学教室の指導の下、愛媛大学白菊会(本学医学部へ献体登録した方々)にご協力いただき、日本外科学会と日本解剖学会による「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に基づいて、ご遺体による外傷手術トレーニングを行っています。 多発性外傷の治療は、緊急度が高く、また通常の外科手術では救命困難な症例が存在します。そのような緊急事態に備えて、重症外傷を取り扱う外科系医師がご遺体を用いて外傷手術戦略を習得することは、極めて有意義であると考えています。 当教室では、平成25年度より院内外の外科系の医師とともに、“献体による外傷手術手技研究会”を開催しております。この研究会では講義と実習があり、講義では外傷手術戦略を、実習では御遺体を使用させていただき外傷手術手技を行います。

病院前救護、医療

愛媛県立中央病院と連携して、愛媛県消防防災ヘリコプターによるドクターヘリ的運用を行っています。また、ドクターカーを運用し、災害時や多数傷病者発生時には出動体制をとっています。

災害医療

当院は、愛媛県内に8つ設定されている災害拠点病院のひとつであり、基幹災害拠点病院である愛媛県立中央病院を中心に、協力して災害医療に取り組んでいます。DMAT(Disaster Medical Assistance Team)隊員として医師6名、看護師11名、業務調整員7名が登録しており、災害時訓練を行っています。また、当院は二次被ばく医療機関であり、緊急被ばく医療の訓練も行っています。