Staff Introduction 国内留学記
スタッフ紹介
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靍岡慎太郎 先生
兵庫県粒子線医療センターに1年間の国内留学。愛媛での粒子線治療の実現を目指して、粒子線治療を学ぶ。
愛媛大学附属病院ではこの経験を活かして、粒子線治療相談外来を立ち上げた。
兵庫粒子線医療センターでの生活
私は2023年7月から2024年6月までの1年間、兵庫県粒子線医療センターで粒子線治療を学ぶ機会をいただきました。愛媛でも粒子線治療の適応を適切に判断できるようにすることを目指して、城戸輝仁教授、濱本泰先生に推薦いただき赴くこととなりました。
兵庫で勉強してくる、というと神戸の華やかな街を思い浮かべたくなりますが、兵庫県粒子線医療センターはたつの市の山の上、自然豊かな場所に建っており、野生の鹿たちとよく出会うことができます。公共交通機関でのアクセスが良好とは言い難いですが入院施設が整っており、がんとの闘病生活で疲れている患者さんにとっては気持ちを落ち着かせることができる良い場所だと感じます。毎日車で通勤しましたが、愛媛と変わらない風景で安心して過ごせました。
兵庫県立粒子線医療センターは世界初の陽子線治療と重粒子線(炭素イオン線)治療の両方が行える施設として2001年に開院し、多くの患者さんを治療されてきました。病院スタッフ全体が粒子線治療について深く理解し、また、より発展させようとする姿勢が備わっており、粒子線治療に関わる多くのことを学ぶことができました。主に、通常のX線治療では対象になりにくい肝細胞癌や膵癌、肝門部胆管癌などの患者さんの初診の診察から治療計画、治療中の全身管理、治療後の方針調整に携わりました。特に、初診の時に時間をかけてしっかり話をすることや、化学療法を含めた入院治療管理は刺激の多いことばかりであり、皆さんに助けていただきながら楽しく乗り越えていくことができました。学会発表にも積極的にお誘いいただき、肝癌研究会や頭頸部癌学会で発表ができたことは嬉しく思います。
院長の沖本智昭先生をはじめ、先生方や放射線技師さん、看護師さん、事務の方々には仕事のことはもちろん、時間外でもお世話になりました。2回のゴルフコンペを開催いただき、食事や飲み会にもお誘いいただきました。スプリング8の研究所の方々などが行なっているバドミントンやテニス会など、定期的な活動に参加する機会もいただきました。充実した日々を送ることができたことに感謝いたします。
愛媛に妻と子供2人を残して単身赴任であり、平日は仕事や自己研鑽に専念し、週末は愛媛に帰って家族と過ごすという生活がルーチンとなっていました。子供の長期休暇の際はみんなで兵庫に滞在し姫路〜神戸の散策をしたり、兵庫を拠点として新幹線で京都や福岡に旅行をしたりもできました。(新幹線ってなんて便利なんだろう…)我が家のヒットは、姫路セントラルパークとヨーデルの森です。是非、訪れてみてください。
改めて貴重な機会を与えていただいた沖本智昭院長、城戸輝仁教授、濱本泰先生に心より御礼申し上げます。また、1年不在になる私を快く送り出してくれた大学放射線治療メンバーにも感謝しております。