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Researches

研究紹介

イメージ:研究紹介

循環器CTグループ

循環器CTグループでは、CTイメージングを用いて循環器疾患に関する研究を多角的な視点から行っています。
CT angiographyを利用した冠動脈の形態評価をはじめ、ボロノイ法による冠動脈支配領域評価、心筋灌流を評価するCT perfusionを用いた心筋虚血評価、遅延造影を用いた心筋梗塞評価、4Dデータを用いた心筋壁運動評価、心臓CTを用いた3Dプリンター作成など、最先端のCT機器や画像解析技術を用いた複数の臨床研究が進行中です。

ボロノイ図を利用した心臓CTによる冠動脈の支配領域の定量評価

ボロノイ図という数学的な手法(二点の間をとる「中間点法」みたいなもの)を利用して、心臓CT上で冠動脈の支配領域を自動的に抽出する方法を愛媛大学・エラスムス大学・株式会社AZEと共同開発しました。
負荷検査をしなくても冠動脈病変が左心室のどの範囲に影響しているかを定量化することができます。
右冠動脈の陳旧性梗塞領域(濃桃色)のほかに、第二対角枝の狭窄枝(赤矢印)の支配領域(淡桃色)を知ることができます。

イメージ:ボロノイ図を利用した心臓CTによる冠動脈の支配領域の定量評価

CT angiographyとCT perfusionのfusion画像による心筋虚血部位と冠動脈支配域の明瞭化

イメージ:CT angiographyとCT perfusionのfusion画像による心筋虚血部位と冠動脈支配域の明瞭化

遅延造影CTによる心筋梗塞巣の評価

4Dデータによる心筋壁運動異常の評価

心臓CTから3Dプリンタを使用して、3D心血管モデル(血液プールモデル、中腔モデル)を作成した例

両大血管右室起始ほか複雑心奇形があり、生後2か月後に2回目の手術前に形態評価のために心臓CTを行いました。
そのCTデータから心血管の立体データを抽出し、3D心血管モデルを作成しています。
3D心血管モデルは、心臓の中と大動脈・肺動脈・冠動脈の形態異常を三次元的に目と手で理解することが可能であり、小児心臓外科の術前治療計画に役立つことができます。

イメージ:心臓CTから3Dプリンタを使用して、3D心血管モデル(血液プールモデル、中腔モデル)を作成した例

循環器MRIグループ

Compressed sensingを用いた高速cine MRI撮像 (SIEMENSとの共同研究)

イメージ:Compressed sensingを用いた高速cine MRI撮像 (SIEMENSとの共同研究)

Compressed sensingを用いた高速冠動脈MRA撮像 (SIEMENSとの共同研究)

イメージ:Compressed sensingを用いた高速冠動脈MRA撮像 (SIEMENSとの共同研究)

Deep learning reconstructionの心臓MRIへの応用(GEとの共同研究)

腹部/乳腺グループ

腹部画像診断

主にCTやMRIで、新しい撮像技術を用いた実臨床に役立つ研究を行っています。研究内容の具体例やこれまでの研究結果を一部ご紹介します。

CT

Dual energy CTによる肝腫瘤描出における有用性

この他、我々は、過去の研究によりダイナミックCTで肝癌の平衡相でのwashoutの描出においても仮想単色X線画像の使用によりコントラストが上昇し検出能向上に有用と思われる結果が得られ学会発表や論文により報告してきました。

Dual energy CTによる肝脂肪定量における有用性

我々は、これまでの研究で、Dual energy CTにより得られたfat fraction mapが、NAFLDやNASHの患者において肝脂肪の定量に有用で、病理学的な脂肪沈着程度と有意な相関を認めることなどを学会発表してきました。

CTでの膵癌の早期発見に関する研究

MRI

Compressed sensingの肝臓EOB造影MRI検査における有用性

Compressed sensingを使用することで、撮像時間の短縮が可能です。これにより、これまでは撮像が難しかった息止めの難しい患者様でもきれいな画像の撮影が可能となり、検査の成功率向上に有用です。

IDEAL-IQ法による肝臓MRIでの脂肪・鉄沈着の定量

我々のこれまでの研究では、肝の線維化程度とR2*の値とが相関している可能性や背景肝疾患により肝実質のR2*の値に差があることなどの結果が得られ学会発表を行ってきました。

乳腺領域

マンモグラフィ(MMG),CT,MRIなどを用いた、画像による乳腺病変の良悪性判定を行う研究の他、乳癌を対象としたさまざまな臨床的有用性が高い研究(広がり診断、サブタイプ診断、術前化学療法の効果判定など)を実施しています。以下に研究内容の例の一部をご紹介します。

MMG

当院でマンモグラフィ(MMG)を撮影された症例の経過追跡に関する研究

当院でMMGを撮影された患者様のうち、カテゴリー3(C3)病変について経過の追跡や良悪性病変における画像所見の対比を行う研究を実施しています。MMGでのC3病変は、悪性が否定できませんが、不要な生検による過剰侵襲を引き起こす危険性もあり、C3病変の内訳や取り扱いの現状を把握し、C3病変の中で悪性を強く疑う所見を理解することは、より適切な診療実施のために重要と考えられます。なお、これまでの我々の研究では、C3病変のうち石灰化を伴う腫瘤やFADは悪性の割合が高いという結果が得られ、学会報告を行いました。

CT

Dual energy CTを用いた乳癌術前の局所評価

Dual energy CTでは様々な解析や画像の作成が可能ですが、それらのうち、仮想単色X線画像を使用することで、通常撮影のCTと比べ、乳癌や乳管内進展などが、より明瞭に描出され、乳癌のより正確な局所評価に有用と思われます。我々のこれまでの研究では、低KeVの仮想単色X線画像を使用することで乳癌のコントラストが上昇し、検出や診断に有用であるという結果が得られ、学会発表や論文により報告してきました。

乳癌術前評価における4D similarity filterおよびbody registrationの有用性

MRI

乳腺病変の評価におけるMAGiC (MAGnetic resonance image Compilation)の有用性

我々のこれまでの研究では、MAGiCで得られた複数の定量マップが、乳腺病変の良悪性鑑別、乳癌のKi-67の推定、サブタイプの判定などに有用であるという結果が得られ、学会発表や論文により報告してきました。

核医学グループ

核医学グループでは心臓専用半導体SPECTやFDG-PET/CTを用いて、主に心臓核医学を中心に臨床研究を行っています。

半導体SPECTを用いた心筋血流定量による虚血評価

長時間絶食プロトコールを用いた心臓用FDG-PET/CTの臨床研究

イメージ:長時間絶食プロトコールを用いた心臓用FDG-PET/CTの臨床研究

半導体デジタルPET/CTと旧PETとの比較研究

イメージ:半導体デジタルPET/CTと旧PETとの比較研究

半導体デジタルPET/CTを用いた心臓集積の臨床研究

放射線治療グループ

強度変調放射線治療(IMRT)の適応拡大と臨床研究

イメージ:強度変調放射線治療(IMRT)の適応拡大

ハイブリッド腔内照射の適応拡大と安全性の確立

子宮癌患者を対象としたCT based IGBTによる治療計画と治療成績に関する後方視的検討

転移性骨腫瘍に対する緩和照射の治療成績の検討(他施設と共同研究)

glioblastomaに対する集学的治療成績に関する後方視的検討

頭頚部腫瘍の放射線治療成績の検討

現在参加中の臨床試験

JCOG1303:手術後残存腫瘍のあるWHO Grade II星細胞腫に対する放射線単独治療とテモゾロミド併用放射線療法を比較するランダム化第Ⅲ相試験

JCOG1402:子宮頸癌術後再発高リスクに対する強度変調放射線治療(IMRT)を用いた術後同時化学放射線療法の多施設共同非ランダム化検証的試験

JCOG1703:初発膠芽腫に対する可及的摘出術+カルムスチン脳内留置用剤留置+テモゾロミド併用化学放射線療法と可及的摘出術+テモゾロミド併用化学放射線療法のランダム化第III相試験

JCOG1910:高齢者初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用寡分割放射線治療に関するランダム化比較第III相試験

その他、各診療科と連携

核医学治療グループ

甲状腺癌に対するヨード内用療法の治療成績や予後因子、副作用に関する研究を主に行っています。その他、新たな内用療法に関しても臨床、研究を予定しています。

甲状腺癌術後ヨード内用療法予後予測因子に関する研究

甲状腺癌ヨード内用療法の急性期有害事象に関する観察研究

甲状腺癌肺転移に対する放射性ヨード内服後

I-131 シンチグラフィ