Staff Introduction 若手医師対談
スタッフ紹介
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こばやし先生
医師3年目(入局1年目)
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おかだ先生
医師7年目(入局5年目)現在、大学院生(診断)
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よしだ先生
医師8年目(入局6年目)現在、大学院生(診断)
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つるおか先生
医師10年目(入局8年目)昨年大学院卒業、放射線治療医
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インタビューA
中堅医局員
今日は若手の先生に放射線科の実状と未来について話を聞こうと思います。
まず始めに、放射線科に入ろうとしたきっかけを教えてください。
研修医2年目の4月に放射線科をローテートしたときに決めました。それまでは全く考えていませんでした。内科など、全身を診れる科になりたいと考えていましたが、放射線科は画像を通して違うアプローチから全身を診ている、という事がとても面白く感じました。また、ベテランの先生でも画像診断の勉強を熱心に続けており、一生やっていく仕事として興味をもちました。
僕は父が同じ放射線科という事もあって、早いうちから仕事をイメージしやすかったという事がありますね。もちろん画像診断にはずっと興味があって、勧誘もたくさんうけたので入局を決めました。
まさにサラブレッドですね。
5回生くらいの時から視野に入っていました。実際に研修医の時に感じたのは、放射線科の先生が1番楽しそうに仕事をしていた、のが決め手ですね。
研修医のときに3つくらいの科と悩みましたが、最終的にカテーテル治療に興味をもって決めました。現在は放射線治療医ですが、患者さんを治療する、という点では同じだと思っています。
学生のときから興味をもっていた、という人がやはり多いですね。放射線科の仕事はなかなかイメージがしにくいので、実際に学生時代にポリクリやクリクラで放射線科という仕事を知ってもらう事が大事ですね。
実際に入局してみると、大学には若い先生が多く、わからない事があるとすぐに質問できるいい環境にありますね。
確かに先輩にも後輩にも年の近い人が多く、臨床だけでなく、研究においてもコミュニケーションがとりやすい環境ですね。毎年入局者がいるので、それがいい流れになっていると思います。
それでは放射線科という仕事のやりがいについて教えてください。
治療医の立場からは、幅広い診療科が抱える癌病変に関して、治療選択の1つの主軸として大きな役割を担っています。各診療科と連携して治療が出来る事には大きなやりがいを感じます。
画像診断に関しては、主治医の先生が専門ではない領域での診断や、難しい症例の鑑別診断をあげることなど、「診断して治療する」という大きな流れの中の1つとして縁の下で診療のサポートしていけたらと考えています。
主治医が想定してない病気を、自分の画像診断によって治療に結びついた時はとても嬉しいですね。
画像診断に関しては、大学病院と外の臨床病院では少し役割が違うかもしれません。
臨床病院では特に救急の画像診断で頼ってもらいますね。救急医療では、常に専門の先生が診るわけでは無いので、画像診断における放射線科の役割が高くなります。スピードも求められるので大変ですけど。
確かに、外病院の方が画像診断に関して直接質問される事が多いですね。
さらに救急医療では、外傷による緊急止血術など緊急カテーテル治療を放射線科がする事が多いので、診断と治療の両面で重要な役割がありますね。
放射線科は大きく診断と放射線治療に別れています。どこの段階で決めましたか?
もともと診断に興味があったので入局した時から決めていました。
ぼくも診断に興味があって入局しましたが、入局後に治療も経験させてもらって興味はありましたが、最終的に診断に決めました。診断と治療はどちらも経験してから決めるのがいいと思います。
専門医をとる少し前まで悩みました(笑)。ずっと患者さんの治療に関わりたいと思っていたので、IVR(カテーテル治療)にも興味がありましたが、最終的には放射線治療医を選択しました。
ぼくは入局したばかりなので、どちらもまだ可能性があります。IVRも含めて様々な選択枝があるのはいいですね。
大学院に入った理由について教えてください。
大学院の先輩の活躍をみていて、同じように研究をしたいと自然に思うようになりました。望月教授(前教授)が心臓CTの分野で世界の権威だったので、世界の最先端の仕事が出来ると思って入りました。
同期の奥さんも放射線科医なので一緒に入りました(笑)。夫婦で大学院生でも働きやすい環境にあると思います。
ぼくは研究は苦手であまり好きではなかったので、逆に大学院に入る事で研究をする環境をもらった事がよかったです。治療分野では研究した事がそのまま臨床にいかせるので、結果的にはとてもよかったと思っています。
最後に、放射線科の未来についてどう考えていますか?
日本は人口比でいくとCTとMRIの数が世界でも圧倒的に多いといわれています。日本における質の高い機器と画像診断でビッグデータを構築してエビデンスを出していく事で、世界に発信できると思います。そのためには、それをいかす人材とネットワークが必要だと思います。
確かにCTとMRIの数は多く、高速撮像技術が進んでいるので、仕事量はどんどん増えていますね。今後はAIの発達によってバランスがとれてくるとは思いますが、臨床、研究の両面において人材の確保と教育は最重要な事かもしれないですね。
これからさらなるAIの時代が必ずやってきます。将棋の分野ではAIが入ってきて、一気に追い抜いていきましたが、それによって棋士のレベルも上がったといわれています。放射線科医、というより医者全体にいえる事ですが、AIを使う事によってさらにレベルの高い診断が可能になると思っています。
治療分野にもAIが徐々に入ってきています。最近ではIMRT(強度変調放射線治療)など新しい技術が増えており、治療計画が複雑化していますが、AIを活用することでより良い治療計画の作成や、作成時間の短縮が図れるようになります。これによって、患者さん一人一人への診療を今以上に深くできると思っています。
AIと人がそれぞれ共存というか切磋琢磨することで、放射線科同士のネットワークがどんどん広がっていくんではないかと思います。今後どうなっていくか、とても興味深いです。
通信技術の発達により、現在では遠隔読影もスムーズにできるようになっています。昨今は診療や飲み会ですらオンラインで行う時代になっている中で、放射線科の仕事のスタイルは大きく変わっていくかもしれません。
しかし、実際の我々の画像診断は、画像だけ見るのでなく、カルテで臨床情報を集めて総合的に所見を書くことが多いです。また臨床医と直接やりとりする事で得られる情報も多く、求められている放射線科の仕事というのは現在のAIや遠隔読影だけでは十分ではないかもしれません。
画像診断という分野は非常に奥が深く、日々勉強が必要です。毎日同じような画像をみているはずですが、毎日悩みます。また撮像技術や画像作成のアプリケーションの進歩もめざましく、それを診療に活かせるかどうかが、我々放射線科医に必要な能力だと思っています。まだ僕の放射線科人生は始まったばかりですが、今後の放射線科医の可能性を考えてとてもわくわくしています。
皆様ありがとうございました。とても有意義な対談になりました。
今回の若手の先生方々が、今後大きく飛躍できるような医局をつくっていきたいと思います。