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CT部門

当院では、導入が新しい順に、16cmのカバレッジをもち、広範囲を一度に継ぎ目のない画像を撮影することができるRevolution CT (GE社製)およびAquilion ONE(キャノン社製)、2管球CTを用いることにより66ミリ秒という非常に高い時間分解能を持つSOMATOM Force(シーメンス社製)の3台のCT装置を使用して撮影を行っています。
最先端の高性能なCT機器を用いることにより、従来よりも低線量で高画質の撮像が可能となり、より正確な画像診断を実現しています。具体的な技術としては、Deep Learning技術を応用した画像再構成による低被ばくかつ高画質な画像作成、Dual Energy技術を応用した肺血流評価および造影剤量の低減、Dynamic撮影および専用解析ワークステーションを用いた心筋血流評価などが可能となっています。これらの技術に加え、小児の撮影や外傷時の全身撮影を短時間で行うことができる機能も搭載されています。
3台のCT機器にはそれぞれ特性があり、撮像条件や目的に併せて様々な撮影、画像構築が可能となります。それらの特性を上手く使い分けながら、慢性期から急性期まで、年齢や疾患を問わず、より適切な画像を提供できるよう努めています。

2017年に導入されたAquilion ONE

2025年に導入されたRevolution CT

MRI部門

当院のMRIは現在、いずれも3T装置のMR 7700 (Philips社製)、Skyra(Siemens社製)、Architect(GE社製)の計3台体制で日々の診療や研究を行っています。MRI検査は放射線被ばくを伴わず非侵襲的に体の詳細な画像を得ることができる検査であり、画像診断領域の中でも主要な検査の1つとなっています。2024年3月に導入されたMR 7700 3.0T装置では最先端技術であるAIを用いた撮像時間の短縮に取り組んでいます。MRI検査の問題の1つであった撮像時間の長さの改善により、少しでも患者さんに負担の少ない検査を行えるよう努めています。

2017年に導入されたSkyra(3.0T)

2024年に導入されたMR 7700(3.0T)

核医学診断部門(SPECT/PET)

核医学検査とはごく微量の放射性同位元素(RI:ラジオアイソトープ)を目印としてつけた放射性医薬品を使った検査です。放射線医薬品を体内に投与すると、特定の臓器や組織に取り込まれ、放射線を出します。その様子を測定し、分布等を画像化することで、身体の各臓器の働きや化学的変化を調べます。
2020年4月より最新のデジタルPET(Discovery MI/GE社製)が導入され、臨床稼働しています。デジタルPETでは小さい病変の検出や細かい集積分布を正確に診断する事ができ、新たなPET診断として臨床に大きな役割を果たしています。
また2023年4月より半導体SPECT/CT(StarGuide/GE社製)が稼働しています。CZT半導体検出器を搭載し、ユニークなリング型ガントリー設計により、SPECT分解能の向上と様々なエネルギー核種に対応した装置設計になっています。各種SPECT検査における診断能の向上やセラノスティクスを含む研究面でも活躍が期待できる機種になっています。

2020年に導入されたデジタルPET(Discovery MI)

2023年に導入された半導体SPET/CT(StarGuide)

核医学治療部門

当院では、バセドウ病や甲状腺癌に対する放射性ヨウ素(I-131)内用療法のほか、神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)、ホルモン療法の効かなくなった(去勢抵抗性)前立腺癌の骨転移に対する塩化ラジウム治療を行っています。

放射性ヨウ素内用療法は、甲状腺がヨウ素を取り込んでホルモンを作る性質を利用した治療です。I-131から発する放射線によって細胞を破壊することで、バセドウ病に伴う甲状腺機能亢進状態を抑制したり、甲状腺癌術後の再発リスク抑制や遠隔転移の治療に使用したりすることができます。

PRRTでは、ルテチウムオキソドトレオチドという薬剤が神経内分泌腫瘍の持つソマトスタチン受容体に結合して治療効果を発揮します。治療を受けられるかどうかを判断するため、ソマトスタチン受容体シンチグラフィを事前に行い、ソマトスタチン受容体が発現していることを確認します。

これらの治療はいずれも、薬剤が患者さんの体内に入った直後から放射線が体内から放出される状態となります。バセドウ病の治療では投与される放射線量が少なく外来での治療が可能ですが、甲状腺癌、神経内分泌腫瘍の治療ではいずれも投与線量が比較的多いため、身体から発する放射線量が低下するまでは特殊な病室への入院が必要です。当院では院内のみならず院外からも患者さんを受け入れています。PRRTについては、患者さんの紹介窓口である第三内科と共同で治療を実施しています。

去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対する塩化ラジウム治療では、骨を構成するカルシウムと同様に骨に集まりやすい性質を持ったラジウムを使用しています。骨代謝の盛んな骨転移病変部に集まり、α線という種類の放射線が腫瘍細胞に照射されることで治療効果を発揮します。体外へ放出される放射線による周囲の人への被ばくの心配がほとんどなく、外来で治療することが可能です。

なお、切除不能/遠隔転移のある褐色細胞腫・パラガングリオーマに対するI-131-MIBG治療も可能になっています。窓口である泌尿器科と、第二内科(循環器内科)のバックアップの元に治療を行います。

IVR部門

IVRは正確には「Interventional Radiology」、日本語では「画像下治療」といいます。X線やCT、超音波などの画像診断装置を使って体内を透かして見ながら、細い医療器具(カテーテルや針)を挿入し、標的となる病変の診断や治療を行います。
当科では主にIVR専門医(2025年時点で2名)を中心に手技を行っており、さまざまな疾患に対応しながら、できるだけ痛みの少ない治療を心がけています。
また、2021年からは泌尿器科と連携し、腎がんに対する経皮的凍結療法を導入するなど、体への負担が少なく効果的な治療法の提供に、各診療科と協力して取り組んでいます。

近年の主な診療実績

血管系
肝細胞癌動脈塞栓術(TACE)、動脈瘤コイル塞栓、肺動静脈瘻コイル塞栓、気管支動脈塞栓、外傷や術後合併症に伴う緊急止血術、バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)、頭頸部癌動注療法、婦人科疾患に伴う塞栓術、副腎静脈サンプリングなど
非血管系
CTガイド下生検、CTガイド下VATSマーキング、CTガイド下ドレナージ、リンパ管造影など
血管造影装置(IVR-CT) Artis Zee biplane ICT(シーメンス社製)

血管造影装置(IVR-CT):Artis Zee biplane ICT(シーメンス社製)

放射線治療部門

放射線治療は、手術療法・がん薬物療法とともに「がん治療の3本柱」の1つです。当科では、放射線治療のエキスパートである放射線治療専門医(4名/2025年)が、各患者様に最適の放射線治療を提供します。
放射線治療は多くのがんに対して適応があります。当科では、最新の外部放射線治療装置(Varian社製、TrueBeam)を導入し、定位放射線治療(SRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)などの高精度放射線治療を積極的に行っています。また、小線源治療として遠隔操作式小線源治療装置(RALS)による腔内照射や密封小線源治療システムによる組織内照射も行っています。RALSでは、同室設置されたCTを用いて三次元治療計画(画像誘導密封小線源治療:IGBT)を行っており、治療中の患者さんの負担を軽減することが可能となっています。
その他、放射線治療はがん治療のみならず、甲状腺眼症などの良性疾患に対しても良い適応となっています。放射線治療に関してわからないことや知りたいことがありましたら、遠慮なく当病院に御質問ください。

放射線治療装置

  • 外部放射線治療装置(LINAC)2台
  • 遠隔操作式小線源治療装置(RALS)1台
  • 密封小線源治療システム 1台
2022年に導⼊された最新型トモセラピー Radixact®

2022年に導⼊された最新型トモセラピー Radixact®