講座概要

本講座は超高齢化社会に突入している日本において、アンチエイジング医学の発展に貢献することを目的とし、新田ゼラチン株式会社の寄附を受けて2019年に新規開設されました。

コラーゲンペプチドが有する様々な特性を活かし、老年医学及び抗加齢医学領域で低侵襲性かつ有効性の高い新たな治療法を開発研究するとともに、これに関連する教育・研修を実施することを目的としており、本研究科の寄附講座としては初の研究と教育に特化した講座となります。

研究面では、コラーゲンペプチドの機能解析についての基礎研究にも着手するとともに、更なる機能性を中心に臨床研究を進めていくこととしています。

また、教育面では、老年病専門医取得のための新たなプログラムの構築を目指し、実践的教育の環境を整備すると共に臨床を行う場としても重要な役割を担うこととなります。

ご挨拶

私は愛媛大学を1991年に卒業し、日和田邦男教授の主催する第二内科学講座(現在の循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座)に入局致しました。愛媛大学病院および公立学校共済組合近畿中央病院(故・国府達郎院長)における循環器内科研修医時代にはPCIのトレーニングを受け、愛媛大学大学院に進んでからはPCI(現在のPOBA)後の再狭窄予防に関する基礎研究を行いました。

1999年に大学院を卒業すると同時に三木哲郎教授の主催する老年医学講座(現在の老年神経総合診療内科学講座)に助教として採用され、老年科病棟の立ち上げに携わりました。教育では愛媛大学におけるOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)の立ち上げにも携わり2003年の海外留学までOSCEの実務を担当しました。

2003年7月から2005年2月までは米国ノースカロライナ州にあるウェイクフォレスト大学医学部高血圧血管病センターに留学し、レニン-アンジオテンシン系の新たなアームであるACE2-Angiotensin 1-7系に関して世界的な権威であるカルロス・フェラリオ教授に師事し、当時降圧薬として発売間近であったARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)オルメサルタンの動脈硬化抑制作用についてACE2-Angiotensin1-7系を絡めて研究を行いました。

2005年2月に帰国した後は、講師として現在の中心的な仕事である抗加齢(アンチエイジング)医学研究を行う「抗加齢センター(現在の抗加齢予防医療センター)」の立ち上げに初代センター長の三木哲郎先生とともに携わりました。ここでは動脈硬化度評価に特化した人間ドックである「抗加齢ドック」を行うとともに、老年医学の大きな目標である健康寿命の延伸のため「脳卒中予防」「認知症予防」「フレイル・サルコペニア予防」などをキーワードに抗加齢ドックのデータおよび関連病院のデータを用いて臨床研究を行っています。

2011年に抗加齢予防医療センターの三代目センター長を拝命した後は、新たな展開としてこれまで二代目センター長の小原克彦先生が中心に行ってきた横断研究の成果をもとに、食品・サプリメントを用いた臨床研究も開始しました。

すでに動脈硬化改善作用を有する低分子コラーゲンペプチドを含有する「ほっとコラーゲンレモンジンジャー味(ニッタバイオラボ)」、インフルエンザの予防効果が確かめられた国産クロモジエキスを配合した「養命酒製造のど飴(養命酒製造)」、認知機能維持効果が確かめられたオーラプテンを含有する「POMアシタノカラダ河内晩柑ジュース(えひめ飲料)」の3つの製品が上梓されています。

この度2019年4月に設置された「抗加齢医学講座」の教授に就任いたしました。本講座は大阪に本社のある東証一部上場企業「新田ゼラチン株式会社」の寄附講座として発足しました。新しい講座においてもこれまで同様に、高齢者の健康寿命の延伸をめざして邁進してまいります。

教授 伊賀瀬 道也

愛媛大学大学院医学系研究科
抗加齢医学(新田ゼラチン)講座
教授 伊賀瀬 道也

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