研究内容

データをもとに
「寝たきり」予防論文の発表

抗加齢ドックのデータをもとに高齢化社会の抱える新たな問題「寝たきり」を予防するためのさまざまな知見を英語論文を中心に発表しております。

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産官学連携、国際共同研究の
積極的取り組み

産官学連携、国際共同研究にも積極的に取り組んでおり、栄養食品やサプリメントの分野ですでに市販化されるなど多くの成果をあげております。

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※抗加齢ドック(抗加齢予防医療センター)は当講座の伊賀瀬教授がセンター長を務める人間ドックです。

知見1.「みため」が老けていると「からだ年齢」も老けている!

双子では老けて見える方(右)が先に死亡する。
Christensen 2009 BMJより引用

2009年のオランダの先行研究では双子の寿命の差はみため年齢と関連があるとの報告があります。写真(下左)は一卵性の双子14組の顔写真を合成したもので、実年齢の平均は67歳ですが写真左のみため年齢は64歳、右は70歳と評価されました。老けてみえる双子の方が寿命が短いという結果でした。私たちの研究では抗加齢皮膚ドック受診者に対し看護師20名が「みため」年齢を診断しました。20名の平均値が実年齢より高いものを「年をとって見える」(青丸)、実年齢より若いものを「若く見える」(赤丸)として頸動脈エコーで診断したところ「若く見える」人は、その事実のみで「からだ年齢が若い」(女性で約5歳、男性では約8歳)ことが明らかになりました。

Kido M et al. Geriatr Gerontol Int. 2012; 12: 733-40.

知見2.「開眼片足立ち時間」が低下していると「脳」も縮んでいる(萎縮している)!

高齢者が転倒した場合、若年者よりも骨折を起こしやすくなります。

転倒のしやすさは身体のバランスで測定することができます。

私たちは非常に簡便な測定法として「開眼片足立ち検査」をおこなっています。方法は簡単で、目を開けたままでどちらかの足を床から離して片足で立ちます。60秒できたら終了とします。2回測定して、よいほうのデータを採用します(1回目が20秒、2回目が40秒なら「40秒」がその方のデータになります)。このデータをみますと、片足立ち時間が短くなると1)大腿筋面積が低下している2)骨密度も低下していることがわかりました。そればかりではなくグラフ(下)にありますように開眼片足立ち時間が低下している人ほど脳が萎縮している(写真矢印の黄色でマークしている部分の脳のすき間の大きさが大きい)ことがわかりました。特に*印をつけていますように片足立ち時間が40秒未満の方でこの差は明らかになります。ちなみにアルツハイマー病患者さんでは18秒程度になります。開眼片足立ち検査は簡単な認知症のスクリーニング検査です。

片足立ちができない人は脳が小さくなっている

知見3. 高性能のMRIでは高率に脳動脈瘤が発見され、くも膜下出血のリスクをより詳細に 評価できる。

一般的なMRI機器による未破裂脳動脈瘤(写真赤丸)の発見頻度は約5%程度といわれています。ところが最新型の高性能MRIである3テスラ(3T) MRIを使った私たちの脳ドックなどにおけるスクリーニング検査でみると、3414名の受診者のうち未破裂脳動脈瘤は286名(8.4%)と従来の機器での脳ドックに比べて未破裂脳動脈瘤 の発見率が約2倍高くなることが明らか になりました。これはクモ膜下出血の予防に関して非常に大きな知見とされています。

抗加齢予防医療センターと国際的な研究でのコラボレーション

オランダユトレヒト大学との未破裂脳動脈瘤(uAN)に関する共同研究

@世界10コホートのuANデータの縦断追跡調査に参加し、くも膜下出血のリスクであるuANの拡大リスクを評価するELAPSS scoreを発表しました。

図. 3年後の動脈瘤の拡大リスク

アメリカ合衆国のDr. Shankleらとの共同研究

@Dr. Shankle(写真左)の開発した軽度認知障害スクリーニングテスト(MCI screen; 日本名:あたまの健康チェック)は米国FDAによる新薬治験の際の検査で採用されている感度の高い検査です。日本のiROOP(認知症の発症予防を目指したインターネット健常者登録システム)でも2017年より採用されています。愛媛大学附属病院ではすでに2006年から採用しており「軽度認知障害(MCI)と評価された対象者では皮膚に蓄積している終末糖化産物(AGEs)が高くなっている」ことを発表しています。

Igase M et al. J Alzheimers Dis. 2017;55(4):1481-1487.

抗加齢予防医療センターが取り組んできた産官学連携

松山市(国際観光課・健康づくり推進課)、電通西日本、ふなや等との取り組み

@平成25年度総務省委託ICT街づくり推進事業「スマイル松山プロジェクト」
@平成27年度経済産業省健康寿命延伸産業創出事業 「まつやま10歳若返りヘルス・メイクUP事業」ヘルスツーリズム~道後温泉癒しとアンチエイジングの旅~

国土交通省スマートウェルネス住宅等推進モデル事業

@高断熱住宅の健康への貢献を立証するプロジェクト

とうおん健康医療創生事業に組み込まれた事業

@「抗加齢予防医療センターさくらの湯ブランチ(写真:骨密度測定)」

@「東温市ヘルスツーリズム」・・県内外から参加者を募って毎年開催中

実用化された産官学連携研究成果

愛媛県、えひめ飲料、松山大学とのコラボレーション「河内晩柑由来果汁飲料の認知機能予防効果」

河内晩柑の果皮由来のオーラプテンを豊富に含む果汁飲料には認知機能を改善する効果があることを実証(特許取得)。

えひめ飲料(株)より
「POM アシタノカラダ 河内晩柑ジュース」発売

新田ゼラチン(株)とのコラボレーション「低分子コラーゲンペプチドの動脈硬化改善作用」

脈波伝搬速度の改善効果を実証。

ニッタバイオラボ(株)より
「ほっとコラーゲン」発売

養命酒(株)とのコラボレーション クロモジエキス入りのど飴にインフルエンザ予防作用および風邪症状改善作用を確認

養命酒(株)より
「養命酒製造のど飴」発売