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今村 健志 教授
愛媛大学大学院医学研究科 分子病態医学分野

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 愛媛大学大学院医学研究科分子病態医学分野は平成22年(2010年)10月に創設された新しい教室で、私は、初代教授として平成22年10月に着任しました。分子病態医学分野は、愛媛大学大学院医学研究科の一つとして研究と教育を行なう教室で、特に、生体(in vivo)光イメージング研究に力を入れています。


 in vivo光イメージング・光操作とは、生きている動物の中で多元的な生体内イベント(生命現象)をリアルタイムで画像化して解析し、さらに光機能性分子を操作する手法で、ポストゲノム時代のライフサイエンス研究分野において必須のテクノロジーです。われわれは、JST CRESTのサポートで、新規超短パルスレーザーを駆使し、in vivo光イメージング・光操作を実現する今までにない多光子励起顕微鏡法を開発し、革新的がん研究展開を図っています。具体的には、光パラメトリック発振(OPO)、スーパーコンティニウム光、超小型波長固定レーザー等の新規光源および補償光学(adaptive optics)を駆使した2光子励起顕微鏡を開発し、さらに、がんにおけるin vivo光イメージングを実現するために、様々ながんモデル動物を利用して、波長、パルス幅、ビーム径、波面収差など光学的なパラメーターの最適化をおこなっています。これらの結果を踏まえ、光源の性能を精密に制御する光学系の開発を推進します。一方で、光照射によってラジカルを発生する光機能性分子を利用したがん光治療への方途を拓きます。
 現在のライフサイエンス研究の主流を占める分子生物学は、組織や細胞を固定したりすりつぶしたりするin vitro解析が主体で、in vivo(動物が生きたまま)で動物個体を統合的にしかも時空間的に解析するには至っていません。特に、がん研究分野においては、複雑な発がん・転移過程において、がん細胞とその周囲の微小環境を同時に経時的に解析する新たなテクノロジーの開発が強く望まれており、われわれがおこなう研究は時代のニーズに即した創造的で目的志向型の研究と言えます。さらに、がんの本態に迫る研究のみをおこなうだけでなく、人類にとって差し迫った重要な課題であるがんについて、患者に優しい光診断・光治療へ繋がる基礎基盤研究を推進することを目指しています。


 また、われわれがおこなう研究のねらいは、物理科学とライフサイエンスを有機的に結合させ、“in vivo分子生物学”というべき新たな学術研究領域を創成することです。われわれの成果は、広くライフサイエンス分野の研究を発展させ、特に革新的がん研究・がん医療の展開を通じて国民の福祉に資するものであると願っています。また、研究の遂行を通じて形成される有機的な共同研究のフレームワークは、我が国の光・半導体産業のポテンシャルを生かした新しいニーズを提案し、ライフサイエンスや医療分野が真に必要とする新規光源の開発を促すと考えられます。さらに、これらの結果は、新たな産業分野の育成のシーズ形成へと繋がることを願っています。