研究紹介

機械学習と非線形顕微鏡を使って乳腺腫瘤を自動診断する技術を開発

非線形光学顕微鏡と機械学習技術を駆使して、従来の病理組織学的手法では困難であった乳腺線維腺腫と葉状腫瘍の自動診断を可能とする技術の構築に成功しました。非線形光学顕微鏡である、第2高調波発生顕微鏡と多光子励起顕微鏡を用いて、乳腺腫瘤内のコラーゲンや自家蛍光物質の無染色イメージングから乳腺腫瘤の病態の描出に成功し、さらに深層学習による領域分割法を利用して乳腺腫瘤を判別する評価指標を検証しました。針生検診断で鑑別が困難となる病態の客観的な評価は手術適応や術式などの治療戦略の決定への貢献が期待されます。

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生物個体を生きたまま長期間観察できるライトシート顕微鏡の開発

近赤外光を利用した2光子励起現象の新たな利活用によって、(1) 観察対象への低い光毒性、(2) 広い視野範囲、(3) 高い空間分解能(高解像度)、の3条件の向上を達成する2光子励起光シート蛍光顕微鏡を新たに技術開発しました。この顕微鏡を小型魚類(メダカ)の胚発生の観察に応用したところ、メダカの成長を阻害することなく(低光毒性)、メダカ全体に対して(広い視野範囲)、その発生過程を細胞レベル(高解像度)で、3日に渡り観察することに成功しました。本技術により、多様な生物の発生過程をこれまでよりも長期間に渡って、細胞レベルの高分解能で、生きたまま観察することができるようになります。

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関連リンク

愛媛大学大学院医学系研究科分子病態医学講座

愛媛大学プロテオサイエンスセンター

愛媛大学医学部附属病院先端医療創生センター

愛媛大学若手研究者リサーチユニット創生支援事業(先端研究・学術推進機構)