愛媛大学医学部同窓会九州支部総会への出席報告

同窓会員の皆様、こんにちは。総合臨床研修センター長の熊木天児(第17期)です。

令和5年7月22日(土)にホテル日航福岡で開催された愛媛大学医学部同窓会九州支部総会に出席しましたので、ご報告いたします。「えっ、なぜ愛大病院からの参加?」と思われるかもしれません。仰る通りです。

さて、既にご存知の方も多いと思いますが、今秋には愛媛大学医学部は創立50周年を迎えます。そして、記念事業の準備の真っ最中です。私自身も記念事業ワーキンググループの一員であるとともに、同窓会の幹事でもあります。そこで、ちょうど福岡で開催された日本膵臓学会に合わせ、「親善大使」として九州支部総会にお邪魔してきましたのでレポートします。

総会は澄井敬成先生(副支部長:第8期)の司会のもと、冒頭で本年5月に92歳で逝去された木村茂名誉教授(旧第2外科)に対して黙祷が行われました。そして、角典洋先生(支部長:第2期)によるコロナ禍3年間の報告に続き、愛大からの参加ということで私自身をご紹介を頂きました。50周年事業および事業への寄附(目玉である仮称、同窓会会館建立)についてご説明し、理解を得られたと思います。特別講演では、酒井浩一先生(第8期)が「韋駄天」と題して、日本マラソンの父と呼ばれている先生ご自身の祖父(金栗四三氏)に纏わるお話をされました。

金栗氏は日本人初のオリンピックに出場したマラソン選手(3回出場)であり、もう1人の日本人(日本からの参加は2名のみ)とともに1912年にストックホルムまでシベリア鉄道を利用して移動しました。1905年に終戦した日露戦争の冷めやらぬ時代のことでした。オリンピック本番では、レース途中で日射病のため意識を失って倒れたため近くの農家で介抱され、目を覚ましたのは既に競技が終わった翌日、7月15日の朝だったそうです。このため棄権扱いとなり、そのまま帰国しました。しかし、1967年3月、金栗氏がオリンピックで棄権の意思を委員会に伝えず、「競技中に失踪し、行方不明」、すなわち現在も走り続けている状態として扱われいたことに気付いた委員会が金栗を記念式典でゴールさせたそうです。そして、オリンピック委員会からストックホルムオリンピック開催55周年を記念する式典に招待され、競技場をゆっくりと走り、場内に用意されたゴールテープを切りました。この時、「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」とアナウンスされたそうです。54年8か月6日5時間32分20秒3という記録はオリンピック史上最も遅いマラソン記録であり、今後もこの記録が破られる事は無いだろうと言われています。金栗氏は箱根駅伝を創設された方でもあります。韋駄天はその後、NHKの大河ドラマとして作成され、酒井先生のご実家には多くの出演者が撮影に来られ、先生自身も一度出演されたとのこと。そして、中村勘九郎さんとは今でも交流が続いているなどのエピソードがありました。酒井先生のスライドには文字はほとんどないものの、印象的な写真が映し出され、出席者一同が釘付けとなっておりました。最後に、金栗四三資料館(https://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/538/12302.html)のある熊本県玉名市へお越しくださいとのアナウンスがありました。

懇親会では、自己紹介および近況報告などが行われました。私の右には同期の新井さん(旧姓)が、そして左には私が学生時代にお世話になった呼吸器外科(旧第2外科)の高橋広先生でした。肺の区域体操を講義中に教えてくださった先生です。参加者は会員の約1割である19名と少なめでしたが、半数の方がそのまま2次会へと流れ、懐かしいお話を伺うことができました。一方では、若い医師や学生に関する質問を多く受け、若い世代の参加を願っていらっしゃるとのことであり、親切丁寧に「おじ様達」にご説明しました。とにかく、楽しい時間でした。

今回は偶然にも、福岡で学会がありお邪魔できました。これまた偶然にも来年6月には熊本で学会があります。玉名市へ少し足を伸ばす時間があればと願っております。このようなご縁で先輩方と繋がりを持ち続けられるのが、同窓会のメリットの一つでもありますね。いやいや、最大の目的は寄附をお願いすることでした。懇親会では、各テーブルを回り、参加された皆様に口座振り込み用紙をお渡しながら、ご挨拶したことは言うまでもありません。お土産としてポンジュースのグミもお渡ししたので、財布の紐も甘くなっていると思います。

同窓会員の皆様、九州支部に留まらず、50周年事業についてご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます(https://www.m.ehime-u.ac.jp/50th-anniversary/donation/)。

以上、愛媛大学医学部同窓会九州支部総会への出席報告でした!

⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆⋆
熊木天児(くまぎてる)愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター長