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愛媛大学乳腺センター

医学生・研修生の皆さんへ

女性医師の声

村上 朱里(2023年改訂)

こんにちは。こちらのページを読んでいるということは、乳腺診療を自身の進路選択において興味を持ってくれた学生や研修医といった方でしょうか。何かの参考になれば良いなと思いながら自分の進路選択やその後のことを書きたいと思います。

私は元々乳腺外科を志していたわけではありません。2008年に高知大学医学部を卒業し、出身県であった愛媛に戻り松山市民病院で初期研修を開始しました。卒業時までは将来外科に進むと考えたこともなく、他の科に進むものと思いながらの研修スタートでした。実際に初期研修医の必須の外科研修が始まり、手術の雰囲気や手技、術後管理を含めた全身管理といった外科全般に惹かれるものは感じましたが、当時「女性外科医」を見たことがなかった私は、実際に自分の進路とは具体的に考えられず、思ってもいませんでした。 それが変化したのは、研修の中で出会った患者さんに口をそろえて「女医さんがいてくれて良かった」と言ってもらったところからでしょうか。特に私が興味を持ったのは乳腺外科でした。乳腺外科の患者さんはほとんどが女性です。乳房のことを相談できる女性医師がいれば受診しやすいかもしれない、乳房を失うかもしれないという場面で寄り添い力になれるかもしれない、そう思い進路を外科に、ゆくゆくは乳腺外科に、と決めました。 といっても迷いがなかったわけではありません。外科といえば体力勝負、というイメージだったので、運動経験もない私が体力的にやっていけるのか、将来結婚や出産を考えたときに続けていけるのか、あれこれと悩みました。最後に私の背中を押したのは自分自身の「外科に進みたい」という気持ちでした。悩んだ末に、ここで諦めたら後で後悔する、と思ったのです。

実際進路を決めてみると、決して手術だけではなく検診や画像診断、薬物療法といった乳腺医療の様々なところに関わることが出来、患者さん自身の背景を考えながらどういった治療がベストなのか、患者さんとともに、また周囲の他職種も交え、考えていくことが出来る科だということが分かり、よりやりがいを感じることが出来ました。また大学院を通してこちらも学生時代には想像できなかった基礎研究に触れ、病態を分子レベルで理解・解明していくことの面白さ、またその結果が多数の患者さんの治療につながるかもしれないという面白さを実感することが出来ました。

今後は卒後16年目と決して若手とはいえなくなってきた今だからこそ、後輩の直接指導はもちろん、乳癌学会より立ち上がった全国の若手乳腺科医のリクルートやサポート(MIRAY1)活動にも取り組んでおり、若手とともに、全国の乳腺診療をより発展させていければ良いなと思っています。

乳腺科に興味がある学生・研修医の方がいたら、ぜひ相談・見学してみてください。進路を決める上では色んな不安を感じたりするかもしれませんが、実際に働いている私達を見てもらえると、自分の今後をイメージしやすくなるのではと思いますし、相談に乗れると思います。ぜひ気軽に声をかけてください。

西山 加那子(2023年改訂)

私は2010年に徳島大学を卒業し、地元である香川県で初期臨床研修を行いました。元々体力に自信があるタイプではなく、学生時代や卒業時に外科は選択肢には入っていませんでした。しかし、初期臨床研修で外科をローテートした際に手術の面白さを学び、とてもやりがいのある分野だと思い進路を決定しました。当時外科でご指導頂いていた先生に、母校である愛媛大学の乳腺センターを紹介して頂きました。初期研修終了後は、済生会西条病院で後期研修として一般外科を学び、2015年に当センターに入局いたしました。

早いもので、卒後13年、乳腺外科を専門にして8年経ち、乳腺専門医を取得する事が出来ました。これまでたくさんの患者さんに出会い、治療方針についてスタッフ全員で議論を交わしてきました。乳腺外科の特徴として、検診から、手術、術後治療(化学療法、放射線治療など)にわたるまで、すべて自分達で患者さんを診ることが出来ます。一人ひとりの患者さんは、乳癌のタイプだけでなく、家族背景やライフスタイルもすべて異なります。患者さんと長く関わることで、強い信頼関係を保つことが出来ることも魅力の一つです。最初は不安を抱えていた患者さんが、治療を終えて笑顔が見られた時はとても嬉しいものです。 私は大阪大学理学部数学科を卒業した後に、医学部を再受験しました。そのため、同級生よりも少し年上でしたが、医師として、外科医として、特にブランクを感じるような事はありませんでした。また、私は2014年に第一子を、2017年に第二子を授かりました。まだ子供も小さく、幼稚園の送り迎えが必要なため、カンファレンスの時間などは適宜調整して頂いています。子供の急な発熱などの際も、早めにお知らせすることで他の先生方にフォローして頂き、とても助かっています。当センターの特徴として、妊娠・出産・育児を機に外科医であることを諦めない環境が整っています。自分のモチベーションさえ高ければ、母親としても乳腺外科医としても活躍出来る場だと思います。また、私は第二子出産のタイミングで大学院に入学し、先生方のご指導のおかげで博士号も取得できました。子供たちは日々成長しており、悩みが尽きることはありませんが、私も子供たちに胸を張れる乳腺外科医としてこれからも一緒に成長していこうと思います。 乳腺外科に興味のある研修医・学生の皆さん、特に女性の先生方は、結婚・出産などライフイベントと仕事の両立を迷われるかもしれません。私としては、自分の学びたい意思さえあれば、両立は十分可能だと思います。私も含め、スタッフ一同で力になれたらと思います。乳腺外科にご興味のある方はいつでも見学や相談に来てください。

田口 加奈(2023年改訂)

私は大阪出身ですが、出身大学が愛媛大学(2012年卒業)であった事もあり、大阪で初期研修を終えた後、2014年に大学院生(大学院GP制度)として愛媛に戻ってきました。

元々、研究に興味があり、学生の時も癌の研究をしていました(その時は脳腫瘍でしたが) 。 卒業後の進路を考える時に、血液内科や腫瘍内科も考えましたが、ポリクリ(学生実習)で外科をローテーションした時に、手術も楽しいなと思い、癌の治療法の1つであり、かつ化学療法もする事ができる外科を選びました。

乳癌領域では現在も分子標的薬など次々と新しい薬が出来ており、腫瘍の進行・転移などにおける分子細胞生物学的な機序についての基礎研究も多く、乳癌は腫瘍学という点では最も研究されている癌の1つであると思います。乳腺診療は、手術・化学療法・ホルモン療法・病理・研究と分野が多岐にわたっており、その中で自分の興味のある事を臨床・研究の両方で究めていける分野ではないかと思います。

22016年に大学院を卒業し、本格的に乳腺外科の研修を始めた頃から早くも7年の年月(2023年時点)が経ちました。その間に結婚や双子出産・育児という医師として働き始めた頃には想像もしていなかったライフイベントがあり、身の回りの劇的な変化に驚くばかりです。様々なライフイベントにより女性医師の働き方や生活スタイル・自分自身の価値観が、どれほど変化するか身をもって体感しました。 自分自身は2019年(育休中)に乳腺専門医となりましたが、専門医取得後にさらに自分自身の強みを何にしていこうかと考えていく中で、乳房温存オンコプラスティックサージャリー(OPBCS: oncoplastic breast-conserving surgery)等に興味があり、自身の技術の向上や臨床研究を進めていこうと考えています。

育児は予想した以上に思い通りにいかないことも多く、仕事も育児も中途半端だと悩む事も多いですが、その時々で自分のできる最大限のことをしていくのみかなと感じております。学生さんや若い先生の中には、ライフイベントと仕事の両立が可能か心配な方もいると思います。人生は何か起こるか分からないですし、あまり深刻に考えず、周りと協力して状況に応じて柔軟に対応していけば、道は拓けると思います。  乳腺領域はとても範囲が広く、それゆえに色々な働き方が出来るのみ魅力の一つですし、また奥が深いと感じております。

人生は一度きりなので、将来の道は自分自身の興味のあることを選ぶのが大切ではないかと思います。興味がある方はいつでも見学・ご連絡ください。

日下部 恵梨菜(2021年改訂)

私は愛媛県松山市出身で2015年に愛媛大学を卒業後、市立宇和島病院で2年間の初期研修を終え、2017年4月より愛媛大学乳腺センターに勤務しております。
私はもともと内科や小児科に興味があり、外科に進むつもりは全くありませんでした。しかし、実習で初めてローテートした科が乳腺外科であり、そこで手術に入らせていただき、外科の面白さを実感したのを機に乳腺外科を目指すようになりました。ただ、外科医を目指すようになったものの、乳腺専門医になるためにはまず外科専門医を取得する必要があり、外科は体力勝負といったイメージが強く、体力的に自信がない私には向いていないのではないか、家庭と仕事の両立は出来るだろうかと初めは何度も進路を悩みました。

しかし、後で後悔しないように、まずはやりたいことを出来るところまでやってみようと外科の世界に飛び込みました。実際に研修医になって外科研修が始まると、乳腺だけでなく、他の分野の手術も楽しいと思うようになり、毎日どうやったら手術がうまくなれるか、手技の練習をするのが楽しくて仕方なくなりました。また、乳腺外科の魅力は手術だけでなく、診断から治療までトータルで携わることができる点や、手術以外にも薬物療法や放射線療法など様々な治療法があり、何通りもの治療プランの中から、患者さんの生活背景なども考慮しつつ一人一人にあった治療を考えていけるところにも魅力があります。今後は乳腺外科医として日々研鑽を積みながら、さらに遺伝性乳癌に関しての専門性を高め、様々な悩みや不安を抱えてこられた患者さんの気持ちに寄り添い、一緒に解決していくことができる医師となれるよう、日々努力していきます。

愛媛大学乳腺センターには、私が学生の時には女性医師は3人だけでしたが、現在では11人の女性医師がいて、研究と臨床の両方で活躍されている先輩方や、子育てをしながら家庭と仕事を両立させておられる先輩方など、ロールモデルとなる女性医師がたくさんいます。さらに、当センターでは後輩医師の指導にも力を入れており、資格試験に合格出来るように練習問題を作って教えて頂いたり、手技などの練習に付き合って下さったり、理解できていない点を決してそのままにすることなく、できるまで丁寧に指導して下さる環境はとても有り難かったです。メンバー同士が常に支え合って診療をしており、家庭と両立しながら仕事をされている先輩方を見て、あの時諦めずに乳腺外科医を目指して本当に良かったなと思っています。少しでも興味のある学生・研修医のみなさん、まずは是非一度見学に来てください。お待ちしています。

野田 令菜(2023年改訂)

私は愛媛県松山市出身で、2015年に愛媛大学を卒業後、愛媛大学附属病院にて初期研修を開始し、2017年3月に初期研修を修了しました。2017年4月より愛媛大学肝胆膵・乳腺外科学の医員として外科研修を開始し、2021年1月1日に外科専門医を取得しました。その後、2023年には乳腺専門医および医学博士を取得しております。

私は愛媛県松山市出身で、2015年に愛媛大学を卒業後、愛媛大学附属病院にて初期研修を開始し、2017年3月に初期研修を修了しました。2017年4月より愛媛大学肝胆膵・乳腺外科学の医員として外科研修を開始し、2021年1月1日に外科専門医を取得しました。その後、2023年には乳腺専門医および医学博士を取得しております。

私はもともと画像診断に興味があり、外科には全く興味がなく自分には縁のない科だと思っていました。しかし、実習の際に手術を見学して、自分もやってみたいと思うようになり、外科を志すようになりました。さらに乳腺外科の実習を通して、患者さんの大半が女性であり女医の存在を喜んでいただけること、マンモグラフィ読影という以前から興味のあった画像診断に通じる分野があること、手術だけではなく化学療法やホルモン治療など薬物治療も大変重要であり非常にやりがいのある科であることなどを感じ、乳腺外科という分野に興味を持つようになりました。実習、初期研修を通して様々な科をローテーションし、やりがいのある科は他にもたくさんありましたが、乳腺外科医として乳腺疾患をかかえる女性患者さんの診療に携わりたいという思いは変わりませんでした。現在まで多くの患者さんに関わらせていただいて、術後のお傷についてや下着のことなど、「女医さんだから相談しやすい、先生がいてくれてよかった」などと患者さんからお声かけいただくことも多く、乳腺外科医になってよかったと強く感じます。

乳腺科医として診療していく中で、私は特に手術と薬物療法に興味を持つようになりました。現在は、内視鏡手術などの研修のため亀田総合病院で研修をしております。乳腺領域は薬物療法も手術もどんどん進歩してきています。薬物療法についての知識のアップデートはもちろん重要ですが、手術についてもより低侵襲でかつ安全な術式が選択できるようになるのは患者さんにとってのメリットが非常に大きいと考えます。乳輪乳頭温存乳房全切除術など、地方ではまだまだできる施設が多くはない術式を愛媛の患者さんに提供できるよう現在勉強しています。乳腺診療は上記の手術や薬物療法のほかにも画像、病理、遺伝などさまざまな分野がありますので、自分の興味・適正に合わせてより深く勉強する分野を選ぶことができるのも魅力の一つだと考えています。

乳腺専門医を目指すにあたり、外科全般の研修を積み、外科専門医をとる必要があります。私はもともと放射線科志望であったこともあり、乳腺以外の外科での研修に関して、不安に思うこともありましたが、どの科でも丁寧に指導していただき、得られるものがたくさんありました。外科研修を終えた今、乳腺外科だけではなく、その他の外科でもしっかりと研鑽を積み、そこで得られたものをきちんと患者さんに還元してくことが大切だと思うようになりました。当科にはもともと一般外科も視野に入れていたメンバーもそうでないメンバーもいますので、外科専門医研修について心配なことがあれば気軽に相談いただければさまざまな立場のメンバーからの体験談をお伝えできると思います。

 

外科に少しでも興味のある研修医・学生の方、女性だからと不安になることもあるかと思いますが、全国的に見ても女性外科医はだんだん増えてきています。また、当院乳腺センターでも多くの女性外科医がおり、子育てをしながら外科医として働いているメンバーも多く在籍しています。興味はあるけど自分には無理、と最初から諦めてしまうのは非常にもったいないと思います。実際に、もとは外科志望ではなかったけれど、外科専門医を取得した上で乳腺外科医として働いている先輩もたくさんいます。まずは、気軽に相談・見学しに来ていただけたらと思います。

中村 萌美(2023年に記載)

私は徳島県出身で、2017年に愛媛大学を卒業後、松山赤十字病院で2年間の初期研修を行い、2019年4月より愛媛大学乳腺センターに勤務しております。 元々、外科系に興味はありましたが、女性外科医に出会ったことがほとんどなく、自分が外科医として働く姿は全く想像できず漠然とした不安を抱えていました。しかし、学生時代に乳腺外科で1週間実習する機会があり、その際に初めて女性外科医としてばりばり働いておられる先生方に出会いました。

出産や育児もこなしながら、外科医としても活躍されている姿を目の当たりにし、衝撃を受けました。 また、乳腺外科という分野があることもそれまでは知らなかったのですが、その存在を知って興味を持つようになりました。乳癌患者さんの多さ、診断から治療まで通じて携われること、手術だけでなく化学療法や放射線療法など様々な治療のプランニングができることなどが魅力的でした。加えて、女性患者さんが大半という特殊な科において、女性医師であることが非常に有利であることも魅力の一つでした。 まだまだ学ぶべきことはたくさんあり、特に乳腺分野では日々治療のアップデートが行われています。多くを学んで患者さんに還元できるよう精進して参りたいと思います。 私生活では、卒後6年目に妊娠・出産を経験しました。妊娠中は悪阻など体調不良のため思うように働くことができない時期もありましたが、乳腺メンバーにサポートしてもらいながら無事出産を迎えることができました。また、妊娠中に外科専門医を取得できたのも、勉強時間を確保するために、メンバーが仕事をサポートしてくださったおかげです。出産・育児に限らず、当科はお互いにサポートする体制が整っており、仕事と私生活の両立が可能だと思います。現在、育児真っ只中で子供中心の生活の大変さが身に沁みていますが、実際に育児をこなしながら精力的に働かれている先生方の姿を間近で見ていると、とても励みになりますし、自分にもできるかもしれない、頑張りたい、という気持ちが湧いてきます。ロールモデルとなる先生方が身近にいるというのも当科の強みの一つであると考えます。 最後に、私のように外科に興味があるけれど、漠然とした不安を抱えておられる方もいらっしゃるかもしれません。学生さんから、「外科に興味はあるけれど体力がないとできないんじゃないですか」と聞かれることがあります。私も学生の頃はそのようなイメージを持っていましたが、実際はそんなことはなく、体力のない私でも手術は楽しくやりがいもあり、充実した日々を過ごしています。当科では多くの女性医師が働いており、将来自分が外科医として働いている姿が想像できるのではないかと思います。少しでも外科に興味のある学生さん・研修医の先生方がいらっしゃれば、是非一度、相談・見学に来て頂ければと思います。

竹本 佳菜(2023年に改定)

私は愛媛県出身で愛媛大学医学部を卒業後、1年目は松山赤十字病院、2年目は愛媛大学医学部附属病院で研修を行い、2020年4月より愛媛大学乳腺センターにて勤務しています。 学生の頃から外科(特に鏡視下手術)に興味があったので消化器外科を志望していました。そんな私が乳腺外科を生涯の専門にしたいと思い始めたのはまさかの乳腺センターへの入局を決めたもっと後のことです。

5回生で臨床実習が始まり、診療科毎の自己紹介で「外科志望です!」と最初は元気よく言っていました。しかし周囲の反応を見るとまだまだ女性に外科は難しいと言った印象を受ける反応をされることも多く、外科志望は変わらないものの段々とオープンに公表しなくなっていました。6回生のクリクラ実習中、ふと乳癌の手術を見に行ってみようと考え手術室を訪れました。それが乳腺の先生たちとの出会いです。そこでは全員が女性医師であることに誇りを持っていて、外科医志望の私を歓迎してくれたのがとても嬉しかったことを今でも覚えています。乳腺を選んだ理由は主に2つあり、1つは先生たちが選んだ診療科であったこと、もう1つは患者さんにあります。乳癌は他の癌と比べて経過観察期間が10年と圧倒的に長いです。当時研修医で担当していた患者さんに数ヶ月後院内で声をかけてもらいました。普通研修医のことなんて覚えていないと思っていた私は驚きつつもとても嬉しく、この患者さんを私もずっと診ていきたいと思うようになりました。実際に勤務し始めてからたくさんの患者さんと出会い、治療に関する不安や悩みを打ち明けてくれたり、雑談を楽しんだり、一人一人の患者さんと向き合う場面が増えました。最後に「先生がいてくれてよかった」と言って頂けることが何よりも嬉しいです。そんな患者さんのために日々目まぐるしく発展していく乳腺診療を習得できるよう勉学に励んでいきたい、そう思えるようになってから乳腺を専門にやっていきたいと強く思うようになりました。 学生の時に学ぶ乳腺の範囲はごくわずかであり、それだけで乳腺の魅力を知るのはなかなか難しいかもしれません。実際に乳腺を始めてからマンモグラフィやエコー等の読影診断、手術、薬物治療と幅広く勉強していくようになります。昨日まで標準だった治療が突然変わることも珍しくないほど乳癌の治療発展は著しく勉強が欠かせませんが、当科では全員で全ての患者さんを診ているので一人で不安になることはありません。また外科専門医・乳腺専門医をはじめとした多岐にわたる資格、臨床研究や論文発表など一人では難しいことも今後ありますが、自分のことのように全員がサポートしてくれます。高いレベルでモチベーションを維持できる環境が当科にはあると思います。 女性だから外科医は難しい、男性だから乳腺は難しいと思う必要は全くありません。一緒に愛媛県の乳腺診療を支えていきませんか。 乳腺診療に興味がある方はいつでも見学・相談をお待ちしています。

奥島 久美子(2023年に改定)

私は関西医科大学を卒業後、地元愛媛の地に戻り愛媛大学での初期研修2年間を終え、同大学乳腺センターに2020年度から所属しております。私が乳腺外科医となろうと決めたのは関西医科大学在学中の医学部5回生の冬頃だったと思います。

それまでは自分が外科医を志すなんて想像もしていませんでした。私は医学部に入学する前に薬学部に通っており、同級生とは5歳の年の差があります。当時も今もその年の差を実感することはほとんどありません。しかし、外科医への道は長く険しいものであるとの認識があり、女性特有のライフイベントや年齢というビハインドを考えると、元来の引っ込み思案な性格からも外科医は無理だと決めつけていました。そんななか、ポリクリローテーションの乳腺外科実習で、患者さんの年齢が若く女性が多いため女性医師の存在が喜ばれること、また患者さんが治療後・治療中の生活を楽しまれている方が多いように感じ、とても魅力的に思いました。その時に私の中で外科医という選択肢が初めてできました。大学卒業後は愛媛に帰って働くことを決めていたため、5回生の夏の病院見学の際に当センターを見せていただくことを希望しました。当センターの女性医師達が家庭と仕事を両立させ生き生きと働いている姿をみて、自分の理想とする医師像がそこにあると思い乳腺外科医への道を決めました。現在乳腺センターに所属し勤務し始めてから3年が経ちました。私自身は出産や子育ては経験しておりませんが、実際に間近で先輩方が働く姿をみて病院見学で感じた気持ちを益々身に染みて感じています今進路に迷われている方がいらしたら、ぜひ一度見学に来てみてください。学生さん達が今疑問に思うことや心配に思うことは、私自身も通ってきた道です。力になることが出来ることもあると思うので、まずは気軽に遊びに来てください。お待ちしております。

宇都宮 果歩(2023年に記載)

私は愛媛県松山市出身で、2019年に愛媛大学を卒業後、済生会今治病院で2年間初期研修を行いました。2021年4月より愛媛大学乳腺センターに入局し、外科後期研修医として勤務しております。

医療に興味を持ったきっかけが癌という病気で、ずっと癌の診療に関わりたいと思っていました。また、学生実習で手術見学をした時に、手術が興味深く外科の先生の雰囲気が好きだったため、学生の頃から外科領域に進むことはある程度決まっていました。その中でも乳腺外科は、乳癌を中心とした診療であり、診断から治療、研究まで多彩な分野を学ぶことができ、進路の第一候補として考えていました。大学5年生の実習の時に乳腺外科を回り、

先生方に優しくご指導を頂き、たくさんのことを勉強することができました。どの先生も診療も教育も熱心に取り組まれており、医師としてだけではなく、人としても成長することができると感じ、入局を決めました。

大学で働き始めたばかりでまだまだ未熟ですが、乳腺外科の先生方に様々なことを教えて頂きながら、やりがいを持って仕事に取り組んでいます。女性の先生も多いため、仕事だけでなくプライベートな相談もしやすいです。まずは外科専門医の取得に向けて、一般外科を幅広く研修しながら、乳腺診療の勉強にも取り組んでいきたいと思っています。

まずは気軽に見学に来てみて下さい。進路に不安を感じることもあると思いますが、様々なライフスタイルに合わせて働いている先生方もたくさんいらっしゃいます。私も力になれることがあると思いますので、是非お待ちしております。

青野 真由子(2021年に記載)

私は、愛媛県西条市出身、山梨大学卒業後、愛媛大学で2年間研修し、2023年4月より愛媛大学乳腺センターで専攻医として働いています。
学生期間はどこの科に進むかしっかり決まってはいませんでしたが、元々内科の開業医をしている父の医師像に惹かれて医師を目指していたため、内科の道に進むだろうと考えていました。
また、体力に自信がなく、手術中気分が悪くなり倒れることも何度かあったため、自分は外科に向いていないと思い外科はあまり将来の選択肢に入れていませんでした。

外科の中では乳腺外科に1番興味があったため、外科研修期間は乳腺外科を選択しました。
何度も手術に参加させていただくうちに、

過度な緊張も少しずつほぐれ、力の入れ方なども教えていただき、手術後の疲労感も減っていきました。
また、外来では全ての先生たちが患者さんにとても優しく、協力しながらてきぱきと仕事をこなしている姿が印象的で、私もこの仲間の一員になりたいと感じました。
また、患者さんの経過を約10年間見ていくため、しっかり関係性ができ、最後10年目の患者さんたちが笑って受診を終える姿を見届けられることはとても魅力的に思えました。
最後まで、手術中の不安が抜けなかったのですが、せっかく医師になるためにここまで頑張ってきて、手術したいと思ったなら外科になるべきという先生方のお言葉を聞いて、乳腺外科になることを決心しました。決心したのは研修医2年目の9月頃で、ぎりぎりとなってしまいましたが、その後研修期間も乳腺外科をローテし、早い段階で手術執刀もさせていただき、現在猛勉強中です。
先輩たちは色々なライフスタイルで仕事もしっかりこなしており尊敬できる方ばかりです。その上全員がとても優しいです。研修にきてくれたら、乳腺外科の魅力を少しでも分かってくれるのではと思います。私みたいに手術に対して不安に思っている方も少なくないと思いますが、それだけで外科を諦めるのはもったいないと思います。ぜひ一度研修に来ていただき、雰囲気を感じてみてください!

山下 美智子(2021年改訂)

私は、福岡県北九州市出身で2006年に愛媛大学を卒業し、愛媛大学附属病院で初期研修を開始しました。
高校生の頃から漠然と外科医になりたいという思いがあり、愛媛大学病院と市立宇和島病院の1年ごとの、たすきがけプログラムを選択しました。実際に研修医としていろいろな科で研修をしてみると、他に魅力的な科もたくさんありましたが、やはり手術への思いが強く外科医になることに決めました。医師である現在の主人も、外科医になることを応援してくれ、市立宇和島病院で外科医として後期研修をスタートしました。主人とはしばらくの間別居することとなりました。
乳腺外科を志した理由は、まず私が女性であることです。

乳腺の診療においては女性の先生でよかったといわれることはとても多く、女性外科医であることを生かせる分野だと感じたからです。また、将来は結婚して子供も欲しい、子供ができても外科医として働き続けたいという希望があり、両立できると感じた分野が乳腺外科でした。そして、愛媛県にはまだその頃女性の乳腺外科医はわずかであり、愛媛県で乳腺外科医として働くことを決意しました。後期研修2年目で妊娠・出産を経験し、その後半年間の産休の後に仕事復帰しました。休んでいる間は一刻も早く復帰したいという気持ちと、子供のためにもう少し自分のもとで育てたいという思いとのせめぎ合いでした。いざ、復帰してみると半年間で色々忘れてしまっているなんてことはあまりなく、意外と産休をとる前と同じように働けるものだなというのが実感でした。それも、実家からきてくれて子供の面倒をみてくれていた母のおかげでもあります。
子供と母をつれてがん研有明病院へ半年間乳腺の研修に行かせてもらったりしながら、医師7年目に外科専門医、医師8年目に乳腺認定医を取得することもできました。
医師8年目となり、愛媛大学乳腺センターに戻ってきました。8年目にして初めて主人と同居することとなり、母も実家に戻ることができ、家族三人での生活がスタートしました。
母のサポートはなくなりましたが、乳腺センターでは子育てをしながら働くことに関して様々なサポートをして頂き、たくさんの仲間に支えられて仕事を続けることができました。そして、医師10年目に乳腺専門医を取得することができました。
また、大学に帰ってきた年に大学院にも入学し、病態生理解析部門で今井教授の御指導のもと基礎研究を行い、無事学位を取得することができました。
大学に戻ってくるまでは、臨床だけをやってきましたが、大学では様々な臨床研究や基礎研究にも取り組む機会を与えて頂きました。研究を行うことによって医師としての視野が広がり、患者さんと向き合っていく上でもとてもためになっていると感じています。今後も研究を続けていきたいと思います。

現在は後輩も増え、たくさんの仲間とともに働いています。
医師14年目となり第二子を妊娠、出産しましたが、今回は亀井先生を始め、たくさん増えた多くの後輩たちに支えてもらいました。今後、子供たちが大きくなり手がかからなくなったら、またその時には後輩たちを支える側に回れるよう一日一日を大切に過ごしていきたいと思っています。

乳腺科に興味がある学生・研修医の皆さん、乳腺診療の奥深さや研究の楽しさなど伝えたいことが沢山あります。愛媛大学乳腺センターは、様々なライフスタイルに応じてキャリアアップしていける環境が整っていますので、見学や相談などいつでもお待ちしています。