Q1.医療機関で、できることは何ですか?

医療機関でしかできないことに、「診断」があります。発達障がいに当てはまるのか、そうでないのかという診断は医療機関の医師にしか行えません。診断は本ハンドブックにも書かれているような本人の特徴をもとにして行われます。本人への問診や、保護者や関係者の方への聴き取り(病院外での本人の様子についてなど)、検査等を通して行います。診断までに数回の診察が必要になる場合もあります。

また、医療機関で診断を受けた後は、治療や相談の継続、診断書などの書類作成が医療機関で行えることになります。

 

Q2.発達障がいの治療は病院で出来ますか?

発達障がいに対する治療は様々です。まず必要なことは、本人および周りの方が発達障がいの特性を理解することです。特性に応じた環境について考えていくことが重要です。治療は相談が中心となることが多いですが、症状にあわせて必要な場合は薬物治療も行われます。

カウンセリングやリハビリ、療育などは医療機関によって行われているかどうか様々ですので、本パンフレットも活用してください

 

Q3.小児科と精神科のどちらに行けばいいですか?

小児科では、感染症やアレルギーなどの体の面も含めて相談ができる、小児科医の先生は子どもの診察に慣れているという特徴があります。

精神科では、年齢が高くなっても通院が続けられる、就労に関する相談に慣れているという特徴があります。

ただし、医療機関や医師によって受けられる医療内容は変わりますので、事前に各医療機関にお問い合わせください。

 

Q4.発達障がいは何が原因ですか?愛情不足も関係していますか?

発達障がいは生まれつきに持ち合わせた脳の働き方に違いがあり、明らかな原因はわかっていません。しつけや愛情不足とは関係ありません。

 

Q5.発達障がいは一生治らないのでしょうか?

発達障がいの基本にある特性は変わりませんが、ライフステージによって困ることが変わります。困っている症状が治ることは多くありますが、時間がかかる場合もあります。医療機関でも困っていることを相談してみて下さい。

 

Q6. 二次障害って何ですか?

発達障がいを持つ人が、今までに経験した危機や重大な出来事との遭遇の痕跡が、発達障がいの特性とあいまって、精神障害の診断に当てはまるものと定義されます。二次障害には内的な怒りや葛藤を極端な反抗、暴力など外に向けて表現する「外在化障害」と、不安やうつなどの情緒的問題を中心に、自己の内的苦痛を特徴とする「内在化障害」があります。二次障害は早めの治療が必要ですので、二次障害に対応できる医療機関に行くことをお勧めします。