Curriculum policy

カリキュラムポリシー

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Curriculum policy

学科のカリキュラム・ポリシー(CP:教育課程編成・実施の⽅針)

教育課程の編成と教育内容

本学科では、卒業認定・学位授与の方針に掲げる人材を養成するために、共通教育科目と専門教育科目を体系的に編成します。

1.共通教育科目

 1年次の低学年を中心に編成します。
共通教育科目は、高校から大学への導入のための初年次科目、大学における学びの全般を支え専門教育の基盤となる基礎科目、豊かな人間性を養う教養科目から編成され、看護学の基盤となる知識やスキルと密接に関連しています。

2.専門教育科目

 1年次から4年次までの4年間に編成します。
専門教育科目は、暮らしを支える看護のスタート科目、日常生活を整える支援科目、健康課題別の暮らしの支援科目、暮らしを支える看護を深める科目、保健師科目、養護教諭科目から構成されます。
看護実践に必要な看護学の知識やスキルを学び、具体的には以下の通りです。

1年次に編成される暮らしを支える看護のスタート科目では、地域で暮らす人と暮らしの場の訪問体験や、地域での人の暮らしを支える看護の見学体験をもとに、看護の基礎的知識を学びます。

1年次後半から2年次後半に編成される日常生活を整える支援科目では、1年次中盤までの学びに積み上げて、看護の基礎的知識・技術を学び、それをもとに日々の生活に他者の手助けを必要とする人への日常生活ケアを体験してこれまでの学びをまとめます。

2年次後半から3年次に編成される健康課題別の暮らしの支援科目では、2年次前半までの学びに積み上げて、様々な健康課題をもつ人の特徴と看護を学び、それをもとに様々な健康課題を抱える人への地域での暮らしの支援を体験してこれまでの学びをまとめます。

4年次に編成される暮らしを支える看護を深める科目では、3年次までの学びに積み上げて、人の暮らす地域において様々な健康課題をもつ人の支援を体験し、地域での人の暮らしを支える看護に関する考えを深めます。

2年次終了時には教員免許状(養護教諭)取得の選択、2年次前学期終了時には保健師課程の選択を決定します。

教育方法と成績評価

 1年次の早期から、4年間、断続的に、看護の対象となる人々の暮らしやその看護を体験し、その体験を通して学べる教育方法にします。また、学生の自立的・自律的な学びを支援するために、講義形式の授業だけでなく、地域社会の様々な世代の人々と直接、交流する体験学習、学生同士の話し合いや学びあい、臨床状況を模擬的に再現した状況下での演習などを多く取り入れます。また、eラーニングなど時間外学修を支援するツールも活用します。学生の履修を支援するために、授業概要を示すシラバスに加え、卒業までに身につけるべき能力と授業科目との関連や科目間の関係・順序をカリキュラムマップやカリキュラムツリー(別紙)で示します。

 すべての授業において明確な評価基準に基づいて厳格な成績評価を行います。また、今後の学修につなげるために、定期的に、卒業認定・学位授与の方針に示された能力の修得の自己評価や成績評価をもとに、これまでに何を学び、身に付けることができたのかを学生担当教員とともに振り返ります。2年次終了時には、各科目の成績評価をもとに、3年次の実習の履修能力を確認します。

アセスメント・プラン

 ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)に則して、学修成果等を測定・評価し、その結果に基づいて教育プログラムを検証し、改善につなげていきます。
 検証は、別に定めるカリキュラム・アセスメント・チェックリスト(別紙)に則って実施します。具体的には、在学生へのアンケートや聞き取り調査、卒業生へのアンケート、卒業生の就職先へのアンケートなどを実施して在学生や卒業生、第三者の意見を参考にしながら、GPA(成績平均値)や単位修得状況などをもとに、教育課程編成・実施の方針で示された教育内容が適切に実行されているか、卒業認定・学位授与方針で示された能力が着実に身につくカリキュラムや教育内容が編成されているか、身に付けた資質・能力が就職先や進学先で役立っているかを検証します。

Curriculum features

カリキュラムの特徴

「将来的に地域のリーダーとして人の一生涯の暮らしを支える看護を牽引するために必要な能力」の獲得を目指し、実習をステップアップのポイントと位置づけ、『暮らしを支える看護のスタート科目』『日常生活を整える支援科目』『健康課題別の暮らしの支援科目』『暮らしを支える看護を深める科目』の科目群を積み上げていくように組まれています。看護の対象である「人」とその「暮らし」を注視して、早期に地域で暮らす人々の支援を学び、健康課題をもち病院で治療・療養生活を送る人の支援、そして最後に健康課題をかかえて地域で暮らし続けるための支援を学ぶ教育内容になっています。短期間の集中的な学修により能動的な学習態度を引き出しやすいとされるクォーター制、学期ごとに単位を付与するセメスター制を導入しています。

 

Report

医学部
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Education content

教育内容(各学年で学ぶ内容)

1年次

「人の暮らし」から「暮らしの支援」を学び始めます!

城北キャンパスで開講される共通教育科目は多岐にわたり、初年次科目や基礎科目、教養科目の履修を通じて看護学の基盤となる知識やスキルを身に付けます。重信キャンパスでは、1年次早期から『暮らしを支える看護のスタート科目』として、地域で暮らす人と暮らしの場の訪問体験「暮らしの体験演習」、「人の身体Ⅰ・Ⅱ」や「コミュニケーション論」などを学び、地域での人の暮らしを支える看護の見学体験「暮らしの支援実習Ⅰ」に繋げます。1年次後半からは、疾病や治療に関する知識に加えて『日常生活を整える支援科目』として「看護学基礎論」や「看護技術演習Ⅰ」など看護の基礎的知識・技術を学びます。

2年次

健康課題に応じた看護や疾患を学修し、実習へと繋ぎます!

2年次から授業は、重信キャンパスのみになり、1年次の学びに積み上げ、「看護技術演習Ⅱ・Ⅲ」や「看護の思考過程Ⅱ」などの科目を通して日々の生活に他者の手助けを必要とする人への日常生活ケアを学修します。そして学んだことを「日常生活支援実習」を通してまとめていきます。2年次後半からは、『健康課題別暮らしの支援科目』が始まり、「健康課題別看護Ⅰ~Ⅴ」、「看護の思考過程Ⅲ」を通して様々な健康課題をもつ人の特徴と看護を学びます。そして3年次の「健康課題別看護実習」に繋がります。2年次終了時には教員免許状(養護教諭)取得の選択を決定します。

3年次

実習でこれまで学んだ知識やスキルを活用・応用・総合して使いこなす能力を身に付けていきます!

3年次は、これまで学んできた暮らしや日常生活を支える看護を踏まえ、「健康課題別看護実習Ⅰ~Ⅴ」として様々な健康課題を抱える人の暮らしの支援を体験してこれまでの学びを深めます。実習はほぼ1年を通して行われ、人の健康の保持増進と女性の健康を支援する実習、急激な健康破綻とそこから生活の再構築を体験する人を支援する実習、慢性・不可逆的な疾患や障害を持つ人の生活を支援する実習、死が差し迫った人やそう遠くない将来に死が訪れる人とその家族のエンドオブライフケア実習を行います。さらに、これらの実習を踏まえて「看護の思考過程Ⅳ」では、臨床判断の基礎を学びます。3年次中盤には保健師課程の選択を決定します。

4年次

地域のリーダーとして先を見通す力を養います!

4年次に編成される『暮らしを支える看護を深める科目』では、3年次までの学びに積み上げて、「暮らしの支援実習Ⅱ」で人の暮らす地域において様々な健康課題をもつ人の支援を体験し、人の暮らしを支える看護に関する考えを深めます。さらに「看護研究」や「看護リーダー論」をとおして不断に看護を学び続ける能力を養い、将来的に地域のリーダーとして人の一生涯の暮らしを支える看護を牽引するために必要な能力を身に付けていきます。卒業年の2月には、看護師国家試験、保健師国家試験が実施されます。

Curriculum tree

カリキュラムツリー

医学部看護学科の4年分のカリキュラムを見やすく図にしたものです。各科目が系統的に配置され、学びやすいカリキュラム構成になっています。

Map

カリキュラムマップ

医学部看護学科の専門科目とディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)の相関関係を表で示したものです。

ディプロマ・ポリシーに基づき、各科目が、卒業までに身につけるべき能力のどの項目と関連するのかを示しています。

Checklist

カリキュラムチェックリスト

看護学科のカリキュラムが効果的なものになっているのを常に確認しています(カリキュラム・アセスメント)。この表はそのためのチェックリストです。「患者から学び患者に還元する」医療人を育成するために不断の努力を続けています。

Public health nurse course

保健師課程について(選択制:30名程度)

~地域の健康のレベルアップが図れる保健師の育成!~

1. 自治体保健師への高い合格率

愛媛大学医学部看護学科卒業生は、愛媛県や県内市町をはじめ、関東、中国・四国地方、九州地方を中心に全国各地の自治体で保健師として活躍しています。卒業と同時に自治体や企業の保健師として就職でき、施策化能力や保健指導能力等、保健師としての力量を高めることができます。また看護師経験を何年か積んだのち、自身の生活設計に合わせて保健師として再就職することもできます。本校は自治体保健師への高い合格率を維持しています。

2. 幅広い知識と教養を備えたリーダーシップが発揮できる保健師の育成

最先端の医療現場での実習や人間性を重視した本学での教育を受けた卒業生は、地域の保健医療のリーダー的役割がとれる保健師になることが期待されています。患者さんや住民を支える専門職やボランティア等、地域の人々が連携し、それぞれがベストを尽くせるケアやケアの体制ができるように、医師等の医療職・看護職・教育職・福祉職等と協働し、住民と専門職を結ぶコーディネーターとしてリーダーシップを発揮しています。

3. 愛媛県内の自治体・保健所をフィールドにしたきめ細かな実習

平成27年度から、地域看護学実習は公衆衛生看護学実習と名称を変え、選択制になり、単位数を増やし、公衆衛生看護の実践力をつけることを目的に加えました。3~4人の少人数グループで県下の保健所・市町をフィールドに実習を行います。家庭訪問や健康教育、健康診査等の保健活動の実施だけでなく、住民へのインタビューや保健統計などを駆使して、課題を見出し、解決策を検討する地域看護診断の過程を現地の保健師さんや教員とともに辿ります。内容の凝縮した4週間ですが、実習後には、地域を愛する住民、住民から信頼される保健師さんに触れ、保健師活動の醍醐味を感じることができます。

4. 愛媛大学教育学部附属学校園や東温市との連携

4年生に行う公衆衛生看護学実習は、愛媛大学の附属学校園(幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校)や東温市内の小中学校と連携・協力を得て実施しています。地域の中にある学校として捉え、虐待の予防や心の問題、医療や介護の必要な児童や発達障害児支援など様々な課題のある中、地域の学校とどのように連携をとっていくかなど、広い視点から学びます。

5. 保健師採用試験合格を全力でサポート

自治体保健師採用試験の採用倍率は人気の自治体ほど高く、採用試験に合格するには、専門科目だけでなく教養科目や小論文・面接等、周到な準備が必要です。愛媛大学には、城北キャンパスに就職支援プログラムとして「公務員セミナー」「面接対策」「就職相談」等、多くのプログラムやインターンシップ研修制度が利用できます。看護学科においても過去の採用試験や採用情報からきめ細かな支援が受けられます。

School nurse training course

養護教諭養成課程(選択制:5名程度)

~教育実践力・看護力を有する養護教諭の育成!~

1. 県内唯一の養護教諭養成課程

愛媛大学医学部看護学科では、県内唯一の養護教諭養成課程(養護教諭一種免許状取得)を持ち、愛媛県内はもちろん、大阪、広島、山口、福岡などで、卒業生が養護教諭として活躍しています。4年次には、全員が教員採用試験を受験しますが、近年では合格者も増加しており、卒業後すぐに新人養護教諭として働くチャンスも広がっています。

2. 看護師資格を持つ養護教諭の養成

看護師の資格を持つ養護教諭は、①高いフィジカルアセスメント能力を有し、病気に対する症状や対応への具体的な説明ができる、②高いコミュニケーション能力、重傷者への冷静な判断、視診・問診などの高い専門的技術を有する、③豊富な看護知識を備えることで、教員・保護者・地域の方から信頼を得やすい、といったメリットがあります。

3. 教育実践力のある養護教諭の養成

愛媛大学全体で質の高い教員の育成を目指し、平成22年に教職総合センターが開設され、「愛媛大学教職課程のディプロマ・ポリシー」が策定されました。養護教諭の養成も、この教職課程のディプロマポリシーに基づき行われています。教職総合センターでは、学部を越えた教員間の連携・協働により、愛媛大学の教員養成の強化・充実を図り、さらに、現職教員研修などを通じた地域との連携の強化に取り組むことで、教育実践力のある教員を養成することを目的にしています。教職ポートフォリオの作成や、教職リフレクションデイ、教職実践演習は、教育学部の教員と連携・協働して行っており、4年間をとおして教育者としての能力が育成されるカリキュラムを提供しています。
愛媛大学教職総合センターHP

4. 愛媛大学教育学部附属学校園との連携

4年生に行う4週間の養護実習は、愛媛大学の附属学校園(幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校)と連携・協力を得て実施しています。小学校・中学校・高校での実習だけでなく、幼稚園や特別支援学校での一日実習を行い、すべての学校種における養護教諭の役割を学ぶ機会を設けています。また、できるだけ早期から学校現場での体験を積み重ねるために、附属学校園の協力を得て3年生後学期に「ふれあい実習」を行い、養護実習開始前から身体計測や保健指導、保健室経営などを現場の養護教諭から学び、実践力を高めています。

5. 教員採用試験合格を全力サポート

全国公立学校教員採用試験(養護教諭は)の採用倍率は約8倍と高く、採用試験に合格するには、周到な準備が必要です。愛媛大学には、城北キャンパスに「教職支援ルーム」があり、教職を志望する学生へ、以下の支援を全力で行っています。

学校で使用されている教科書・教師用指導書、学習指導要領の解説書、教育ジャーナルなどの教育関係雑誌を所蔵しており、学生は自由に閲覧することができます。

愛媛県内の各学校や教育施設からの依頼を受けて行う「地域連携実習」の紹介を行っています。

教員採用試験を受験する学生への支援として、教員採用試験の過去問や『教員養成セミナー』などの月刊誌などを豊富にそろえており、学生は自由に閲覧することができます。また、教員採用試験に向けた学習についても積極的にサポートしており、学生に対するフォローアップ講座などを開催しています。

 養護教諭を目指す学生も、教職支援ルームを積極的に活用し、教育学部や他学部の教員を目指す学生とともに、教員採用試験の合格を目指し日々努力しています。