講座紹介

臨床腫瘍学講座

2006年6月に制定された「がん対策基本法」は、日本のがん医療や医療行政を大きく変えました。この流れの中で、2012年7月に愛媛大学医学部に「臨床腫瘍学講座」が開設されました。医療技術や治療法の進展に従い、現在の医学の関心の多くは臓器や器官に向けられています。しかし病気は臓器診療だけでは対応出来ないものです。がんを全人的に捉えることが出来る医療人を養成することが、この「臨床腫瘍学講座」の使命です。また、臨床腫瘍学の診療行為は、附属病院の腫瘍センター/緩和ケアセンターで行われています。各診療科の狭間にあるがん患者さんや合併症・痛みを持つ患者さんの対応、国内外進展しているがんの免疫療法やゲノム医療等に関する診療行為や情報提供・啓蒙活動を行っています。また、がん診療には一定のスキルも必要です。疾患特異的な対応に加え、臓器横断的な治療にも明るく、補助療法や症状緩和に知識を有した全人的な対応をチーム医療の中で考察することも必要です。更に、当事者である患者さんやがん経験者やその家族、また地域で地道にがん医療を行う医療人との連携を行う事も重要です。通常のがんの診療行為に加え、こういった活動を愛媛大学附属病院の腫瘍センターでは行っています。