教授挨拶

ご挨拶

愛媛大学医学部産科婦人科学講座は、昭和49年に初代・中嶋晃教授のもとに開設されました。以来、第2代・松浦俊平教授、第3代・伊藤昌春教授、第4代・那波明宏教授、第5代・杉山隆教授へと引き継がれ、このたび私が第6代を務めさせていただくこととなりました。浅学菲才ではございますが、愛媛県の医療の発展に貢献できるよう、誠心誠意取り組んでまいります。

産婦人科学は、女性の生涯にわたるあらゆるライフステージの問題や疾患を扱う診療科であり、生殖医学・周産期医学・腫瘍医学・女性医学の四つのサブスペシャリティで構成されています。ただし、これらの分野は相互に深く関連しており、特定の領域に偏ることなく、幅広い視野を持った医師の育成が重要であると考えております。

このような理念のもと、当講座では各分野の専門医・指導医の指導のもと、最善の診療を提供するとともに、卒前・卒後教育にも積極的に取り組んでいます。また、若手・中堅医師のキャリア形成を支援し、愛媛大学医学部の基本理念である「患者から学び、患者に還元する教育、研究、医療」を体現できる医療人の育成を実現してまいります。

とくに、以下の3点を講座の使命として重点的に取り組んでまいります。

・一つ目は、愛媛県全体の周産期・婦人科診療体制を持続可能なものとするため、産婦人科医療を担う人材を育成し、大学のみならず地域医療全体を支えることです。

・二つ目は、大学病院として最先端・最良の医療を提供し、愛媛県の医療レベル向上に貢献することです。

・三つ目は、産婦人科領域における基礎研究および臨床研究を積極的に推進し、医学というサイエンスに貢献し得る人材と情報を世界に発信していくことです。

これらの取り組みにより、愛媛大学医学部附属病院の掲げるビジョンである「愛媛県民から信頼され愛される病院」「患者の立場に立てる医療人の養成」「愛媛で育ち、世界に羽ばたく医療の創造」を実現していきたいと考えております。

さらに、政府が提唱する「働き方の未来2035」に対応した体制の構築にも尽力いたします。医療従事者が安心して働ける環境を整えることは、患者さんにとっての最善の利益にもつながると確信しています。このような方針のもと、スタッフ一丸となって診療・教育・研究に邁進してまいります。

今後も他科や関連施設との連携をより一層深め、「チーム愛媛」として全力で取り組んでまいります。皆様方の変わらぬご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

愛媛大学大学院医学系研究科病因・病態領域 産科婦人科学
教授 澤田 健二郎