臨床研究

婦人科悪性腫瘍登録について

当院では、婦人科癌患者さんの医療・福祉に貢献することを目的とし、倫理委員会の承認を受けた上で子宮頸癌、子宮体癌、卵巣悪性腫瘍、卵巣境界悪性腫瘍の症例について日本産科婦人科学会にオンライン登録を行っております。これらのデータより、1)わが国における婦人科癌(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣悪性腫瘍、卵巣境界悪性腫瘍)の進行期・病理学的分類,2)診断・治療の実態,3)治療成績(5 年生存率),4)登録罹患数や治療指標などの年次推移,5)これらの研究成果を患者や社会が利用しやすい情報として提供する方法等について解析・公表をいたします。個人特定が可能な情報は一切公表することはなく、データに関しては厳重な管理が行われます。本登録事業は,わが国の婦人科悪性腫瘍医療のなかでも一定水準以上の施設での、新規発生婦人科悪性腫瘍の約50%を把握していると推定され,詳細かつ有用な臨床・病理学的情報を持つ唯一最大のデータベースです。これらの登録情報を活用して国際比較研究を行い,わが国の婦人科癌及び婦人科癌医療の特徴と海外との共通点・相違点等を明らかにしてゆくことは、今後ますますその必要性・重要度を増大していくものと考えられます。

臨床研究について

当院では,以下の臨床研究を多施設共同で実施しております。この研究は通常の診療で得られた過去の記録をまとめることによって行います。このような研究は,厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」の規定により,対象となる患者さんお一人お一人から直接同意を得るのではなく,研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関するお問い合わせなどがありましたら,下記の「問い合わせ先」へご照会下さい。

【研究課題名】
子宮頸部扁平上皮癌 Ia2期における縮小手術の可能性を検討するための観察研究
【研究責任者】橋本 尚(産婦人科・助教)
【研究代表者】松元 隆(産婦人科・特任講師)
【研究の目的】過去に受診された子宮頸部扁平上皮癌 Ⅰa2期患者さんのカルテの情報を収集し,治療方法や有効性について評価する研究を行うことといたしました。この研究は子宮頸部扁平上皮癌 Ⅰa2期における有効な治療方法の検討を目的としたものであり,皆様の今後の診療にも役立つことができると考えています。
【研究の方法】
・対象となる患者さん:1997年~2007年までに当科を受診された方のうち子宮頸部扁平上皮癌 Ⅰa2期と診断され,初回治療として手術が行われた患者さん
・利用するカルテ情報:年齢,発症時期,合併症,既往歴,身体所見,血液検査データ,画像検査データ,治療状況 等
【個人情報の取り扱い】
収集した情報は名前・住所など患者さんを直接特定できる個人情報を除いて匿名化致しますので,個人を特定できるような情報が外に漏れることはありません。また,研究結果は学術雑誌や学会等で発表される予定ですが,発表内容に個人を特定できる情報は一切含まれません。この研究の対象となられる方で「ご自身のカルテは除外してほしい」と望まれる方は下記お問い合わせ先までご連絡下さい。
【問い合わせ先】
愛媛大学医学部附属病院・産婦人科 橋本 尚
〒791-0295 愛媛県東温市志津川454
電話:089-964-5379